先月リリースされた「Let It Be」の50周年記念盤は6枚組の「スーパーデラックス・エディション」と単品アナログLPの2種類を購入したが、一番よく聴いているのはやはりアナログLPの方だ。ついに陽の目を見たグリン・ジョンズ版「Get Back」や未発表音源も悪くはないが、私的には何と言ってもジャイルズ・マーティンによって新たにミックスされた本編の音作りが一番面白かったし、同じ本編音源でもCDよりLPの方が音が良かったのでついついLPばかり聴いてしまうのだ。ブルーレイ・オーディオに関しては相変わらずよくわからないのでとりあえず保留。まぁ10年後ぐらいにはちゃんと理解・再生できるかな...(笑)
この50周年記念シリーズは去年の「Abbey Road」の本編の音作りが私にはイマイチに感じられたので(←未発表音源はめっちゃ面白かったけど...)フィル・スペクター版のオリジナルやネイキッドなど様々な音作りの盤が出ている「Let It Be」はどうなることかと期待半分不安半分というのが正直なところだったが、結論から言うと今回の「Let It Be」は一連のリミックス・シリーズでは4年前の「Sgt. Pepper’s」と同じくらい興味深く楽しめた。このブログにも自分なりの感想を書こうと思ったが、その時にふと “どうせならSさんと一緒に聴いて、その時のやり取りを載せた方が面白いんちゃうか” と思い立ち、B-SELSに持っていくことにした。
私:今日はこれを一緒に聴こうと思って持ってきました。
Sさん:あっ、それまだ買ってないんです。映画「Get Back」が配信になってしまってからどうも気持ちが乗らなくて。そのうち聴ければいいかな... って思ってたので今日聴けるのは嬉しいです。
私:おぉ、それはちょうどよかった。早速聴きましょう。結構面白いですよ(^.^)
Sさん:(A①「Two Of Us」を聴きながら)かなり低音が出てますね。てゆうか、これはちょっとやり過ぎですよ。どうしてもバスドラに耳がいっちゃう... A②「Dig A Pony」も低音が強いですね。
私:確かにスペクター版のオリジナルに比べると低音ヤバいくらいに出てますね(笑) このA③「Across The Universe」はどうですか? 私は今回のリミックスで印象がかなり変わったんですけど...
Sさん:ジョンの声がハッキリしてますね。ただ、コーラスの方もデカくなっているので、個人的にはジョンの声に絞った方がいいんじゃないかと思いました。
私:この曲って色んなヴァージョンが出ててそれぞれ賛否両論あると思うんですけど、今回のヴァージョンを聴いて改めてスペクター・ヴァージョンの良さがわかったような気がします。この曲はホンマに深いですよ。
Sさん:A④「I Me Mine」はジョージの声がハッキリしてて良いですね。オリジナルはバックが派手すぎたので...(笑)
私:このA⑥「Let It Be」は間奏のギター・ソロが熱いですね。ここはすごく気に入ってます。
Sさん:でもエンディングのギターが隠れがちなのが物足りない...
私:あっ、それは私も全く同感です。何でもっと大きくミックスしなかったのか不思議ですよ。
Sさん:ホントにここは残念ですよね。
私:それにしても低音がホンマによぉ出てますね。この低音の量感、何かに似てるなぁと思ってよくよく考えたら、私が今ハマってるイスラエル盤なんですよね。どうりで気に入るワケですわ...
Sさん:ハハハ...
私:どのトラックもオリジナルとの違いがよぉわかってホンマに面白いです。じゃあB面いきましょか。
Sさん:(B①「I’ve Got A Feeling」を聴きながら)これは好き!
私:ビリー・プレストン効果が強調されていてスワンプ・ロック色が濃いですね。めっちゃアーシーなミックスになってて気持ちエエです。
Sさん:B②「One After 909」、これは全然違いますね。ドンチャン、ドンチャンっていうリズムに変わってしまっててオリジナルのスリリングな感じが出てないです。このアルバムの中では一番好きなトラックなだけにちょっと残念ですね。
私:フェイヴァリット・トラックの改悪は許せないと...(笑)
Sさん:そうです!(とキッパリ)
私:このB③「The Long And Winding Road」のミックス、何かポールに忖度したような音作りになってません?
