shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

サニー / ボビー・ヘブ

2009-08-09 | Oldies (50's & 60's)
 私はビートルズのような一部の例外を除けばアーティストよりも曲そのものに入れ込む傾向がある。だから好きな曲をどんどん集めているうちに自然とCDやLPが増えていって、そうこうしながら未知のアーティストと出会っていく。例えばこの「サニー」という曲、オリジナルは1966年のボビー・ヘブによる全米№2ヒットで、追いはぎに兄を殺されたヘブが悲嘆にくれ、神に祈る日々の中で浮かんだ旋律を歌にしたものだという。歌詞だけ見ると甘いラヴ・ソングのようだが、実はサニーという名を借りて神に語りかける一種のブルースであり、どこか物悲しさを感じさせるのはそのせいかもしれない。初めて聴いたのは多分ボニーMのヴァージョンだったと思うが、気が付いた時にはその不思議な哀愁を湛えたメロディーが心の中に刷り込まれていた。一説によるとカヴァー・ヴァージョンは軽く100を超えるというこの曲を本気で集め出したのはここ数年ぐらいのことで、まだ50そこそこしか集まっていないが、驚くべきことにジャズ、ロック、ソウル、ディスコ、GS、昭和歌謡からマヌーシュ・スウィングに至るまで、ありとあらゆるジャンルでカヴァーされているのだ。きっとこの旋律には歌手やミュージシャンを惹きつける特別な何かがあるのだろう。ということで、今日は超愛聴曲「サニー」大会です。

①Bobby Hebb
 黒人ということでコテコテのソウルフルなヴォーカルをイメージしていたが、聴いてみるとこれが意外なほどのあっさり味。淡々と歌うソフトロックという感じで、清涼感溢れるヴァイブが良い味を出している。素朴そのものの歌い方だが、さすがはオリジナルだけあって原点の光が輝いている。
Bobby Hebb "Sunny" (1966).


②Dusty Springfield
 私の大好きなダスティ・スプリングフィールドもこの曲をカヴァー。彼女のメランコリックな歌声、キメ細やかな表現力はこの曲の魅力を120%引き出しているし、バックのオケのジャジーなアレンジも絶妙で、ひいき目を抜きにしても同曲のベスト・ヴォーカル・ヴァージョンに認定したい素晴らしさだ。
Dusty Springfield - Sunny


③Oscar Peterson
 このサニーという曲は不思議とジャズ・ミュージシャンにも人気があって様々なカヴァーが出ているが、ウエス・モンゴメリーのものと並んで私が最も愛聴しているのがこのオスピー・ヴァージョン。コロコロ転がるようなピアノの音色でスインギーかつダイナミックに弾きまくるピーターソンの魅力が全開だ。
オスカー・ピーターソン


④平山三紀
 日本人シンガーのカヴァーとしては弘田三枝子が「ミコ・イン・ニューヨーク」で歌ったものが有名だが、隠れ名演として私のイチオシがミキティーのこのヴァージョン。彼女独特の投げやりな歌い方を上手く活かしたノリノリ・アレンジが絶品だ。エンディングの “ラララ!!!” なんかもうたまらんなぁ... (≧▽≦)
サニー


⑤Boney M
 1976年のボニーMによるディスコ・カヴァー・ヴァージョン。当時アメリカで全盛を誇っていた軽薄ディスコ・ミュージックを私は大嫌いだったのだが、何故かこのボニーMだけは好きだった。他の凡百ディスコ・アーティストとは激しく一線を画す選曲に彼らの音楽的センスが現われていたが、この「サニー」なんかその最たるものだろう。名曲はジャンルを超越するという絶好の見本だと思う。
Boney M. - Sunny (1977) HQ

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