クリスマス・アルバムを出せれば一流の証明といわれる。誰でも知っているメロディーだからこそ、上手下手がすぐにバレてしまうからだ。しかも長年にわたって世界中で歌い継がれ親しまれてきた個々の楽曲の持つ “チカラ” はハンパではない。並みのアーティストでは曲を消化するどころか何度噛んでも飲み込めず、力負けするのは火を見るよりも明らかだ。だからクリスマス・アルバムは一見どれも同じように見えても実は意外な奥深さがあり、シンガー/プレイヤー/プロデューサーの音楽的センスが試される一種の試金石といえるだろう。
そこで登場するのが我らがフィル・スペクターである。彼は伝統的なクリスマス・ソングに大編成のストリングスやビッグバンドを使ったウォール・オブ・サウンドで活力を与え、現代によみがえらせたのだ。ダーレン・ラヴが歌う①「ホワイト・クリスマス」では、本来ならヴァース(前歌)で歌われる歌詞...「太陽が輝き芝生は青々としてオレンジやヤシの木が揺れてるこのロスじゃ雪は望めそうにないから、12月24日には北の方へ行って私だけのホワイト・クリスマスを迎えるわ」...を間奏部分で、しかもダーレン・ラヴの語りで聴かせるスペクター・アレンジが素晴らしい。②「フロスティー・ザ・スノウマン」はロニーのヴィブラートの効いた歌声とハル・ブレインの豪快なドラム連打が分厚いエコー処理によってスペクター色にまとめ上げられていく快感がたまらない。名演揃いのこの盤の中でも特に気に入ってる1曲だ。
クリスタルズの④「サンタが街にやってくる」は「ダ・ドゥー・ロン・ロン」そっくりのアレンジで、ここでもハル・ブレインの大爆発は続く。36秒あたりからアップテンポに転じると、もうドッカンドッカンと自由奔放に連打の嵐。このアルバムの陰の MVP は間違いなく彼だと思う。ロネッツの⑤「スレイ・ライド」では弾むようなサウンドに乗ってロニーが飛ばし、バック・コーラスも一緒に転がるように疾走する。隠し味的に使われているストリングスはスペクターの得意技だ。⑦「ママがサンタにキッスした」ではロニーが憧れのフランキー・ライモン風ヴォーカルを聴かせてくれる。ホントにこの人の声は魅力的だ。クリスタルズの⑧「赤鼻のトナカイ」はもろ「ゼン・ヒー・キスド・ミー」。こーゆーの、ハッキリ言って大好きです。
⑨「ウインター・ワンダーランド」は①やこのアルバム唯一のオリジナル曲⑪「クリスマス・ベイビー・プリーズ・カム・ホーム」と同じくミディアム・テンポの曲で、それらはすべて歌唱力№1のダーレン・ラヴが歌っている。確かにクリスタルズやロネッツでは間が持たない。スペクターの眼力は大したものだ。⑬では「サイレント・ナイト」をバックにスペクター自身が自慢げにご挨拶。さすがは自己顕示欲の塊り、 “俺様・スペクター” である。
そんなスペクター・ファミリー総出演によるウォール・オブ・サウンドの集大成といえるこのレコード、発売から45年近く経った今でも色褪せない、クリスマス・アルバムの最高峰だ。
Frosty The Snowman-ロネッツ
そこで登場するのが我らがフィル・スペクターである。彼は伝統的なクリスマス・ソングに大編成のストリングスやビッグバンドを使ったウォール・オブ・サウンドで活力を与え、現代によみがえらせたのだ。ダーレン・ラヴが歌う①「ホワイト・クリスマス」では、本来ならヴァース(前歌)で歌われる歌詞...「太陽が輝き芝生は青々としてオレンジやヤシの木が揺れてるこのロスじゃ雪は望めそうにないから、12月24日には北の方へ行って私だけのホワイト・クリスマスを迎えるわ」...を間奏部分で、しかもダーレン・ラヴの語りで聴かせるスペクター・アレンジが素晴らしい。②「フロスティー・ザ・スノウマン」はロニーのヴィブラートの効いた歌声とハル・ブレインの豪快なドラム連打が分厚いエコー処理によってスペクター色にまとめ上げられていく快感がたまらない。名演揃いのこの盤の中でも特に気に入ってる1曲だ。