Sさん:アハハ...
私:この曲のミックスにはジャイルズも気ぃ遣ったんやろなぁ...
Sさん:ハッハッハッ...(と大笑い)
私:B④「For You Blue」、今回のニュー・ミックスで一番気に入ってるのがこれなんです。この曲の泥臭さを際立たせるような優れたミックスになってると思います。
Sさん:これは良いですね!
私:でしょ?
Sさん:「For You Blue」って良い曲なのにアルバムの中で埋もれてしまってたんですが、それを聴かせるような音にしてくれましたね。
私:ジャイルズ、エエ仕事しましたよ。
Sさん:前回の「Abbey Road」は変に音の出方が変えられてたように思ったんですが、この「Let It Be」は確かに音の出方は変わってるけど、より丁寧に作り込んでありますね。細部の音まで聴かせつつ名曲を現代に生き返らせるとこういう音になるのかな... って思いました。
私:ビートルズの演奏にフィル・スペクターが60年代風の化粧を施したのがオリジナル版で、その化粧を落としてすっぴんにしたのがネイキッド、そしてジャイルズ・マーティンが現代風に化粧し直したのが今回のニュー・ミックス、っていう感じかな。
Sさん:そうですね。
私:さぁ、いよいよラストのB⑤「Get Back」です。
Sさん:う~ん、確かに細部の音はよく聞こえて良いんですけど、ちょっと分離が良すぎて... 「Get Back」のボヤ~ッとした良い意味での “変な感じ” が無くなってしまってる...
私:確かに。
Sさん:何ていうかその... 哀愁のある “わびさび” が無くなってしまったような感じです。
私:細部まで聞こえて良くなった部分とそうでない部分があるというのが実に面白いですね。さっきも言いましたけど、改めてスペクターの偉大さがわかった気がします。
Sさん:重ねに重ねた音なんで、あまり分離しちゃうとダメなんですよ。あの混沌とした音がスペクターらしさなんですよ。
私:いやぁ、今日は実に楽しかったです。
Sさん:私もですよ。
私:二人ともB①④が気に入ったっていうのが面白いです。「Let It Be」のギター・パートでも同じこと考えてましたし。同じビートルズ・ファン同士で意見が合うと何だかうれしくなっちゃいますね(^.^)
The Beatles - Let It Be | Special Edition Releases [Official Trailer]
この50周年記念シリーズは去年の「Abbey Road」の本編の音作りが私にはイマイチに感じられたので(←未発表音源はめっちゃ面白かったけど...)フィル・スペクター版のオリジナルやネイキッドなど様々な音作りの盤が出ている「Let It Be」はどうなることかと期待半分不安半分というのが正直なところだったが、結論から言うと今回の「Let It Be」は一連のリミックス・シリーズでは4年前の「Sgt. Pepper’s」と同じくらい興味深く楽しめた。このブログにも自分なりの感想を書こうと思ったが、その時にふと “どうせならSさんと一緒に聴いて、その時のやり取りを載せた方が面白いんちゃうか” と思い立ち、B-SELSに持っていくことにした。
私:今日はこれを一緒に聴こうと思って持ってきました。
Sさん:あっ、それまだ買ってないんです。映画「Get Back」が配信になってしまってからどうも気持ちが乗らなくて。そのうち聴ければいいかな... って思ってたので今日聴けるのは嬉しいです。
私:おぉ、それはちょうどよかった。早速聴きましょう。結構面白いですよ(^.^)
Sさん:(A①「Two Of Us」を聴きながら)かなり低音が出てますね。てゆうか、これはちょっとやり過ぎですよ。どうしてもバスドラに耳がいっちゃう... A②「Dig A Pony」も低音が強いですね。
私:確かにスペクター版のオリジナルに比べると低音ヤバいくらいに出てますね(笑) このA③「Across The Universe」はどうですか? 私は今回のリミックスで印象がかなり変わったんですけど...
