一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

一つの思想史の死

2012-03-23 21:34:48 | 雑記


      吉本隆明氏が亡くなった。
      一つの思想史のような人の死だから各新聞は追悼文や
      回顧談などを載せている。

      私は氏のことはほとんど知らない。
      だが、谷川雁を通して書物やメッセージなどに触れる
      ことが多いせいか、かなり知っているような気がする
      から不思議だ。

      両者は、
      <吉本隆明VS谷川雁>だったり
      <吉本隆明=谷川雁> として語られることが多く、
      いずれにしても一つの時代を牽引(けんいん)して
      きたことには間違いない。
      一つの時代とは60年安保をはさんだ前後数年である。

      谷川雁が「大正行動隊」をつくって炭坑労働者の退職
      金などで闘っていたとき、吉本隆明はこういった。

      「谷川雁がいま大正炭鉱でやっていることは壊滅の
      敗軍のしんがりの戦いだ。
      敗けるにきまっていると知りながらやっている。
      …… …… ……
      彼がやっていることが終わったとき、運動の痕跡さえ
      終わったときだ」 

      このフレーズがまさに時代をあらわし、人を語ってい
      る。
      その意味でこれを聞くとき、身が引き締まらずには
      いられないのである。

      (写真は近くの梅林にて)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