shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Revolver」ウルグアイ盤

2022-12-26 | The Beatles
 2022年を振り返って個人的に最大の出来事は何と言っても「Revolver」ボックス・セットのリリースだった。このアルバムはビートルズ全作品中で三指に入る愛聴盤なのだが、ボックスに入っていた様々な音源を聴いてますます好きになった。ということで、今日は「Revolver」の中でまだ取り上げていなかったウルグアイ盤にしよう。
 私がビートルズのウルグアイ盤を買い始めたきっかけは70年代にプレスされた「赤盤」「青盤」や「Love Songs」のような編集盤や各メンバーのソロの音が良かったからだが、60年代にプレスされたオリジナル・アルバムに関しては当たり外れが大きく、「White Album」以降の盤は結構良い音がして大喜びした一方で、南米らしいディフ・カヴァーに魅かれて買った「para ti」という初期のアルバムの音がめちゃくちゃ貧弱だったこともあって、初期~中期ビートルズのオリジナル・アルバムに関しては1stプレス盤の購入に二の足を踏み、結局70年代プレスの薄青(スカイブルー)レーベル盤を買ってお茶を濁していた。
 それら薄青レーベル盤は “そこそこ良い音” だったのだが、私は “ひょっとしたらハズレはあの「para ti」だけで、他の60年代プレス盤は良い音なのかもしれない...” という思いがどうしても頭から離れず、とりあえず60年代プレスのウルグアイ盤を何枚か買ってみることにした。ただ、「para ti」(←ホンマにクソみたいな音しとった...)と同時期にプレスされたと思われる初期のアルバムはさすがに腰が引けるので、とりあえず中期のアルバムをターゲットに選んだ。
 私が調べたところでは、60年代プレスのウルグアイ・オデオン盤は1965年前半までが紫がかった濃いインディゴ・ブルー(「Please Please Me」~「Beatles For Sale」)、1965年後半から1967年前半までがコバルト・ブルー(「Help!」~「Sgt. Pepper's」)、1967年後半から1968年までがレッドのセンター・レーベル(「White Album」)なので、とりあえず1stプレスのコバルト・ブルー・オデオン盤を探すことにした。
 中期4枚のうち「Help!」と「Rubber Soul」はすぐに見つかったのだが、「Revolver」と「Sgt. Pepper's」の1stプレスは中々出てこないし、たまに見かけても G とか G+ ばかりで全くハナシにもならない。一度 Discogsに青リボのVG盤が出品されたことがあって、“ひょっとするとひょっとするかも...” と淡い期待を抱いて盤面の画像をメールで送ってもらったのだが、派手なキズこそないものの、盤面が白っぽく汚れてシミのようになっており、溝の状態が劣悪なのは写真からでも一目瞭然。いくら超音波でクリーニングしても傷んだ溝は修復不可能だ。
 それを機に私は1stプレスの青リボを諦め、2ndプレスの赤リボにターゲットを変更した。青リボと赤リボはUKマザーの同じマト2でリリース時期も1年ぐらいしか変わらないので音もそれほど違わないだろうし、盤質の悪い1stプレスを聴いてイライラするよりも、盤質の良い2ndプレスを気持ち良く聴く方が精神衛生上ずっと良い。
 それから2ヶ月ほど経って、待望の赤リボ盤がヤフオクに出品された。盤質 VG+で6,800円なら御の字だ。ウルグアイだけでなく、ペルーやアルゼンチンといった南米のレコードを買う時は送料の点でも盤質の点でも国内のセラーから買うに越したことはないので即ウォッチ。結局誰もライバルは現れず、スタート価格で無事落札することが出来た。
 届いた盤は見た目も実際に聴いても絵に描いたような VG+で、無音部分で少しチリチリいうものの、曲が始まればほぼ Ex~ Ex+レベルでガンガン鳴ってくれるので文句はない。同じマト -2/-2のUK盤と聴き比べてみたところ、UKの方がよりソリッドでシャープ、ウルグアイの方がややラフで大らかに聞こえるが、基本的にはどちらもUKマザーのしっかりした音で鳴ってくれるので、ちょっとしたヴァリエーションが楽しめる... 程度の些細な違いと言っていいだろう。
 ということでビートルズのウルグアイ1stプレス盤は残すところ「Please Please Me」から「Beatles For Sale」までの4枚になったのだが、私は「para ti」がトラウマになっていて中々買う気が起きない。誰か勇気のあるコレクターの方が人柱になってくれへんかなぁ...
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