梶芽衣子の主演映画の代表作といえば「女囚さそり」シリーズと「修羅雪姫」シリーズだと思うが、彼女のキャリアを語る上でもう一つ忘れてならないのが「さそり」の少し前に制作された「銀蝶」シリーズだ。1作目の「銀蝶渡り鳥」は彼女にとっての東映初主演作品で、芽衣子姐さん演じる主人公の名前が樋口ナミというのは「女囚さそり」の松島ナミを連想させるし、大立ち回りを繰り広げながら返り血を浴びて朱に染まっていく姐さんの和服姿は「修羅雪姫」のイメージそのものだ。
続編といえる「銀蝶流れ者 牝猫博奕(めすねこばくち)」でも父親の仇を探して渡場をわたり歩く女札師の “緋桜のナミ” として敵暴力団の花会に乗り込んで行って大暴れする芽衣子姐さんの雄姿が楽しめ、その後の “復讐”& “無双” 路線の下敷き的な作品になっている。共演の千葉真一もエエ味を出しており、1作目の梅宮辰夫や渡瀬恒彦も含め、芽衣子姐さんの脇を固める俳優陣も実に豪華な顔ぶれだ。そういえばデビューして間もない八代亜紀(←当時まだ22歳でめっちゃ若い!!!)がクラブ歌手役で出ていたのにもビックリ(゜o゜) ディープなマニアは1作目に高校生ホステス役で出ているフラワー・メグたんにもご注目。
この「銀蝶」シリーズは圧倒的なインパクトを誇る「女囚さそり」シリーズの陰に隠れてしまった感があるが、ブイブイいわしていた70年代前半の東映らしさ全開のコテコテ任侠路線が楽しめる。芽衣子姐さんは見たいけど「さそり」はさすがにちょっとシンドイな...という人にピッタリの映画だと思う。
映画「銀蝶流れ者 牝猫博奕」予告編
1972年にリリースされたこの「銀蝶渡り鳥」という盤はそんな「銀蝶」シリーズの主題歌が入った彼女の1stアルバムで、彼女にとって4枚目のシングルでもあるタイトル曲のA①「銀蝶渡り鳥」は芽衣子姐さんの芯の強いヴォーカルと独特の節回しで心の琴線をビンビン震わせるような昭和歌謡の王道メロディーを楽しめるスーパー・ウルトラ・キラー・チューンだ。ツボを心得たピアノのオブリガートに歌心溢れるソプラノ・サックス、ファズを効かせたギターと、バックの演奏も完璧で、まさに芽衣子ファン必聴の名曲名演だと思う。因みに作詞は川内康範、そして作曲は何と「夢は夜ひらく」の曽根幸明だ。
銀蝶渡り鳥
同じ川内&曽根コンビの作品で同映画の挿入歌として使われていたA④「銀蝶ブルース」もいい。映画ではちょうど和服姿の彼女が(←この1作目の方は銀座のホステス役なので洋服姿が多い...)敵暴力団の組事務所へ乗り込んでいく場面でかかるのだが、これがもうばっちり映像と合っていて唸ってしまう。特にサビの “銀座は蝶の 銀座は蝶の 夜の宿~♪” のラインがたまらんたまらん(^o^)丿 昭和歌謡に欠かせないグラント・グリーンちっくなギターもエエ味を出している。この後のクライマックス・シーンにおける芽衣子姐さんの “大和田さん、アンタが生きてちゃ銀座のネオンが曇るんだよ... 死んでもらうよ” のセリフにもシビレます(≧▽≦)
銀蝶ブルース
映画絡みの曲を中心にしたA面に比べ、B面はアーリー70'sの歌謡界を反映したような作風の曲が並ぶ。芽衣子節を封印した歌謡ポップスB④「心のこり」やいしだあゆみを想わせるノンビブラート唱法に驚かされるB⑥「愛への期待」なんか “これがあの梶芽衣子???” という感じで実に面白かったが、そんな中で私が一番気に入っているのがB①「浜辺のメルヘン」だ。この曲は彼女のサード・シングルで上記2曲と同じく川内&曽根コンビの作品なのだが、曲調は任侠の “に” の字も感じさせないバリバリのGS歌謡で、 “これがあの「恨み節」と同じ人???” と疑いたくなるぐらい声色も歌唱法も違う。梶芽衣子ってこんな歌い方も出来るんやねぇ...(^.^) GS色の濃いギター・フレーズやシンガーズ・スリーによるコーラス・ワークも雰囲気抜群だ。
