あけましておめでとうございます。2020年は何と言っても「Let It Be」50周年で盛り上がりそうですし、ひょっとするとポールが2年ぶりに来日するかもしれないので新年早々気合いが入ってます。今年もこれまで通り、ひたすら自分の好きな音楽の道を極めていきたいと思いますので、宜しければこの “音楽極道ブログ” にお付き合いくださいm(__)m
さて、2020年の1発目もまたまたUKオリジナルのスタンパー1桁盤である。ブツは「Sgt. Pepper's...」のモノラル盤で少し前にeBayに出品されたものだが、マザー/スタンパー・コードが “1GL/1P” という最初期プレスであることに加え、ジャケットがコレクター垂涎のワイドスパイン(背表紙の広い)仕様だと商品説明に書いてある。普通ならすぐに売れてしまいそうなものだが、BUY IT NOW £140という値付けで盤質はヴィジュアル・グレードでVGとなっており、“Many light marks and hairlines”(軽い擦れや細い傷がいっぱい)という説明を見てコレクター諸氏も二の足を踏んだのか、ずっと売れずに残っていた。
私としては “1GL/1Pの音” には大いに魅かれるが、かと言って盤質がイマイチではせっかくの鮮度の高さが台無しである。これが VG+なら即決もアリだが、それよりワンランク低いVG(≒ダメージ有り)というのは購入を決める上で一番迷ってしまう悩ましいグレードなのだ。
そこで私はセラーに “こっちは大金を払うんやから実際にプレイチェックしてもっと詳細な情報をよこせ。” とメールしたところ、その翌日に “Much better than its visual grade. No sticks or skips. All in all a decent playing copy.”(見た目よりもずっと良い音。針飛びなし。総合的に言ってそこそこ良い盤。)という返事が返ってきた。私はコレを読んで一か八かの賭けに出る決心がついたのだが、折角なのでここはひとつ強気で押してやろうとダメ元で1割引きの£126でオファーしてみたところすんなりとOKが出て、結局送料込みでも2万円弱で買えたのでラッキーだった。
それから1週間後にレコードが届いた。ジャケットはめっちゃしっかりしていて状態が良く、初めて手にするワイドスパインのマッシヴな作りに大コーフン! 手持ちの通常盤が背幅5mmなのに対し、こちらは8mmなのだが、たかが3mmと侮るなかれ、レコード棚に並べてみるとその差は一目瞭然で、ワイドスパイン盤はその隣に並んでいる2枚組「White Album」と遜色ない分厚さで存在感を主張しているのだ。
さて、次はいよいよ気になる盤質だ。レコードを取り出してさっと目視でチェックしたところ、確かにセラーの言うとおり細かいスリキズがいっぱいあって見た目はイマイチだが、音に出るような深い傷は無さそうだ。あとは実際に聴いてみるだけだったが、その前に念のためにマザー/スタンパー・コードを確認したところ、驚きの事実が発覚... B面はセラーの説明通りの “1P” だったが、 A面は何と “1GL” ではなく“4AL” ではないか! 何じゃいこれは??? 私は一瞬我が目を疑った。しかし何度見返してもデッドワックスの9時方向に刻まれた数字は無慈悲な “4” のままで、決して “1” には見えない。ハッキリ言って騙されたような気分だ。
テンションMAXから一気に奈落の底へ突き落されたかのような(←そんな大袈裟な...)暗~い気持ちでとりあえず “1P” のB面に針を落とすと、スピーカーから飛び出してきたのは “さすがは1桁スタンパー!!!” と小躍りしたくなるようなキレッキレの骨太サウンドで、若干のチリパチ音はあるものの、この程度のノイズなら超音波洗浄でキレイに取れそうだ。「A Day In The Life」が終わって盤をひっくり返し、今度は “4AL” のA面にいく(←何ちゅー聴き方や...)。こちらもB面ほどではないにせよかなり生々しい音で、“これが1GLの音ですよ” と言われれば信じてしまいそうなクオリティーの高いモノラル・サウンドだ。
とりあえず超音波洗浄を施して再度プレイチェックしてみたところすっかりチリパチ音が消え、VGだったものが2ランクも3ランクも上の EX+ / NM レベルの美音盤に大変身。やっぱりレコード・クリーニングって大事やわ(^.^) その日はちょうど B-SELSに行こうと思っていたので早速この届いたばかりの「ペパーズ」を持参することにした。以下、その時の会話;
私:今日は「ペパーズ」の“1P”盤持ってきましたで。
Sさん:おぉ、これはめちゃくちゃ状態の良いワイドスパイン・ジャケットですね! 凄いなぁ...
