八代松井家の松濱軒(ショウヒンケン)の菖蒲はいまどんな具合だろうとぐぐってみたら、思いがけないサイトに出くわした。まったく気づかないでいた。内田百間の「阿房列車」に松濱軒が度々登場している。よくぞこれだけまとめられたと感心している。
http://www.geocities.co.jp/wakame_01/memo_data/shohinken.htm
昭和24年天皇陛下の御巡行の折、松井家に宿をお取りになった。細川護貞様は松井明之(ハルユキ)の女婿として八代でお出迎えを為さった。陛下は翌朝松濱軒のお庭に出られ菖蒲を愛でられたが、「これは菖蒲である。あれは杜若である」と誰に仰るわけではなくつぶやかれたそうだ。
上記サイトによると御巡幸後旅館になったらしい。内田百間が都合九回も松濱軒を訪れているということを始めて知ったが、よほどお気に入りのことであったのだろう。昭和26年から33年までの時代の有様が垣間見えて大変面白い。「ご當地さん」などという言葉もいまは死語となった良い言葉である。
http://www.yado.co.jp/hana/kumamoto/syohinken/syohinken.htm
熊本はまだ梅雨入りに至っていないが、ここ数日ぐづついた雨模様で台風も心配されるが、通過後梅雨入りの発表があるのだろう。お向かいの「未来の森ミュージアム」では、「九州焼物紀行・田中丸コレクション」の展示が行われている。あわせて菖蒲のお庭を拝見にお訪ねしたいと思っている。
http://www.city.yatsushiro.kumamoto.jp/museum/index.jsp
(ちなみに内田百間の「けん」は門構えに月が本当らしい)