ジョン・レノンの「ルーツ」というアルバムは、ジョンがフィル・スペクターをプロデューサーに迎えてレコーディングしたロックンロール・オールディーズ・カヴァー・アルバムのラフ・ミックス・マスター・コピーを当時「カム・トゥゲザー」の盗作騒動で揉めていたモーリス・レヴィという人物に(多分お詫びのしるしとして)あげてしまったものをレヴィが自分の通販レーベル “アダムⅧ” から勝手にリリースし、これに激怒したキャピトル・レコードがすぐに販売差し止め訴訟を起こして勝訴、結局短期間(←たったの3日間らしい...)だけ市場に出回った(←3,000枚という説が有力だが裁判所の公式記録では1,270枚とのこと)「ルーツ」は法外なプレミア付きで取り引きされているというのが現状だ。
私が持っているのは中学生の時にこのレコードに関するややこしい諸事情など全く知らずに大阪ミナミにあった「ウッドストック」という輸入レコード屋で買ったもので(←多分1,800円ぐらいやったと思う...)、市場に出回っている盤のほとんどがカウンターフィット盤、すなわち偽物であるという無慈悲な現実を知ったのはそれからずっと後のことだった。自分としては本物であろうが偽物であろうがジョンが歌う炎のロックンロールが聴けるだけで十分だったが、その後更に高音質なブートCDを手に入れたこともあっていつしかこの盤はレコード棚の奥で埃をかぶるようになっていた。
で、つい先日レコード棚を整理していた時のこと、ブートレッグ盤のコーナーに入れてあったこのレコードに目が留まり、久々に聴いてみようという気になった。しかし “まぁカウンターフィット盤やから大したことなかろう...” という私の予想に反し、A①「ビー・バップ・ア・ルーラ」の出だしでジョンの “ウェ~♪” がスピーカーから怒涛の勢いで飛び出してきたのにはビックリ。パチもん(←関西でイミテーションのこと)の分際でえらい生意気な音しとるやんけ...と思いながら聴き進めていったのだが、どの曲も実に生々しいサウンドで、調子に乗ってヴォリュームを上げていくと、リスニングルームはまさに音壁ワンダーランド、ロックンロール名曲絵巻、掟破りの盗作騒動、究極のロック・ヴォーカル数え歌、アックスボンバー三つ又の槍(←何じゃそりゃ)と化したのである。盤起こしでこの音はありえない。
A面を聴き終えた私がすぐにデッドワックスをチェックしたところ、そこには何と Bell Sound の刻印が...(゜o゜) いくら何でもベル・サウンドがカウンターフィット盤作っとるはずないし(笑)、まさか本物ちゃうやろな???とワケが分からなくなってきた私はすぐにネットで本物と偽物の識別法を調べてみた。
Discogsによると、偽物の特徴は以下の9つ:
①スパイン(背表紙)の表記が GREAT ではなく GREATEST になっている
②ジャケットが(60年代キャピトル盤仕様の)貼り付け式になっている
③ジャケットのジョンの左肩部分に薄いピンク色の部分が見えていない
④ジャケット右下のSTEREOの文字がそれぞれくっついている
⑤裏ジャケの SOUL TRAIN SUPER TRACKS の広告の文字が不鮮明で読めない
⑥レコード盤が異常に分厚い
⑦センター・レーベルが異常にデカい
⑧デッドワックス部分に機械打ちの Bell Sound 刻印が無い(ただし、刻印ありのカウンターフィット盤の存在も確認されているとのこと)
⑨本物のマトリクス№は「A 8018 A / A 8018 B」だが偽物には両面とも最初の A が無い
私の盤は①②③④⑥⑦⑨はクリアしているが⑤に関しては微妙で、老眼が進んでいるせいか私には虫眼鏡が必要だ(笑) ⑧に関しては何とも言いようがないので、“困った時の B-SELS 頼み” の私は信頼する Sさんに鑑定を依頼することにした。
その週末に B-SELS にこのレコードを持ち込み Sさんに手渡すと、“私も本物は見たことがないので鑑定はできませんが、Bell Sound の刻印やったら分かります。” とのこと。Sさんによると US盤の「レット・イット・ビー」は偽物が多く出回っているので、しっかりと識別するためにわざわざカウンターフィット盤を何種類も買って研究したというから凄い。そんな Sさんがルーペを使ってデッドワックス部分に刻まれた Bell Sound 刻印を、お店にあった本物「レット・イット・ビー」の刻印とも見比べながらじっくりと時間をかけて鑑定。結果は “本物で間違いありません。” とのこと。早速お店のプレーヤーでかけてもらったのだが、やはり Bell Sound カッティングならではの Hi-Fi サウンドが爆裂、二人して大盛り上がりしたのは言うまでもない(笑)
