前回は60年代にリリースされたスウェーデン盤の「グレイテスト・ヒッツ」を取り上げたが、当然ながら他の国々でも様々なビートルズのベスト盤がリリースされており、各国盤を漁っていると “どんな音するんやろ?” と興味をそそられるような盤に出会うことがある。
そもそも60年代にリアルタイムでリリースされたビートルズのオフィシャル・ベスト盤と言えばUKオリジナルの「オールディーズ」ということになるが、珠玉の名曲が16曲も入っているにもかかわらずファンの間ではほとんど話題にも上らない。かく言う私もあのアルバムは一応持ってはいるがこれまでターンテーブルに乗せたのは数回で、今ではすっかりタンスならぬレコード棚の肥やし状態だ。何よりもまずジャケット・デザインがダサすぎるし、曲の配列もメチャクチャでセンスのかけらもない。
更に悪いことにこのレコードのUKオリジナル・モノラル盤は音がこもっていて聴くに耐えない。ステレオ盤の方はまだ少しはマシだが、それでもまだ平均点以下の音質で、UKオリジナル盤なら何でもかんでも高音質と思って購入すると(←10年前の私です...)盤をブチ割りたくなる衝動に駆られるくらいガッカリさせられる。よって選曲・音・ジャケットと何一つ良いところが無い「オールディーズ」は聴くに値しない、というのが私の結論だ。そういうワケで、今回は各国盤蒐集の中で私が購入した2枚を取り上げて 60年代ベスト盤対決をやってみたい。
まず最初はドイツ盤の「ザ・ビートルズ・グレイテスト」(SMO 73 991)で、例のドイツ原盤の輸出仕様レコード(ZTOXシリーズ)を探していてこのレコードの存在を知ったのだが、まず気に入ったのがその選曲だ。A面が「I Want To Hold Your Hand」「Twist And Shout」「A Hard Day's Night」「Eight Days A Week」「I Should Have Known Better」「Long Tall Sally」「She Loves You」「Please Mister Postman」で、B面が「I Feel Fine」「Rock And Roll Music」「Ticket To Ride」「Please Please Me」「It Won't Be Long」「From Me To You」「Can't Buy Me Love」「All My Loving」の全16曲入りで、初期ビートルズ最大の魅力であるエネルギッシュなロックンロール・ナンバーが満載なのだ。中々ええセンスしとるやん... ながら聴きするのにちょうどエエなぁ... などと考えながら値段を見ると€20だったので、ホワイト/ゴールド・オデオン・レーベルにもかかわらず(←手持ちの白金ラベルは「ペパーズ」以外みんな音がショボい...)衝動買いしてしまった。
実際に聴いてみるとやはり音圧がかなり低く、60年代中期のドイツ盤によくある脆弱なサウンドだ。まぁこの不満はアンプのヴォリュームを思いっ切り上げてやるか、あるいはいっそのことモノ針で聴いてやればそれなりに解消されるが、どんな手を使ってもダメなものはダメなのがB①「アイ・フィール・ファイン」の音だ。何じゃいこれは??? 何をトチ狂ったのか、アルバム中でこのトラックだけ、風呂場か教会で聴いているかのような過剰なエコーがかけられた例のUSミックス(←US盤「ビートルズ'65」に入ってるヤツ)が採用されており、B面に針を落としてすぐにあまりの気持ち悪さと腹立たしさで針を上げざるを得なかった。このエコーまみれのアホバカ・ミックスはビートルズへの冒涜であり、ミキシング・エンジニアは万死に値する。他の15曲は全然問題のないステレオ・ミックスなのだが、こいつが入っているせいでアルバム全体の印象が悪くなってしまうという“蟻の一穴”盤だった...(>_<)
この失敗にめげずに次に手に入れたのがニュージーランド盤の「ザ・ビートルズ・グレイテスト・ヒッツ Vol.1」だ。ジャケットはUS盤の「ビートルズⅥ」と同じ写真が使われており、先のスウェーデン盤が「サムシング・ニュー」と、上記のドイツ盤が「アーリー・ビートルズ」と同じ写真をそれぞれ使っているというのが面白い。A面が「Please Please Me」「From Me To You」「She Loves You」「I'll Get You」「I Want To Hold Your Hand」「Love Me Do」「I Saw Her Standing There」、B面が「Twist And Shout」「Roll Over Beethoven」「All My Loving」「Hold Me Tight」「Can't Buy Me Love」「You Can't Do That」「Long Tall Sally」ということで先のドイツ盤に比べるとより初期寄りな選曲になっているが、音質に定評のあるNZ盤でしかもこちらはモノラルなのでエコーまみれということはないだろう。同一内容のオーストラリア盤もあったがステレオ盤ということでパス。結局Discogsに£20で1枚だけ出ていたのをゲットした。
聴いてみた感想としては音圧十分で非の打ち所のないモノラル・サウンドで、腹一杯ビートルズを聴いた!という満足感に浸れること間違いナシ。やっぱりビートルズはこの音でなくっちゃ...(^.^)と思わず頬が緩んでしまう爆音盤だ。因みにこのレコードのVol.2 はNZ盤ではリリースされなかったようで市場に出回っているのがOZオレンジ・レーベルのステレオ盤ばかりなのがちょっと残念だが、これだけの高音質で初期のヒット曲の数々が聴けることを考えれば、このVol.1だけでも十分にコレクタブルな逸品だと思う。
