2年前に通っていた語学学校のクラスメートのコニーから、ランチのお誘い。
彼女は数年前に香港から二人の息子と共にやってきて以来、ずっとこちらで生活をしている。本国で会社経営をしているご主人は、休みともなると時々家族を尋ねてやってくるという究極の“逆単身赴任”状態だ。
なぜこんな面倒くさいことをやっているのかと言うと、言わずと知れた中国への返還問題。二人の息子を中国人なんかにさせるものか、ただその一心から彼女はアメリカで子どもを産み、大学までの教育を受けさせる覚悟なのだ。たとえ夫婦が別々に暮らしてでも。
彼女自身は英語が堪能なわけではないので、今もカレッジに通いながら子育てをしているのだ。すごい根性だ。
そうはいっても息子たちももう18歳と16歳、彼女の“任務”はそろそろ終わりに向かっているようだ。こんな人生もあるのか・・。
年齢も国も生活環境も違う私たちはそれでも、不思議な友情で結ばれていて、こうして私が帰ってくるたびに再会の時間を持つようにしている。
私たちが向かったのはオークランドのチャイナタウン。ここは中国かと錯覚するほど、生活の“におい”のする大中華街だ。
道路の標識も、お店の看板もすべて漢字。歩いている人も99%チャイニーズ。
ここのとあるレストランで、夢にまで見た飲茶ざんまいとしゃれ込む。次々とそばを通っていくおいしそうな蒸しものに思わず手が伸びる。ふぁぁぁ~うまいっ!
ふたりで思いっきり食べて、約15ドルという価格もうれしい。
このあと、どうしても買いたかった干しえびを買うために彼女に案内してもらって近くの乾物屋に行ってみた。とにかくすごい!“食は中国にあり”を思い知らされるほどの品揃えに腰を抜かしそうになる。フカひれから鹿の睾丸まで(いったい誰が買っていくんだろう)そろいに揃ったり。ここはいったいどこなんだ!?恐るべし、中国。