Sさん:ジョンの声がハッキリしてますね。ただ、コーラスの方もデカくなっているので、個人的にはジョンの声に絞った方がいいんじゃないかと思いました。
私:この曲って色んなヴァージョンが出ててそれぞれ賛否両論あると思うんですけど、今回のヴァージョンを聴いて改めてスペクター・ヴァージョンの良さがわかったような気がします。この曲はホンマに深いですよ。
Sさん:A④「I Me Mine」はジョージの声がハッキリしてて良いですね。オリジナルはバックが派手すぎたので...(笑)
私:このA⑥「Let It Be」は間奏のギター・ソロが熱いですね。ここはすごく気に入ってます。
Sさん:でもエンディングのギターが隠れがちなのが物足りない...
私:あっ、それは私も全く同感です。何でもっと大きくミックスしなかったのか不思議ですよ。
Sさん:ホントにここは残念ですよね。
私:それにしても低音がホンマによぉ出てますね。この低音の量感、何かに似てるなぁと思ってよくよく考えたら、私が今ハマってるイスラエル盤なんですよね。どうりで気に入るワケですわ...
Sさん:ハハハ...
私:どのトラックもオリジナルとの違いがよぉわかってホンマに面白いです。じゃあB面いきましょか。
Sさん:(B①「I’ve Got A Feeling」を聴きながら)これは好き!
私:ビリー・プレストン効果が強調されていてスワンプ・ロック色が濃いですね。めっちゃアーシーなミックスになってて気持ちエエです。
Sさん:B②「One After 909」、これは全然違いますね。ドンチャン、ドンチャンっていうリズムに変わってしまっててオリジナルのスリリングな感じが出てないです。このアルバムの中では一番好きなトラックなだけにちょっと残念ですね。
私:フェイヴァリット・トラックの改悪は許せないと...(笑)
Sさん:そうです!(とキッパリ)
私:このB③「The Long And Winding Road」のミックス、何かポールに忖度したような音作りになってません?
Sさん:アハハ...
私:この曲のミックスにはジャイルズも気ぃ遣ったんやろなぁ...
Sさん:ハッハッハッ...(と大笑い)
私:B④「For You Blue」、今回のニュー・ミックスで一番気に入ってるのがこれなんです。この曲の泥臭さを際立たせるような優れたミックスになってると思います。
Sさん:これは良いですね!
私:でしょ?
Sさん:「For You Blue」って良い曲なのにアルバムの中で埋もれてしまってたんですが、それを聴かせるような音にしてくれましたね。
私:ジャイルズ、エエ仕事しましたよ。
Sさん:前回の「Abbey Road」は変に音の出方が変えられてたように思ったんですが、この「Let It Be」は確かに音の出方は変わってるけど、より丁寧に作り込んでありますね。細部の音まで聴かせつつ名曲を現代に生き返らせるとこういう音になるのかな... って思いました。
私:ビートルズの演奏にフィル・スペクターが60年代風の化粧を施したのがオリジナル版で、その化粧を落としてすっぴんにしたのがネイキッド、そしてジャイルズ・マーティンが現代風に化粧し直したのが今回のニュー・ミックス、っていう感じかな。
Sさん:そうですね。
私:さぁ、いよいよラストのB⑤「Get Back」です。
Sさん:う~ん、確かに細部の音はよく聞こえて良いんですけど、ちょっと分離が良すぎて... 「Get Back」のボヤ~ッとした良い意味での “変な感じ” が無くなってしまってる...
私:確かに。
Sさん:何ていうかその... 哀愁のある “わびさび” が無くなってしまったような感じです。
私:細部まで聞こえて良くなった部分とそうでない部分があるというのが実に面白いですね。さっきも言いましたけど、改めてスペクターの偉大さがわかった気がします。
Sさん:重ねに重ねた音なんで、あまり分離しちゃうとダメなんですよ。あの混沌とした音がスペクターらしさなんですよ。
私:いやぁ、今日は実に楽しかったです。
Sさん:私もですよ。
私:二人ともB①④が気に入ったっていうのが面白いです。「Let It Be」のギター・パートでも同じこと考えてましたし。同じビートルズ・ファン同士で意見が合うと何だかうれしくなっちゃいますね(^.^)
The Beatles - Let It Be | Special Edition Releases [Official Trailer]