Life in America ~JAPAN編

I love Jazz, fine cuisine, good wine

タカラヅカと日本。

2006-04-15 10:02:05 | movie

Dedeから面白そうな映画が上映されるんだけど一緒にどう?と誘われた。
歩いて3分ほどのPFA(Pacific Film Archive)は、UCバークレーが運営する小さなシアターで、大きな映画館ではなかなかお目にかかれない、各国の優秀なドキュメンタリーフィルムなどを上映している。

今日見たのは、「Dream Girl」と「The Good Wife of Tokyo」という、いずれも50分ほどのショートドキュメンタリー。
ディレクターはイギリス人の女性で、終演後には彼女のレクチャーや質疑応答などもあった。

「Dream Girl」は、宝塚歌劇、特に男役スターに焦点を当て、劇団員になるまでの音楽学校での“軍隊”並みの厳しい訓練の様子、男役をいかに“立てるか”が大切だと語る娘役のイアンタビュー、おっかけファンの女の子たちへのインタビューなどで構成されていた。
つまるところ何がテーマかというと、「日本における、女性側がみた男性の理想像と現実」だったように思う。

元“ヅカファン”としては、こういう世界がガイジンの目にどういう風に映るのかとっても興味津々だった。
会場がウケていたのは、ファンへのインタビューシーン。
熱狂的な追っかけの女の子は「6時間待っても“ありがとう”のヒトコトを聞けただけで幸せなんです。現実の男の子には絶対しないですけど」「(スターと)同じ空気を吸っているだけで幸せ」などと夢見心地で言い、主婦のふたり連れは「ここにいる間だけはせめて家のことを忘れて夢の世界にどっぷり入れる、そして帰ったらまたフツーの主婦という現実に戻るんです」。

どうもこのあたりに、ディレクターの意図があったようだ。
古来から日本女性は男性に仕えるだけの身だった
→でも宝塚では女性が男になりきって“理想の男性”を演じることが出来る。だからこそ女性が熱狂する。
→でも、男役とて所詮はひとりの年頃の女。25歳になると彼女たちの心の中に結婚か舞台かという葛藤が芽生えだす。揺れる乙女心・・。
→しかし、いったん家庭に入ると彼女たちは実にいい妻になる、なぜならばどんなつらいことにも耐え耐えてきた2年間があるから、そして誰よりも“男の気持ち”を理解できるから(男役)だ。

そして映画は、トップスター(杜けあき←古すぎ~!!)が「さようなら、タカラヅカ」と高らかに叫んで舞台を去っていくシーンで終わるのだった。

個人的には、よく取材されて面白い作品だとは思う反面、“男役”という興味だけで突っ走って作られた作品のようでちょっと物足りなかった。
「君を愛しているんだ、ケッコンしよう」「うれしいわ」などという舞台のやりとりだけを切り抜かれて、これが日本女性から見た理想の男性と思われるのもなんだかはがゆい。
それに、男役が「将来の良妻の予備軍」という描き方もしらける。
日本でもそうだが、「タカラヅカ?ああ、あのオンナが男役してへんな声だすやつでしょ」という偏見が先にたって、なかなか芸術性評価しようとしない背景もある。

また、創設者である小林一三氏の墓を一心不乱に掃除したり、自衛隊を特別講師に迎えて敬礼や歩き方を訓練する音楽学校の生徒のシーンを見ていると、まるで北朝鮮の「喜び組」を想起させて気分が悪かった。
Dedeも「いまどきあんな教育って存在するのねぇ。それにしてもあの制服はまるでWorld War Ⅱみたいだわね」と感想を漏らしていたし、観客の大半が同じ感想を抱いたに違いない。
う~ん、やっぱりこういう印象の残り方はとても不満だ。


「Dream Girls」

Kim Longinotto, Jano Williams (U.K., 1993)

Dream Girls is a fascinating portrait of the Takarazuka Music School and Theater in Japan, whose shows rival Las Vegas for glitter and Hollywood for romance. What makes female audiences buy tickets months in advance is the perfection of the fantasy offered by Takarazuka's men―because they are all played by women. Dream Girls follows the routine at this much-sought-after school where the focus is on training―dance, voice, and discipline for its own sake. After two years on stage, stars and chorines alike return to society, where men are coarse and, it is said, women who have been men at the Takarazuka make better wives.



なつかしい人々とベビーシャワー。

2006-04-15 08:42:12 | アメリカ生活雑感

アダルトスクール時代からの仲良し、ペトラ(チェコ)の出産予定日まであと1ヶ月。
今日はアン(私たちの担任だった先生)の呼びかけで、ミニ“Baby Shower”をすることになった。ベビーシャワーというのは赤ちゃんが生まれる1ヶ月ぐらい前に、親しい友人が無事な出産を祈ってお祝いをするというもの。
聞けばコレはアメリカ独特のもの(いわゆるネイティブアメリカンには存在する)で、ヨーロッパにはそんな風習はないらしい。
アンとガリーナに会うのは結婚以来はじめてなので、ついでに結婚式の写真も持ってくるようにとのこと。

アンはまるで少女のようにアルバムにとびつき、「How nice!」「I like this dress very much!」などと歓声をあげながら、1枚1枚を食い入るように見ている。
当の本人は、もう何年も前の出来事のようで今さら大きな感動も沸いてこねぇな~と思っていたら・・・。


な~んと!アンが感動して泣き出しちゃった。
あんまりおかしいので(失礼!)写真を撮っておこう。

思えば、まだアダルトスクールに通っていた頃、アンは私のことを時々気にかけてくれていたなぁ。
一人でアメリカで暮らしてさびしくないのか、恋人はいないのか、とか二人きりになると時々聞いてきたものだった。
一時は“超ハンサム”だという甥っ子と見合いさせられそうになったけれど、あれは冗談じゃなかったのかもしれない
そんなアンが今、目の前で私の結婚式の写真を見て泣いてくれている。やっぱり、いい人だこの人。



集まった人たち。アンが首に巻いているのはもちろん「アレ」。
「私の友人はこのタオルを巻いたとたんに彼氏ができた、これはGood Luckタオルなんだ」というと
さっそく息子に持たせようといっていた。


ペトラのおなかはパンパン。これでもまだ予定日は1ヶ月も先。
もうすでに男の子とわかっているらしい。
「産まれたら取材させてね~」


●この日聞いた、出産前のsuperstition(迷信)

・妊婦は出産前に髪を切ってはいけない。
・妊婦は出産後に髪を洗ってはいけない(1ヶ月とも言われているらしい)