ということで私の持っている「ルーツ」は限りなく本物に近いということが分かったのだが(←少なくとも盤に関しては本物やと思う...)、まだ少しだけ疑ってる自分がいるのも確か。これはあくまでも私の推測だが、もっともっと売りまくるつもりでプレスしていたのが裁判で負けてしまい、デッドストックとなってしまった盤をレヴィが横流ししたものがたまたま日本に入ってきたのではないか。まぁ真相は薮の中だが、本物であれよくできた偽物であれ、自分としてはこれを売る気はさらさらないので別にプレミアの高値が付こうが付こうまいがどうでもいい。先に書いたようにオリジナル盤ならではの骨太なサウンド(←ここ重要!)でジョンのロックンロールが聴けるだけで大満足なのだから。
私が持っているのは中学生の時にこのレコードに関するややこしい諸事情など全く知らずに大阪ミナミにあった「ウッドストック」という輸入レコード屋で買ったもので(←多分1,800円ぐらいやったと思う...)、市場に出回っている盤のほとんどがカウンターフィット盤、すなわち偽物であるという無慈悲な現実を知ったのはそれからずっと後のことだった。自分としては本物であろうが偽物であろうがジョンが歌う炎のロックンロールが聴けるだけで十分だったが、その後更に高音質なブートCDを手に入れたこともあっていつしかこの盤はレコード棚の奥で埃をかぶるようになっていた。
で、つい先日レコード棚を整理していた時のこと、ブートレッグ盤のコーナーに入れてあったこのレコードに目が留まり、久々に聴いてみようという気になった。しかし “まぁカウンターフィット盤やから大したことなかろう...” という私の予想に反し、A①「ビー・バップ・ア・ルーラ」の出だしでジョンの “ウェ~♪” がスピーカーから怒涛の勢いで飛び出してきたのにはビックリ。パチもん(←関西でイミテーションのこと)の分際でえらい生意気な音しとるやんけ...と思いながら聴き進めていったのだが、どの曲も実に生々しいサウンドで、調子に乗ってヴォリュームを上げていくと、リスニングルームはまさに音壁ワンダーランド、ロックンロール名曲絵巻、掟破りの盗作騒動、究極のロック・ヴォーカル数え歌、アックスボンバー三つ又の槍(←何じゃそりゃ)と化したのである。盤起こしでこの音はありえない。
A面を聴き終えた私がすぐにデッドワックスをチェックしたところ、そこには何と Bell Sound の刻印が...(゜o゜) いくら何でもベル・サウンドがカウンターフィット盤作っとるはずないし(笑)、まさか本物ちゃうやろな???とワケが分からなくなってきた私はすぐにネットで本物と偽物の識別法を調べてみた。
Discogsによると、偽物の特徴は以下の9つ:
①スパイン(背表紙)の表記が GREAT ではなく GREATEST になっている
②ジャケットが(60年代キャピトル盤仕様の)貼り付け式になっている
③ジャケットのジョンの左肩部分に薄いピンク色の部分が見えていない
④ジャケット右下のSTEREOの文字がそれぞれくっついている
⑤裏ジャケの SOUL TRAIN SUPER TRACKS の広告の文字が不鮮明で読めない
⑥レコード盤が異常に分厚い
⑦センター・レーベルが異常にデカい
⑧デッドワックス部分に機械打ちの Bell Sound 刻印が無い(ただし、刻印ありのカウンターフィット盤の存在も確認されているとのこと)
⑨本物のマトリクス№は「A 8018 A / A 8018 B」だが偽物には両面とも最初の A が無い
私の盤は①②③④⑥⑦⑨はクリアしているが⑤に関しては微妙で、老眼が進んでいるせいか私には虫眼鏡が必要だ(笑) ⑧に関しては何とも言いようがないので、“困った時の B-SELS 頼み” の私は信頼する Sさんに鑑定を依頼することにした。
その週末に B-SELS にこのレコードを持ち込み Sさんに手渡すと、“私も本物は見たことがないので鑑定はできませんが、Bell Sound の刻印やったら分かります。” とのこと。Sさんによると US盤の「レット・イット・ビー」は偽物が多く出回っているので、しっかりと識別するためにわざわざカウンターフィット盤を何種類も買って研究したというから凄い。そんな Sさんがルーペを使ってデッドワックス部分に刻まれた Bell Sound 刻印を、お店にあった本物「レット・イット・ビー」の刻印とも見比べながらじっくりと時間をかけて鑑定。結果は “本物で間違いありません。” とのこと。早速お店のプレーヤーでかけてもらったのだが、やはり Bell Sound カッティングならではの Hi-Fi サウンドが爆裂、二人して大盛り上がりしたのは言うまでもない(笑)
ということで私の持っている「ルーツ」は限りなく本物に近いということが分かったのだが(←少なくとも盤に関しては本物やと思う...)、まだ少しだけ疑ってる自分がいるのも確か。これはあくまでも私の推測だが、もっともっと売りまくるつもりでプレスしていたのが裁判で負けてしまい、デッドストックとなってしまった盤をレヴィが横流ししたものがたまたま日本に入ってきたのではないか。まぁ真相は薮の中だが、本物であれよくできた偽物であれ、自分としてはこれを売る気はさらさらないので別にプレミアの高値が付こうが付こうまいがどうでもいい。先に書いたようにオリジナル盤ならではの骨太なサウンド(←ここ重要!)でジョンのロックンロールが聴けるだけで大満足なのだから。