クリスタルズの④「サンタが街にやってくる」は「ダ・ドゥー・ロン・ロン」そっくりのアレンジで、ここでもハル・ブレインの大爆発は続く。36秒あたりからアップテンポに転じると、もうドッカンドッカンと自由奔放に連打の嵐。このアルバムの陰の MVP は間違いなく彼だと思う。ロネッツの⑤「スレイ・ライド」では弾むようなサウンドに乗ってロニーが飛ばし、バック・コーラスも一緒に転がるように疾走する。隠し味的に使われているストリングスはスペクターの得意技だ。⑦「ママがサンタにキッスした」ではロニーが憧れのフランキー・ライモン風ヴォーカルを聴かせてくれる。ホントにこの人の声は魅力的だ。クリスタルズの⑧「赤鼻のトナカイ」はもろ「ゼン・ヒー・キスド・ミー」。こーゆーの、ハッキリ言って大好きです。
⑨「ウインター・ワンダーランド」は①やこのアルバム唯一のオリジナル曲⑪「クリスマス・ベイビー・プリーズ・カム・ホーム」と同じくミディアム・テンポの曲で、それらはすべて歌唱力№1のダーレン・ラヴが歌っている。確かにクリスタルズやロネッツでは間が持たない。スペクターの眼力は大したものだ。⑬では「サイレント・ナイト」をバックにスペクター自身が自慢げにご挨拶。さすがは自己顕示欲の塊り、 “俺様・スペクター” である。
そんなスペクター・ファミリー総出演によるウォール・オブ・サウンドの集大成といえるこのレコード、発売から45年近く経った今でも色褪せない、クリスマス・アルバムの最高峰だ。
Frosty The Snowman-ロネッツ
もうそんな季節になったんでね。
もう4、5年になりますかね?お願いをしてこのアルバムを某オークションサイトで落札していただいたのは!・・・それからしばらくして僕自身がそのサイトで偶々このLPを見かけた折、衝動的に落札してしまいました。つまり今現在2枚所有しておる訳でして・・・、それくらい魅力的なアルバムですね!また2枚持つに充分なアルバムだと思うのですよ。僕の中ではB.クロスビーのDECCA盤とこのPHILLES盤、双璧をなす永遠の名盤でございます。・・涙が出そう!!
もうそんなになりますか?
あの頃は寝ても覚めてもネットオークションでしたね。懐かしいです。
この盤クラスになるともう美術工芸品みたいなモンですからダブッたってかまわないじゃないですか。
むしろ2枚持ってるって喜ぶべきかもしれません。
落涙盤のもう1枚はクロスビーのデッカ盤でっか?
エエとこ突いてきますよね~
長いこと聴いてなかったんで早速聴いてみます。
今年もあと1ヶ月あまりでクリスマスです。
shiotchさんの影響ですっかりスペクター派に
なってしまいまいクリスマスギフトも入手して聞いています。
(もともとポールファンでスペクターは敵だと思っていたのになんという心変わりでしょう)(笑)
先日ふと気がついたのですが、松田聖子のアルバム「風立ちぬ」の1曲目「冬の妖精」のイントロが「ウインター・ワンダーランド」と同じなのです。
さすが大瀧詠一先生ですいろいろやってくれます。
今日はeBayオークションのために超早起きです。
何かめっちゃ寒いなーと思うたら
もうすぐクリスマスなんですね~
すっかり世間と遊離した生活してるので
全然意識してませんでした。
私もみながわさんと同じで最初はスペクター許すまじだったんですが、
真の敵はアラン・クラインでスペクターはただの雇われプロデューサー。
「レット・イット・ビー」以外の作品は全部好きです。
「クリスマス・ギフト」なんかもう最高ですよね!
松田聖子は全く聴いたことがないので、今度ツタヤで探してみます。
で、松田聖子の「風立ちぬ」ですが前半5曲(LP,A面)が大瀧詠一の作品でナイアガラサウンド
(=フィルスペクターサウンド)のオンパレードです。
スペクターファンなら思わずニヤリとなること間違えなしです。
スペクター有罪のニュースにはビックリしました。
一時代を築いた天才だけに塀の向こう側で過ごす
淋しい晩年になりそうです。
ただ、ご本尊は不在でも
大瀧詠一のナイアガラサウンドを筆頭に
ブライアン・ウィルソンや桑田師匠など、
アドマイヤラー達に引き継がれて
ウォール・オブ・サウンドは永遠に不滅と言えそうですね。