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shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Bella Donna / Stevie Nicks

2010-01-26 | Rock & Pops (80's)
 私がスティーヴィー・ニックスを初めて見たのはまだ高校生だった頃、たまたまテレビをつけたらNHK の “ヤング・ミュージック・ショー” で女性二人がフロントを務めるバンドのライヴをやっていた。 “誰やコレ?外人のバンドやけど、見たことも聞いたこともないなぁ...(>_<)” 当時の私は洋楽中心の音楽生活を送ってはいたが、情報源といえばミュージック・ライフや音楽専科といったティーンエイジャー向けの雑誌類だけだったので、毎号大々的に取り上げられるクイーン、キッス、エアロスミスやベイ・シティー・ローラーズといったアイドル系バンドの動向には詳しかったが、滅多に記事にならないフリートウッド・マックなんて名前すら知らなかった。
 そんな私の目を釘付けにしたのは画面に大写しになったスティーヴィー・ニックスの艶やかな姿だった。まるで中世ヨーロッパの魔女のような衣装をヒラヒラさせながら、例の低くハスキーな声で気だるそうに歌うその姿に私はすっかり心を奪われ、番組のエンディング時に画面隅に出た “フリートウッド・マック” というバンド名を必死でメモっていた。その後しばらくしてマックの新作「タスク」がリリースされ、ラジオでオンエアされたものをテープに録音した私は何度も何度も聴き込んだ。このアルバム、世間の評判はあまり良くなかったが、私はタイトル・トラックの「タスク」の大胆なまでにリズムを強調したユニークなサウンドに心惹かれるものがあったし、何よりもスティーヴィーが歌う「セーラ」の夢見心地のようなサウンドが頭から離れず、超へヴィー・ローテーションで聴きまくっていた。
 やがて80年代に入り “ベスト・ヒット・USA” がスタート、私の住む関西地区では確か81年の9月から放送が始まったと記憶しているが、その第1回放送時のカウントダウンUSAで「エンドレス・ラヴ」「スロー・ハンド」に次ぐ第3位に入ってたのがスティーヴィー・ニックスの「ストップ・ドラッギン・マイ・ハート・アラウンド(邦題:嘆きの天使)」(6週連続全米3位)だった。 PV で黒いドレスをヒラヒラさせ(笑)、共演のトム・ペティの方を見ながらほぼ横向きで歌うコケットリーなお姿に私は又々胸キュンしてしまった。尚、この2年後にウィアード・アル・ヤンコヴィックが歌詞の “ハート” を “カー” に変えて車をレッカー移動された不幸を嘆く傑作パロディー・ソング「ストップ・ドラッギン・マイ・カー・アラウンド(邦題:嘆きの点数)」もオモロイのでオススメだ。
 貧乏学生で今みたいにホイホイとレコードを買えなかった私は、当時全盛を誇っていた貸しレコード屋(黎紅堂やったっけ?)へと走り、この「ベラ・ドンナ」をレンタル→ダビングした。まずはジャケットに目が行くが、注目は裏ジャケ...もう小悪魔オーラ出まくりである。音の方を一言で表現するとカントリー・フレイヴァー溢れるウエスト・コースト・ロック。ワディ・ワクテル(g) にラス・カンケル(ds) といったL.A.の腕利き連中がバックを固め、先のトム・ペティやドン・ヘンリー、そしてE ストリート・バンドのロイ・ビタンなど、超豪華な顔ぶれが参加している。特にアルバム・タイトル曲①「ベラ・ドンナ」、⑤「アフター・ザ・グリッター・フェイズ」、ドン・ヘンリーとのデュエット⑧「レザー・アンド・レース」(2nd シングルで全米6位)、隠れ名曲⑩「ザ・ハイウェイマン」といったトラックは70年代リンロンやイーグルスのあのサウンドが好きな人間にはたまらない内容だと思う。
 私がこのアルバムで一番好きなのが 3rd シングルになった⑥「エッジ・オブ・セヴンティーン」(全米11位)。ワディ・ワクテルのワイルドなギターに乗せられて、妖精の殻をかなぐり捨てたスティーヴィーがロック・ディーヴァの本性むき出しのハイ・テンションなヴォーカルを聴かせてくれる。この曲はアルバム・ヴァージョンもいいが、ライヴ・ヴァージョンはもっと凄い。私が持っているレーザーディスク「スティーヴィー・ニックス・イン・コンサート」(←DVD化を激しく希望!)がそれだ。スティーヴィー・ファン必見のこの映像は9分という時間を全然長く感じさせない素晴らしさで、白いドレスをヒラヒラさせながら(笑)力強いヴォーカルを聴かせるスティーヴィーのお姿を何度繰り返し見たことか... もう彼女の一挙一頭足にシビレまくりで、私をスティーヴィー狂いにしたのがこの映像なのだ。後半部の “I hear the call of a nightbird~♪” の執拗なリフレインが生み出す高揚感なんかもう圧巻の一言に尽きるし、エンディングでプレゼントをいっぱい抱えながらオーディエンスに手を振る仕草(8分20秒あたり)もたまらない。バックの演奏もノリノリで、凄まじいグルーヴ感を生み出している。
 彼女のソロ・アルバムではこの1st アルバムと 次作「ザ・ワイルド・ハート」が双璧と言えるが、この2枚はホントにもうアホみたいに聴きまくった記憶がある。私の大学生時代の、いや80年代の思い出が一杯詰まったかけがえのない愛聴盤なのだ。

Stevie Nicks - Edge of Seventeen 1981 Live


【おまけ】S.Nicksファンのオウム出現!ロザリー校長も顔負けですね(^.^) ↓
Snowball (TM) and Stevie Nicks

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