一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

そんな季節(続)

2019-10-20 10:38:39 | 季節


        住宅街を歩いていたら、
        ふと、ある匂いに立ち止まった。

        あの匂い。

        そう金木犀の香りだ。

        毎年、この季節になると、
        突然、どこからか匂ってきて、
        ハッと立ち止まる。

        あたりを見回すが、
        香りの主の姿が見つからないことも多い。

        だが、香りだけは、
        ちゃんと届いてきて、道ゆく人に季節を知らせる。

        こんな時、一句ひねることができたら
        どんなに風情があることだろうと思いながら、
        他人さまの句を引かせてもらおう。

        「家小さく 木犀の香の大いなる」
                     高野素十
        「金木犀の香りは私の道標」
                     甲田夏湖
        「金木犀 ひと夜の雨に散り急ぐ」
                     柴田美佐子
        「コンビニへ金木犀の角曲がる」
                     吉沢陽子
        「金木犀 香りのつなぐ散歩径」
                     高橋泉也
        「何処より香り放ちて金木犀」
                     湯澤正枝

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