shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ジェイソン・ステイサム特集③ ~B級臭漂う隠れ名作編~

2024-08-21 | TV, 映画, サントラ etc

 ジェイソン・ステイサムにはB級映画が良く似合う。私の言っている“B級”というのはもちろんポジティヴな意味合いで、彼の場合は万人受けする超大作よりもその筋系のマニアックなファンたち向けのちょっと怪しいB級映画でこそ真価を発揮するように思えるのだ。例えるなら高級中華には決して真似のできない街中華のB級グルメならではの味に病みつきになるようなものだ。ということで今日はステイサム主演のB級映画の名作をご紹介。

⑨デス・レース(2008)
 刑務所で囚人たちによって行われる流血、破壊、殺戮なんでもOKのリアル・マリオカートという、もう設定からして無茶苦茶なB級映画にステイサムが出ているのを知った時は驚いたが、これがもうめっちゃ面白くて最後まで一気呵成に観てしまった。とにかく突っ込みどころ満載の、あまりにもバカバカしい脚本なので、頭を空っぽにして楽しむのが正解だろう。共演者もコーチ役に「ジョン・ウィック」でNYコンチネンタル・ホテルの支配人を演じたイアン・マクシェーン、刑務所長役に「ジェイソン・ボーン」でCIA内務情報局長を演じたジョアン・アレン、そしてライバル・レーサー役に「ワイルド・スピード」のローマンことタイリース・ギブソンと、私の大好きな俳優さんたちがたくさん出ているのが嬉しい。女の子の撮り方やバックに流れる音楽、そしてローマン(?)のマイアミ連呼はワイスピへのオマージュだと思った。
ジェイソン・ステイサムに手を出すべきではなかった(最高のデス・レースの戦闘シーン)


⑩セイフ(2011)
 この「セイフ」は金庫の暗証番号を記憶している中国人天才少女をめぐる中国マフィアとロシアンマフィア、それにNYの悪徳警官グループの三つ巴の争いにステイサムが巻き込まれるという実にわかりやすいストーリーで、彼がその少女を守りながら悪い奴らを次から次へとぶっ倒していくいつもの “ステイサム無双” を存分に楽しめる。中でも私が特に気に入っているのは、バーのカウンターで “これから殺そうって時に何て言うべきか...” と呟いた直後に隣に座ったマフィアの喉元にフォークを突き刺して大暴れするシーンで、山路さんの吹き替えの上手さも相まって実にスリリングなシーンになっている。
Bar Fight Scene | SAFE (2012) Jason Statham, Movie CLIP HD


⑪ワイルド・カード(2015)
 この映画も絵に描いたようなB級作品で、内容はスカスカやし、乱闘シーンも少なめやし、派手なカーチェイスもないしで、途中まではイマイチやなぁ... と思いながら観ていたのだが、ラスト5分間に凝縮されたステイサム無双はまさに圧巻の一言。ダイナーの屋根から飛び降りで敵に襲い掛かっていくシーンは何度見てもカッコいい。お下劣な笑いのセンスも絶好調で、“全人類の憧れ” とか “頭に乗っけるハムスター” とかのくだりには腹筋崩壊しそうになった。
ステイサムのアクション(ワイルドカード編)


⑫オペレーション・フォーチュン(2023)
 現時点で最新のジェイソン・ステイサム主演作「オペレーション・フォーチュン」もB級映画の王道を行くような作品だ。アクションが凄いのはもちろんだが、それに負けないくらいにコミカルな要素が満載で、思わずニヤリとさせられるようなユーモラスな台詞が随所に散りばめられている。チームのメンバーもクセが強く、エンタメ色の強いスパイ映画に仕上がっているが、中でもサラ役のオーブリー・プラザが実の良い味を出していて笑わせてくれるし、グレグ・シモンズ役のヒュー・グラントとダニー・フランチェスコ役のジョシュ・ハートネットの軽快な掛け合いがクールで面白かった。
ジェイソン・ステイサム主演『オペレーション・フォーチュン』吹替版予告編 山路和弘ら実力派声優集結


【おまけ】
ステイサムの吹き替えは山路さんしか考えられない。これはもう「コロンボ=小池朝雄」に匹敵する相性の良さだろう。
俳優別 吹き替え声優 411 ジェイソン・ステイサム 編