
私はオリジナル・アルバムの中にシングル曲以外で好きな曲がどれくらい入っているかをそのアーティストと自分との距離感を測る評価基準にしている。ビートルズのように名曲含有率がほぼ100%などというケースは例外中の例外で “シングル曲は面白いけれど、それ以外のアルバム曲は埋め草だらけ” というパターンの方が圧倒的に多い。
私が B'z を好きな理由の一つはここにある。前回書いたように「Calling」「Liar! Liar!」という2枚のシングルに魅かれて買ったアルバム「SURVIVE」の持つ “ジャンルを超えた多様性” が自分の嗜好とピッタリ合っており、シングル曲以外にも良い曲が一杯詰まっていたこともあって、私にとっての B'z は他のアーティストとは違う特別な存在になっていった。
「SURVIVE」以降、彼らはどんどんハードロック色を強めていき、乱暴に言うと “ハードロックか熱唱型バラッドか” という感じの、 “統一感はあるけどちょっと単調” なアルバムが何枚か続いた。しかもサウンドや歌詞に重点を置く余り、肝心のメロディーが薄くなってしまっているような曲もいくつかあって、強いて言えばそれが少々不満だった。しかし、最近のアルバムはどれも「SURVIVE」を想わせるヴァラエティー豊かな内容になっており、楽曲のクオリティーの高さにも一段と磨きがかかってきているように思う。そんな “メロディー回帰” のきっかけとなったアルバムが2006年に出たこの「MONSTER」である。
このアルバムを聴いてまず感じたのは全編に漂うレッド・ゼッペリンへの憧憬である。雰囲気としては「フィジカル・グラフィティ」や「イン・スルー・ジ・アウトドア」あたりの多様性を髣髴とさせるものがあるが、野放図なエネルギーを感じさせながらもそれらを緻密なアレンジによって聴きやすくまとめ上げているところが B'z の B'z たる所以である。
まずは何と言ってもアルバム・タイトル曲の⑧「MONSTER」が凄い。その壮大な曲想は「カシミール」を想わせるスケールのデカさだし、ヘヴィーなギター・リフと荘厳なストリングスの絡みが生み出す凄まじいまでのグルーヴはまさに圧巻で、B'z を単なる J-Pop と思ってる人が聴いたら驚倒するだろう。稲さんのシャウトもめちゃくちゃカッコ良く、私的には何度聴いても鳥肌モノのキラー・チューンだ。
このアルバムのもう一つの特徴は⑤「ケムリの世界」、⑨「ネテモサメテモ」、⑫「雨だれぶるーず」と3曲もブルースっぽい曲が収録されていること。特に⑨はシンデレラの名盤「ロング・コールド・ウインター」の泥臭いデルタ・ブルースのエッセンスが散りばめられたネチこいサウンドに面白い歌詞が乗っかった超愛聴曲だ。⑤は意味深な歌詞が面白いし、⑫もゼッペリンの名曲「シンス・アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー」の影響を色濃く感じさせるコテコテのブルースだ。
上記以外の曲ではドライヴ感溢れる①「ALL-OUT ATTACK」、レゲエのビートを巧く使った爽やか系ポップ曲④「恋のサマーセッション」、上木彩矢によるカヴァー・ヴァージョンでも有名な⑪「ピエロ」あたりが気に入っている。シングル曲では⑥「衝動」が圧倒的に素晴らしい。楽曲全体を貫く疾走感はまさにロックンロールの王道を行くもので、そのテンションの高さはハンパではない。車を運転中に聴くとアクセルを全開にしたくなる衝動に駆られる危険な(笑)ナンバーだ。尚、このアルバムにはギター・ソロやラストのシャウト部分が差し替えられた MONSTER MIX が収録されている。②「SPLASH!」では “カッティングの魔術師” 松ちゃんの職人技が堪能できるし、少々耳タコ気味の⑭「OCEAN」も聴けば聴いたでやっぱり名曲だ。③「ゆるぎないものひとつ」は聴き込めば聴き込むほど味わいが増すスルメ・チューンで、シングル向きというよりは “アルバムの中でキラリと光る隠れ名曲” という感じのナンバーだ。
ハードロックありブルースありレゲエあり王道バラッドありと、非常にヴァラエティーに富んだこのアルバムは、 B'z のアーティストとしての懐の深さを改めて満天下に知らしめた傑作であり、古き良き70'sハードロックの薫りを現代に蘇らせる屈指の名盤だと思う。
衝動
MONSTER
B'z ネテモサメテモ