そもそも60年代にリアルタイムでリリースされたビートルズのオフィシャル・ベスト盤と言えばUKオリジナルの「オールディーズ」ということになるが、珠玉の名曲が16曲も入っているにもかかわらずファンの間ではほとんど話題にも上らない。かく言う私もあのアルバムは一応持ってはいるがこれまでターンテーブルに乗せたのは数回で、今ではすっかりタンスならぬレコード棚の肥やし状態だ。何よりもまずジャケット・デザインがダサすぎるし、曲の配列もメチャクチャでセンスのかけらもない。
更に悪いことにこのレコードのUKオリジナル・モノラル盤は音がこもっていて聴くに耐えない。ステレオ盤の方はまだ少しはマシだが、それでもまだ平均点以下の音質で、UKオリジナル盤なら何でもかんでも高音質と思って購入すると(←10年前の私です...)盤をブチ割りたくなる衝動に駆られるくらいガッカリさせられる。よって選曲・音・ジャケットと何一つ良いところが無い「オールディーズ」は聴くに値しない、というのが私の結論だ。そういうワケで、今回は各国盤蒐集の中で私が購入した2枚を取り上げて 60年代ベスト盤対決をやってみたい。
まず最初はドイツ盤の「ザ・ビートルズ・グレイテスト」(SMO 73 991)で、例のドイツ原盤の輸出仕様レコード(ZTOXシリーズ)を探していてこのレコードの存在を知ったのだが、まず気に入ったのがその選曲だ。A面が「I Want To Hold Your Hand」「Twist And Shout」「A Hard Day's Night」「Eight Days A Week」「I Should Have Known Better」「Long Tall Sally」「She Loves You」「Please Mister Postman」で、B面が「I Feel Fine」「Rock And Roll Music」「Ticket To Ride」「Please Please Me」「It Won't Be Long」「From Me To You」「Can't Buy Me Love」「All My Loving」の全16曲入りで、初期ビートルズ最大の魅力であるエネルギッシュなロックンロール・ナンバーが満載なのだ。中々ええセンスしとるやん... ながら聴きするのにちょうどエエなぁ... などと考えながら値段を見ると€20だったので、ホワイト/ゴールド・オデオン・レーベルにもかかわらず(←手持ちの白金ラベルは「ペパーズ」以外みんな音がショボい...)衝動買いしてしまった。
実際に聴いてみるとやはり音圧がかなり低く、60年代中期のドイツ盤によくある脆弱なサウンドだ。まぁこの不満はアンプのヴォリュームを思いっ切り上げてやるか、あるいはいっそのことモノ針で聴いてやればそれなりに解消されるが、どんな手を使ってもダメなものはダメなのがB①「アイ・フィール・ファイン」の音だ。何じゃいこれは??? 何をトチ狂ったのか、アルバム中でこのトラックだけ、風呂場か教会で聴いているかのような過剰なエコーがかけられた例のUSミックス(←US盤「ビートルズ'65」に入ってるヤツ)が採用されており、B面に針を落としてすぐにあまりの気持ち悪さと腹立たしさで針を上げざるを得なかった。このエコーまみれのアホバカ・ミックスはビートルズへの冒涜であり、ミキシング・エンジニアは万死に値する。他の15曲は全然問題のないステレオ・ミックスなのだが、こいつが入っているせいでアルバム全体の印象が悪くなってしまうという“蟻の一穴”盤だった...(>_<)
この失敗にめげずに次に手に入れたのがニュージーランド盤の「ザ・ビートルズ・グレイテスト・ヒッツ Vol.1」だ。ジャケットはUS盤の「ビートルズⅥ」と同じ写真が使われており、先のスウェーデン盤が「サムシング・ニュー」と、上記のドイツ盤が「アーリー・ビートルズ」と同じ写真をそれぞれ使っているというのが面白い。A面が「Please Please Me」「From Me To You」「She Loves You」「I'll Get You」「I Want To Hold Your Hand」「Love Me Do」「I Saw Her Standing There」、B面が「Twist And Shout」「Roll Over Beethoven」「All My Loving」「Hold Me Tight」「Can't Buy Me Love」「You Can't Do That」「Long Tall Sally」ということで先のドイツ盤に比べるとより初期寄りな選曲になっているが、音質に定評のあるNZ盤でしかもこちらはモノラルなのでエコーまみれということはないだろう。同一内容のオーストラリア盤もあったがステレオ盤ということでパス。結局Discogsに£20で1枚だけ出ていたのをゲットした。
聴いてみた感想としては音圧十分で非の打ち所のないモノラル・サウンドで、腹一杯ビートルズを聴いた!という満足感に浸れること間違いナシ。やっぱりビートルズはこの音でなくっちゃ...(^.^)と思わず頬が緩んでしまう爆音盤だ。因みにこのレコードのVol.2 はNZ盤ではリリースされなかったようで市場に出回っているのがOZオレンジ・レーベルのステレオ盤ばかりなのがちょっと残念だが、これだけの高音質で初期のヒット曲の数々が聴けることを考えれば、このVol.1だけでも十分にコレクタブルな逸品だと思う。