一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

ドキッとする感覚

2013-10-09 15:14:06 | 季節



     先日、所用があって鎌倉の街を歩いていた
     ら、金木犀がどこからともなく匂ってきて
     ドキッとした。

     
     このタイトルではすでに何回か書いている
     はずなのに、それでも毎回ドキッとするの
     だから我ながら笑ってしまう。

     多分、目に入る前に匂いだけが不意にやって
     くるからだろう。
     (この匂いの元は)どこ、どこ?と思わず
     あたりを探してしまう行動も滑稽である。

     この強烈な匂いは一瞬にして子供の頃を
     思い出させる。
     生家には樹齢百年にもなろうかと思われる
     金木犀があった。


     植木屋が毎年入って、松を2~3日かけて
     仕上げた後、金木犀に取りかかる。
     こんもりと大きなお椀を伏せたような型に
     作りあげて、煙草を吸って一服している姿、
     そんな光景までありありと思い出される。

     
     おそらく私がドキッとするのは、こうした
     幼い頃の原風景といったものがあるからだ
     ろう。


     私はこの感覚をあいまいな感覚でしか表現
     できないのだが、
     山田詠美の短編集『放課後の音符』の中に
     金木犀を、
     「甘くて歯が痛くなりそう」
     という一節がある。

     ※ 円覚寺の境内奥のやぐら
       ここにも金木犀の匂いが充満していた。
 

     
     

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