shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Magical Mystery Tour」イスラエル盤vsカナダ盤

2019-11-04 | The Beatles
 私は珍しいレコードを手に入れるといつもB-SELSへ持って行ってSさんと一緒にレコード談義に花を咲かせる。今回のMMTグリーン・カヴァー盤も手に入れたその週末に持って行ったのだが、何か比較対象があった方が話が盛り上がると思い、同じMMTステレオ盤の中でも一番気に入っているカナダ盤を一緒に持参した。“USスクラントン・プレス刻印入りのイスラエル盤” vs “同じキャピトルなのに何故かUS盤とは音が違うカナダ盤” という同門対決(?)の結果は如何に...

①イスラエル盤(SMAL-1-2835-A23/SMAL-2-2835-B22, 196g)
 私:今日は珍しい盤を持ってきました。緑色の「マジカル」です。
 Sさん:(ジャケットには興味を示さず食い入るようにデッドワックス部分を見つめながら)スクラントン・プレスのイエロー・パーロフォンですか... これは珍しい!
 私:それ、実はイスラエル盤なんですよ。
 Sさん:へぇ~、初めて見ました。
 私:センター・レーベルを見てもジャケット裏を見ても “Made in ...”っていう記載がどこにもないんですけど、ビニールの材質が明らかにUSキャピトル盤とは違うので、多分イスラエルでプレスしたんだろうと思います。でも外国の盤にアメリカのプレス工場の刻印が入ってるのって珍しいですよね。
 Sさん:おそらく US盤のスタンパーをそのまま空輸して使ったんじゃないですか。
 私:なるほど。これってもろにUSの音ですもんね。届いた時は針飛びはするしチリパチ・ノイズは結構出るしでどないしよかと思いましてん。まぁ何とか聴けるレベルまで修復したんですけど、どうですか?
 Sさん:言うてはるほど音悪くないじゃないですか。イキイキとした感じが伝わってきて、何ていうか元気の出る音です。イエロー・パーロフォン盤で聴く「マジカル」っていうのもオツなもんですね。
 私:まぁちょっと潤いに欠けますが、竹を割ったようなドライな音作りで、これはこれでエエと思います。

②カナダ盤(ST1-2835-B26/ST2-2835-A25, 141g)
 私:じゃあ次はカナダ盤ステレオいってみましょう。ジャケット右上にキャピトル・ロゴがあるのがUS盤とは違うところですね。
 Sさん:(A①「Magical Mystery Tour」が始まるとすぐに)おぉ、これは違いますねー!!! 明らかに一皮むけた感じがします。
 私:これ、エエでしょ? 「マジカル」はカナダ盤の音が一番好きなんです。ヌケの良さがめっちゃ気持ちエエんですよ。
 Sさん:さすがカナダですね。キレが素晴らしいです。すごく良い音してる... 特にA面が良かったですね。
 私:まぁB面後半の3曲は疑似ステですからねぇ...
 Sさん:最初にリアル・ステレオが出たのは71年のドイツ盤でしたよね。
 私:B面に関してはアレがベストの音でしょう。
 Sさん:それにしてもこのA面の目の覚めるような音は本当に素晴らしいです。
 私:同じキャピトルなのにUS盤とはどうしてこうも違う音になるんでしょう?
 Sさん:やっぱりプレス枚数が少ないというのが大きいんとちゃいますか? US盤は比べ物にならないくらい大量生産せなあきませんからね。
 私:確かに...
 Sさん:それと、ビニールの質とかエンジニアの腕とかでも音はコロコロ変わりますからね。
 私:そうですね。「マジカル」のカナダ盤って状態の良い盤はあまり出てこないんですが、キレイなのを見つけたら間違いなく “買い” やと思います。
 Sさん:「マジカル」は大好きなレコードなので今日は楽しかったです。
 私:喜んでいただけて何よりです。何か面白いレコード買うたら又持って来ますわ。