1980年代から90年にかけて、
まだネットなんか無い時代、
バックパッカーのバイブルとなった
沢木耕太郎の『深夜特急』は
いまも 広い世代に 読み継がれている。
アルバイト代をためて買った
格安航空券を握りしめて、
ユーラシア大陸を横断。
乾いた風のなかを疾走する長距離バスに乗り、
雨に降られ、異国の言葉や 風習のあふれる
路地裏の匂いを嗅ぎ、
現地の人々のなかに溶け込んでいく。
たとえば
第3巻の「インド・ネパール」編ではこう書いている。
「風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。
そうやって〈私〉は やっとインドに着いた。
カルカッタでは路上で突然 物乞いに足首をつかまれ、
ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活。
ベナレスでは 街中で日々 演じられる生と死の
ドラマを見せられ、
やがて、〈私〉は一つずつ自由になっていった」
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