私:ワイドスパイン・ジャケットってそんなに価値があるんですか?
Sさん:そりゃぁもう... 特にこんなに状態の良いワイドスパインなんて滅多に出てきませんよ。これだけでも “万” の価値がありますね。
私:ひょえ~、そんなこととは露知らず... 実はA面のマザーが商品説明の “1” やのうて “4” やったんで落ち込んでましてん。
Sさん:そんな贅沢な... それに音もすごく良いじゃないですか! この音でワイドスパインならマザーが“4”だろうが何だろうが関係ないですよ。
私:確かにそうなんですけど、商品説明と違うものを送ってきよったんでね... 何か騙されたような気分になりましてん。
Sさん:でも良い音してますよ。
私:おっしゃる通りですね。手持ちのスタンパー3桁盤と聴き比べたんですが、こっちの方が全然エエ音でしたわ。
Sさん:でしょ? それに何度も言いますが、このワイドスパイン・ジャケットって押しつぶされてへしゃげてるのがほとんどなので、これだけしっかりしてるヤツはめっちゃ貴重ですよ。
私:なるほど。それによくよく考えてみれば私は “良い音”を求めてレコードを買ってるんであって、決して“若いマザー/スタンパー・コード”が目的じゃないですもんね。本末転倒になってましたわ、お恥ずかしい...
Sさん:いやいや、お気持ちはよく分かりますよ。
私:いや、これでスッキリしましたわ... それにしてもエエ音してますなぁ...(笑) これ、ハッキリ言って “モノのニンバス盤” って呼んでもいいくらいの高音質です。
Sさん:ハハハ、確かに。それにしてもエエ買い物しやはりましたなぁ... 毎度のことながら、良いレコードを手に入れる shiotchさんの “引きの強さ” には驚かされます。
私:いやいや、こちらこそコレクター道を踏み外しそうになってたところを正して下さって感謝感謝です。頑張ってまたエエ盤手に入れますわ!
さて、2020年の1発目もまたまたUKオリジナルのスタンパー1桁盤である。ブツは「Sgt. Pepper's...」のモノラル盤で少し前にeBayに出品されたものだが、マザー/スタンパー・コードが “1GL/1P” という最初期プレスであることに加え、ジャケットがコレクター垂涎のワイドスパイン(背表紙の広い)仕様だと商品説明に書いてある。普通ならすぐに売れてしまいそうなものだが、BUY IT NOW £140という値付けで盤質はヴィジュアル・グレードでVGとなっており、“Many light marks and hairlines”(軽い擦れや細い傷がいっぱい)という説明を見てコレクター諸氏も二の足を踏んだのか、ずっと売れずに残っていた。
私としては “1GL/1Pの音” には大いに魅かれるが、かと言って盤質がイマイチではせっかくの鮮度の高さが台無しである。これが VG+なら即決もアリだが、それよりワンランク低いVG(≒ダメージ有り)というのは購入を決める上で一番迷ってしまう悩ましいグレードなのだ。
そこで私はセラーに “こっちは大金を払うんやから実際にプレイチェックしてもっと詳細な情報をよこせ。” とメールしたところ、その翌日に “Much better than its visual grade. No sticks or skips. All in all a decent playing copy.”(見た目よりもずっと良い音。針飛びなし。総合的に言ってそこそこ良い盤。)という返事が返ってきた。私はコレを読んで一か八かの賭けに出る決心がついたのだが、折角なのでここはひとつ強気で押してやろうとダメ元で1割引きの£126でオファーしてみたところすんなりとOKが出て、結局送料込みでも2万円弱で買えたのでラッキーだった。
それから1週間後にレコードが届いた。ジャケットはめっちゃしっかりしていて状態が良く、初めて手にするワイドスパインのマッシヴな作りに大コーフン! 手持ちの通常盤が背幅5mmなのに対し、こちらは8mmなのだが、たかが3mmと侮るなかれ、レコード棚に並べてみるとその差は一目瞭然で、ワイドスパイン盤はその隣に並んでいる2枚組「White Album」と遜色ない分厚さで存在感を主張しているのだ。
