shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Rubber Soul」トルコ盤

2023-09-03 | The Beatles

 最近はこれまでの “欲しいレコード、特にビートルズ関連盤は金に糸目をつけずに買う” という放蕩生活をやめて大人しくしていたのだが、先日 Discogs から例の “ほしいものリストから1点の新しいアイテムが出品されています” というメールが来て、鋼のような硬い決意が大きく揺らいでしまった。Discogsは見にくいβバージョンになってからご無沙汰していたのだが、数枚の “どうしても手に入れたいレコード” だけは “ほしいものリスト” に入れたままにしてあり、そのうちの1枚が出品されたというのだ。
 そのレコードというのが「Rubber Soul」のトルコ盤で、eBayでも過去15年間で数枚しか出てこないというスーパーウルトラ稀少盤だ。う~ん、これはさすがに見逃せない。売り値が €180のところをダメ元で10%オフの €162でオファーしてみたところ、すんなり了承されてビックリするやら嬉しいやら... 結局約24,000円で喉から手が出るほど欲しかった「Rubber Soul」のトルコ盤をゲットした。
 支払いを済ませてから発送までに2週間もかかったのでかなり不安だったがトルコ・ポスト(PTT)はすこぶる優秀らしく、発送からわずか9日で到着。こんな大物を買うのは久しぶりだったのでパッケージを開ける時はめっちゃドキドキしたが、出てきた盤の状態を目視確認したところ目立つキズが無かったので一安心。ある意味一番曖昧というか主観的な差が生じやすい VG+ という盤質表記だったので気が気ではなかったのだ。私は逸る気持ちを抑えながらいつものように超音波クリーニングをしてからレコードをターンテーブルに乗せた。ビートルズのレコードを買うのは「With The Beatles」のOZ盤(←“ラウドカット最強盤” で大騒ぎしたヤツ)以来3か月ぶりである。コーフンするなという方が無理だ。
 スピーカーから出てきた音はこれまで私が経験してきた中域の分厚いトルコ盤の音とはかなり違う、どちらかというとスッキリしたサウンドで、高域もキレイに伸びている。手に持ったビニール盤の質感も違っていて何か軽い感じで、量ってみたら135gしかなかった。マトは -5とかなり後の方なので1966年以降にプレスされたもののようだ。
 私が持っているUKモノラルの「Rubber Soul」はマト-1ラウドカット盤ばかりで、マト-5はおろかマト-4すら持っていないのでUKプレスと比べようがないが、ラウドカット盤に慣れた耳には “強烈なエネルギー感には欠けるがバランスの取れた聴きやすい音” としか言いようがない。とにかく個々の楽器が突出していないので、BGM的に “ながら聴き” するのにピッタリの音なのだ。これはトルコ云々関係なしにマト-5自体がこういう音なのだろうか。ここはやはりSさんに聴いてもらうしかないな... と考えた私は早速B-SELSにこのレコードを持って行った。最近ご無沙汰気味だったのでめっちゃ楽しみだ。

 私:まいど。お久しぶりです。
 Sさん:おぉ、shiotchさん!
 私:今日は久々に珍しいレコード手に入れたんで持ってきましてん。
 Sさん:「Rubber Soul」ですか... トルコ盤ですやん。
 私:そうですねん。ぜひご感想を聞かせて下さい。
 Sさん:(レコードをかけながら)マト-5ですね。悪くないじゃないですか。
 私:そうそう、そのマト5の音を知らないのでご意見を伺おうと思って。今まで一杯聴いてきやはりましたやろ?
 Sさん:もちろん何枚か売ったことはありますが、マト-5は数が少ないですからねぇ。それにマト-4よりも人気があるんですよ
 私:へぇ、そうなんですか?
 Sさん:マト-4って数が多すぎてありふれてるっていうか、ありがたみがないのかもしれませんね。それにマト-5の音って結構良いんですよ。
 私:なるほどねぇ... 自分はラウドカット盤しか眼中になかったんで全然知りませんでした...(笑)
 Sさん:それと、盤質もあるかもしれませんがB面の方が音が良いですね。
 私:そうなんです。ビートルズのレコードって何故かそのパターンが多いですね。
 Sさん:この「If I Needed Someone」なんてマト-1とマト-4の中間ぐらいの音してますよ。
 私:いやぁ... 勉強になりますわ。ウチの「Rubber Soul」はアホの一つ覚えみたいにラウドカット盤ばっかりですもん。
 Sさん:(大笑いしながら)確かに。
 私:もし仮に僕がマト-4や-5の盤を買ったとしても結局ターンテーブルに乗るのはマト-1になるでしょうし...
 Sさん: そうでしょうね(笑)
 私:「With The Beatles」も同じですよ。一応マト-4Nやマト-7Nも持ってますが、今まで1回か2回ぐらいしか聴いたことないですからね。聴くのはいつもマト-1Nラウドカットのスタンパー1G盤か、この前ここで買ったOZ盤ですわ。
 Sさん:いやいや、shiotchさんらしくていいじゃないですか(笑)
 私:まぁこのトルコ盤も思ってた音とは違いましたが、実際に聴いてみないとわかりませんもんね。頻繁に聴くことはないと思いますが、これはこれでまぁ面白いです。

 ということで、今回はマトが進んだUK盤のことも知ることが出来て中々興味深いお話しだった。久々にビートルズのレコードを買って元気が出てきたが、これまで我慢してきた反動でまためちゃくちゃレコード買いまくりそうな(←リバウンドかよ...笑)自分がちょっと怖い気もする今日この頃だ。