2014年が明けた。
今年もよろしくお願いします。
新年にあたって殊更大きく誓うこともな
いが、年々衰える体力と、(あるともい
えない)知力の減退を少しでもゆるやか
にいって欲しい、と願うのみ。
そこで石川啄木の句を。
「何となく 今年はよい事あるごとし
元旦の朝 晴れて風なし」
このとき啄木は病が進行し、朝日新聞社
への出社も途絶えがちだった。
これまでの辛酸を振り切りたい気持だ
ったろうか。
「正月の4日となりて あの人の
年に一度の葉書も来にけり」
函館の小学校の元同僚の教師・橘智恵子
から葉書がきた。「一握の砂」に対する
お礼と、前年結婚したことが書いてあっ
て、啄木は大きな驚きと失望をいだく。
「何となく 明日はよき事あるごとく
思ふ心を 叱りて眠る」
1月8日に東京朝日新聞に載った句。
よき事のあるのを願って打ち消す。
厳しい現状から逃れられない。
事実、2月初めには慢性腹膜炎のため、
医科大に入院となった。
啄木はわずか26歳で亡くなっている。
この早熟、この早世。
天才は早死になのですねえ。
※ 写真は暮れに行った江の島水族館の
大水槽。
ダイバーの右横はサメ。
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