私が B'z を好きな理由の一つはここにある。前回書いたように「Calling」「Liar! Liar!」という2枚のシングルに魅かれて買ったアルバム「SURVIVE」の持つ “ジャンルを超えた多様性” が自分の嗜好とピッタリ合っており、シングル曲以外にも良い曲が一杯詰まっていたこともあって、私にとっての B'z は他のアーティストとは違う特別な存在になっていった。
「SURVIVE」以降、彼らはどんどんハードロック色を強めていき、乱暴に言うと “ハードロックか熱唱型バラッドか” という感じの、 “統一感はあるけどちょっと単調” なアルバムが何枚か続いた。しかもサウンドや歌詞に重点を置く余り、肝心のメロディーが薄くなってしまっているような曲もいくつかあって、強いて言えばそれが少々不満だった。しかし、最近のアルバムはどれも「SURVIVE」を想わせるヴァラエティー豊かな内容になっており、楽曲のクオリティーの高さにも一段と磨きがかかってきているように思う。そんな “メロディー回帰” のきっかけとなったアルバムが2006年に出たこの「MONSTER」である。
このアルバムを聴いてまず感じたのは全編に漂うレッド・ゼッペリンへの憧憬である。雰囲気としては「フィジカル・グラフィティ」や「イン・スルー・ジ・アウトドア」あたりの多様性を髣髴とさせるものがあるが、野放図なエネルギーを感じさせながらもそれらを緻密なアレンジによって聴きやすくまとめ上げているところが B'z の B'z たる所以である。
まずは何と言ってもアルバム・タイトル曲の⑧「MONSTER」が凄い。その壮大な曲想は「カシミール」を想わせるスケールのデカさだし、ヘヴィーなギター・リフと荘厳なストリングスの絡みが生み出す凄まじいまでのグルーヴはまさに圧巻で、B'z を単なる J-Pop と思ってる人が聴いたら驚倒するだろう。稲さんのシャウトもめちゃくちゃカッコ良く、私的には何度聴いても鳥肌モノのキラー・チューンだ。
このアルバムのもう一つの特徴は⑤「ケムリの世界」、⑨「ネテモサメテモ」、⑫「雨だれぶるーず」と3曲もブルースっぽい曲が収録されていること。特に⑨はシンデレラの名盤「ロング・コールド・ウインター」の泥臭いデルタ・ブルースのエッセンスが散りばめられたネチこいサウンドに面白い歌詞が乗っかった超愛聴曲だ。⑤は意味深な歌詞が面白いし、⑫もゼッペリンの名曲「シンス・アイヴ・ビーン・ラヴィング・ユー」の影響を色濃く感じさせるコテコテのブルースだ。
上記以外の曲ではドライヴ感溢れる①「ALL-OUT ATTACK」、レゲエのビートを巧く使った爽やか系ポップ曲④「恋のサマーセッション」、上木彩矢によるカヴァー・ヴァージョンでも有名な⑪「ピエロ」あたりが気に入っている。シングル曲では⑥「衝動」が圧倒的に素晴らしい。楽曲全体を貫く疾走感はまさにロックンロールの王道を行くもので、そのテンションの高さはハンパではない。車を運転中に聴くとアクセルを全開にしたくなる衝動に駆られる危険な(笑)ナンバーだ。尚、このアルバムにはギター・ソロやラストのシャウト部分が差し替えられた MONSTER MIX が収録されている。②「SPLASH!」では “カッティングの魔術師” 松ちゃんの職人技が堪能できるし、少々耳タコ気味の⑭「OCEAN」も聴けば聴いたでやっぱり名曲だ。③「ゆるぎないものひとつ」は聴き込めば聴き込むほど味わいが増すスルメ・チューンで、シングル向きというよりは “アルバムの中でキラリと光る隠れ名曲” という感じのナンバーだ。
ハードロックありブルースありレゲエあり王道バラッドありと、非常にヴァラエティーに富んだこのアルバムは、 B'z のアーティストとしての懐の深さを改めて満天下に知らしめた傑作であり、古き良き70'sハードロックの薫りを現代に蘇らせる屈指の名盤だと思う。
衝動
MONSTER
B'z ネテモサメテモ
残暑お見舞い申し上げます♪
B'zさんは
エネルギッシュでスゴいですね(^^
図書館で、CDをさがしてみます◎
暑いですね!!
熱中症にご注意☆
もう「残暑」の時期なんですね。
まだ8月初めぐらいの感覚やったのに
あっという間に1週間過ぎちゃってました。
何か時の経つのが速く感じます。
B'z はリアルタイムで活躍している中では
洋邦・ジャンルを問わず一番好きなアーティストですね。
“ハードな歌謡ロック” 路線が個人的にツボなんです。
ドライヴの BGM にも最高ですよ。