浜辺のメルヘン
続編といえる「銀蝶流れ者 牝猫博奕(めすねこばくち)」でも父親の仇を探して渡場をわたり歩く女札師の “緋桜のナミ” として敵暴力団の花会に乗り込んで行って大暴れする芽衣子姐さんの雄姿が楽しめ、その後の “復讐”& “無双” 路線の下敷き的な作品になっている。共演の千葉真一もエエ味を出しており、1作目の梅宮辰夫や渡瀬恒彦も含め、芽衣子姐さんの脇を固める俳優陣も実に豪華な顔ぶれだ。そういえばデビューして間もない八代亜紀(←当時まだ22歳でめっちゃ若い!!!)がクラブ歌手役で出ていたのにもビックリ(゜o゜) ディープなマニアは1作目に高校生ホステス役で出ているフラワー・メグたんにもご注目。
この「銀蝶」シリーズは圧倒的なインパクトを誇る「女囚さそり」シリーズの陰に隠れてしまった感があるが、ブイブイいわしていた70年代前半の東映らしさ全開のコテコテ任侠路線が楽しめる。芽衣子姐さんは見たいけど「さそり」はさすがにちょっとシンドイな...という人にピッタリの映画だと思う。
映画「銀蝶流れ者 牝猫博奕」予告編
1972年にリリースされたこの「銀蝶渡り鳥」という盤はそんな「銀蝶」シリーズの主題歌が入った彼女の1stアルバムで、彼女にとって4枚目のシングルでもあるタイトル曲のA①「銀蝶渡り鳥」は芽衣子姐さんの芯の強いヴォーカルと独特の節回しで心の琴線をビンビン震わせるような昭和歌謡の王道メロディーを楽しめるスーパー・ウルトラ・キラー・チューンだ。ツボを心得たピアノのオブリガートに歌心溢れるソプラノ・サックス、ファズを効かせたギターと、バックの演奏も完璧で、まさに芽衣子ファン必聴の名曲名演だと思う。因みに作詞は川内康範、そして作曲は何と「夢は夜ひらく」の曽根幸明だ。
銀蝶渡り鳥
同じ川内&曽根コンビの作品で同映画の挿入歌として使われていたA④「銀蝶ブルース」もいい。映画ではちょうど和服姿の彼女が(←この1作目の方は銀座のホステス役なので洋服姿が多い...)敵暴力団の組事務所へ乗り込んでいく場面でかかるのだが、これがもうばっちり映像と合っていて唸ってしまう。特にサビの “銀座は蝶の 銀座は蝶の 夜の宿~♪” のラインがたまらんたまらん(^o^)丿 昭和歌謡に欠かせないグラント・グリーンちっくなギターもエエ味を出している。この後のクライマックス・シーンにおける芽衣子姐さんの “大和田さん、アンタが生きてちゃ銀座のネオンが曇るんだよ... 死んでもらうよ” のセリフにもシビレます(≧▽≦)
銀蝶ブルース
映画絡みの曲を中心にしたA面に比べ、B面はアーリー70'sの歌謡界を反映したような作風の曲が並ぶ。芽衣子節を封印した歌謡ポップスB④「心のこり」やいしだあゆみを想わせるノンビブラート唱法に驚かされるB⑥「愛への期待」なんか “これがあの梶芽衣子???” という感じで実に面白かったが、そんな中で私が一番気に入っているのがB①「浜辺のメルヘン」だ。この曲は彼女のサード・シングルで上記2曲と同じく川内&曽根コンビの作品なのだが、曲調は任侠の “に” の字も感じさせないバリバリのGS歌謡で、 “これがあの「恨み節」と同じ人???” と疑いたくなるぐらい声色も歌唱法も違う。梶芽衣子ってこんな歌い方も出来るんやねぇ...(^.^) GS色の濃いギター・フレーズやシンガーズ・スリーによるコーラス・ワークも雰囲気抜群だ。
浜辺のメルヘン