さて、次はいよいよ気になる盤質だ。レコードを取り出してさっと目視でチェックしたところ、確かにセラーの言うとおり細かいスリキズがいっぱいあって見た目はイマイチだが、音に出るような深い傷は無さそうだ。あとは実際に聴いてみるだけだったが、その前に念のためにマザー/スタンパー・コードを確認したところ、驚きの事実が発覚... B面はセラーの説明通りの “1P” だったが、 A面は何と “1GL” ではなく“4AL” ではないか! 何じゃいこれは??? 私は一瞬我が目を疑った。しかし何度見返してもデッドワックスの9時方向に刻まれた数字は無慈悲な “4” のままで、決して “1” には見えない。ハッキリ言って騙されたような気分だ。
テンションMAXから一気に奈落の底へ突き落されたかのような(←そんな大袈裟な...)暗~い気持ちでとりあえず “1P” のB面に針を落とすと、スピーカーから飛び出してきたのは “さすがは1桁スタンパー!!!” と小躍りしたくなるようなキレッキレの骨太サウンドで、若干のチリパチ音はあるものの、この程度のノイズなら超音波洗浄でキレイに取れそうだ。「A Day In The Life」が終わって盤をひっくり返し、今度は “4AL” のA面にいく(←何ちゅー聴き方や...)。こちらもB面ほどではないにせよかなり生々しい音で、“これが1GLの音ですよ” と言われれば信じてしまいそうなクオリティーの高いモノラル・サウンドだ。
とりあえず超音波洗浄を施して再度プレイチェックしてみたところすっかりチリパチ音が消え、VGだったものが2ランクも3ランクも上の EX+ / NM レベルの美音盤に大変身。やっぱりレコード・クリーニングって大事やわ(^.^) その日はちょうど B-SELSに行こうと思っていたので早速この届いたばかりの「ペパーズ」を持参することにした。以下、その時の会話;
私:今日は「ペパーズ」の“1P”盤持ってきましたで。
Sさん:おぉ、これはめちゃくちゃ状態の良いワイドスパイン・ジャケットですね! 凄いなぁ...
私:ワイドスパイン・ジャケットってそんなに価値があるんですか?
Sさん:そりゃぁもう... 特にこんなに状態の良いワイドスパインなんて滅多に出てきませんよ。これだけでも “万” の価値がありますね。
私:ひょえ~、そんなこととは露知らず... 実はA面のマザーが商品説明の “1” やのうて “4” やったんで落ち込んでましてん。
Sさん:そんな贅沢な... それに音もすごく良いじゃないですか! この音でワイドスパインならマザーが“4”だろうが何だろうが関係ないですよ。
私:確かにそうなんですけど、商品説明と違うものを送ってきよったんでね... 何か騙されたような気分になりましてん。
Sさん:でも良い音してますよ。
私:おっしゃる通りですね。手持ちのスタンパー3桁盤と聴き比べたんですが、こっちの方が全然エエ音でしたわ。
Sさん:でしょ? それに何度も言いますが、このワイドスパイン・ジャケットって押しつぶされてへしゃげてるのがほとんどなので、これだけしっかりしてるヤツはめっちゃ貴重ですよ。
私:なるほど。それによくよく考えてみれば私は “良い音”を求めてレコードを買ってるんであって、決して“若いマザー/スタンパー・コード”が目的じゃないですもんね。本末転倒になってましたわ、お恥ずかしい...
Sさん:いやいや、お気持ちはよく分かりますよ。
私:いや、これでスッキリしましたわ... それにしてもエエ音してますなぁ...(笑) これ、ハッキリ言って “モノのニンバス盤” って呼んでもいいくらいの高音質です。
Sさん:ハハハ、確かに。それにしてもエエ買い物しやはりましたなぁ... 毎度のことながら、良いレコードを手に入れる shiotchさんの “引きの強さ” には驚かされます。
私:いやいや、こちらこそコレクター道を踏み外しそうになってたところを正して下さって感謝感謝です。頑張ってまたエエ盤手に入れますわ!