shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Different Light / Bangles

2008-12-11 | Rock & Pops (80's)
 バングルズは80年代半ばに活躍した女性4人組ガレージ・ロック・バンドである。彼女らはビートルズを筆頭とする60年代ロック/ポップスのエッセンス、特にその楽しさをストレートに打ち出して、それを飾り気のないシンプルなロックンロールという形で表現した。他のガレージ・ロック・バンドと一線を画すようなポップな曲作りとニュアンス豊かなコーラス・ワーク、そして全員がリード・ヴォーカルを取れるというのも大きな強味だった。そんな彼女らの人気が爆発したのがこの2nd アルバムで、くすんだ中にも女のコらしい明るさを感じさせる個性が一段と際立つ内容になっている。このアルバムからはシングル・ヒットが3曲も生まれており、特に話題になったのがプリンスが彼女らにプレゼントした①「マニック・マンデー」だ。全米第2位まで上がったこの曲は実にキャッチーなメロディーを持った、まさに絵に描いたような60年代風ポップ・チューン。歌詞の内容も「あぁまた鬱陶しい月曜日がやってきたぁ~(>_<)」という、仕事嫌いの私にピッタリ(笑)の1曲なのだ。歯切れのいいギター・サウンドとバック・コーラスの対比の妙が見事な弾けるロックン・ロール②「シルバー・スクリーンの妖精」ではファズを効かせたギターとタンバリンが大活躍、「ヘルプ」から「ラバー・ソウル」の頃のビートルズっぽい音作りが実に嬉しい。全米№1になった④「エジプシャン」はギンギンのギターとユニークな「オゥー・エー・オゥ」というコーラスが耳に残るキラー・チューン。しかもこの曲のプロモ・ビデオがこれまためっちゃ面白くて大ヒットに拍車をかけたのだ。そのへんの街の人々がほとんどワケも分からず「エジプトの壁画歩き」をしてる(ダイアナ妃やカダフィー大佐まで登場する!)映像がバングルズのライブ・シーンの随所に挿入され、それが又やたらハッピーな曲調にピッタリ合ってるこのビデオ、その能天気なまでのアホらしさがウケたんだろう。スザンナの甘酸っぱいヴォーカルが堪能できる⑦「ホワット・シー・ウォンツ」ではその見事なコーラス・ワークに耳が吸い付く。バングルズはついついメイン・ヴォーカルのスザンナに注目が集まりがちだが、心して聴くべきはスザンナのロリータ声を引き立てるヴィッキー、デビー、マイケルの鉄壁のコーラス・ワークなのだ。やはり一番心に訴えてくるのは楽器の音よりも人の声、ということだろう。これは80年代に大輪の花を咲かせて見事に散ったバングルズの、これぞ80'sポップスの極めつけといえるアルバムだ。

Bangles - Walk like an Egyptian

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