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米中経済戦争の本質を考える

2019-12-09 04:03:31 | Peace Cafe


 アメリカと中国は世界を圧倒する立場を争っている。それは覇権とか言われれるが、拝金主義的利益なのだろう。以前のアメリカは世界の警察として、アメリカの正義を旗印に、世界の紛争に介入した。それはいかにもアメリカの正義であったのだが、アメリカの利益を忘れるものではなかった。いつでもアメリカの利益の戦争ともいえた。

 中国は圧倒的な領土と人口をもって驚異的な経済成長を遂げた。その力でアメリカの独占になった世界に挑戦をし、中国経済の影響下に世界を置こうとしている。中国経済の頭打ちを願っていたアメリカや日本の思惑をこえて、中国はアメリカが軍事力的にも油断できない相手になることになった。

 白人社会としてはアジアの国の脅威として、産業革命以降初めての体験であり、相当に慌てふためいているのだろう。中国がアメリカを中心にした資本主義経済圏の経済的圧力にかかわらず、アメリカに勝利する可能性もないとは言えなくなっている。

 安倍政権は圧倒的な自民党内での力によって、反対を押し切り中国習近平への接近を試みている。これはアメリカの虎の尾を踏む可能性も出てきている。日米安保の片務的負担がトランプの口から再度出てきたのは、大統領選挙向けだけではない。韓国への圧力で見られるように、背景にはかなり深刻な属国への圧力が生じているはずだ。

 米中の対立は、世界史的に見ると新自由主義経済におけるポピュリズムの台頭から右傾化という方向と、ロシヤや中国の社会主義国家を標榜する国家資本主義との対立ともいえる。資本主義社会は階級社会を明確化し始めている。その結果と思えるポピュリズムというものを生み出している。

 ポピュリズムはよくわからないのだが、自己中心主義と言えばいいのだろう。自分の利益や考え方以外は理解できない人が登場している。了見が狭いという事なのだろう。了見が狭くなる原因は余裕がないという事から来ている。自分と対立するものをくみ取ろうというところがない。

 ポピュリズムというものの動きは、世論操作社会を伴って現れている。理解しがたい利益誘導の選挙で選ばれた政権が独裁化してゆく流れになる。オバマとトランプの違いである。オバマの正義と理想主義が、トランプの即物的な利益主義に圧倒されてゆく姿である。壁を作る社会が到来している。

 一方自由を制限した中で、高度成長を終わろうとする中国で、香港問題が中国本土に波及しないかである。経済に敏感な中国の人々は国家が自分に利益をもたらしてくれる間は、人権というような他のことは我慢しているだけなのだと思う。

 中国の選挙は形だけの、香港総統選挙に見られるような制限付き選挙であったのだが、油断したのか区会議員選挙が、ほころびの自由選挙となって地崩れ的に反政府の票が表に出た。経済的限界にある、香港の圧政に対する反発である。このままでは香港の経済は危ういのだろう。

 自由主義経済圏に現れている、自分の目先の利益に動かされてしまう選挙。未来社会の理想に向うというより自分の利益だけが優先される選挙。日本社会で言えば、今人手不足だから、安い外国人労働者を受け入れようとか。お金になるなら、カジノを誘致しようという姿である。

 いずれにしても、中国でもアメリカでも、そして日本でも社会が理念や理想を失い、拝金主義にまみれてゆく。これが資本主義末期の姿なのだろう。

 国家資本主義という個人の人権を制限し統制をする中で、ある意味思想弾圧の中で、資本主義を勝ち抜こうとする中国の登場。もしこのまま行けば、アメリカとヨーロッパを併せたよりも人口の多い、しかも労賃の安い中国の世界制覇に向かう可能性がある。国家の統制をもって経済競争に立ち向かえば、アメリカですら破れる可能性があるという事だろう。

 いずれにしても、米中の争いは拝金主義と国家主義の入り混じった争いである。世界はこうして理想を失い、間違った方向に進んでいる。この間違いの先にあるのは、世界の破たん以外にない。この間違いは人間の醜さが露骨に現れた方向に進んでいるという事なのだろう。残念ながら理想を失いつつある世界である。

 アベ政権は来年4月の習近平氏を国賓として招待する。習近平中国への接近は何を意味するのだろうか。中国を仮想敵国とする日本が、何故中国に接近するのだろうか。交流は良い方向で歓迎はする。中国への接近が産むだろうアメリカの本音はどう表れるか。

 米中の経済戦争に見られるように、世界中が一国経済主義をあらわにしている。世界は温暖化に対しても何も具体策を打ち出すことはできない。世界の半分以上のCO2排出国の米中が具体策を出せない。当然日本も循環型社会ヘ以降は遠のいている。

  そう考えて諦めてはならない。諦めれば終わりである。迂回である。遠回りするほかない。そう考えた方が良さ棹うな状況である。世界は今よりも悪くなる。もちろん様々に良くなっていることもあるのだが、拝金主義と格差は確実に広がる。その中で遠回りする道を模索するほかない。

 世界は悪い方に進む。それを嘆いていたも始まらない。こうした悪い社会へ進む中で、自分の暮らしをどう立ち上げるか。このことを考えるほかない。自分という、ささやかな存在ではあるが、かけがいのないもの。自分自身の暮らしを変えるという事から以外にはないのだろう。

 拝金主義からの離脱である。金儲けに人生を費やすのは無駄だという事だ。日々の充実の中で生きる。それは自分の為だけでなく、他人の為にもなる生き方だと思う。自給自足の原点に立ち戻ることも一つの選択だ。それに貢献する生き方をしたいと思う。

 自給自足の原点に立ち戻れば、人間は競争などしなくとも生きて行ける。一人100坪の土地で、1時間働けば食糧自給は出来る。私の30年行った自給生活の結果である。トランプさんよりも、安倍晋三さんよりも幸せに生きているという確信である。自分の食べるものを自分の手で作り出すという安心である。

 人間は心が貧しくなると、競争を始める。人のために生きるという事だと思っている。理解し合える仲間を見つけなければならない。これには時間がかかるが、かならずどこかにいる。一人が始めなければなにも始まらない。
 
 アメリカや中国の様な大国が自らの利益だけを考えたならばどうなるのか。世界は間違いなく破綻することになる。今は自分の利益追求で済んでいるが、必ず、自らの破たんへの道になる。大国であればあるほど、世界全体のことを考えなければならないのは当然のことである。これが出来ないのであれば、大国に対する憎悪が増すことだろう。それでは世界はさらに不幸な時代に突入する。
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2019-12-13 22:36:06
>国家の統制をもって経済競争に立ち向かえば、アメリカですら破れる可能性があるという事だろう。
笹村さん、経済、特に金融、ドル基軸通貨、人民元、中国の債務、ドル建て、などを考えると、中国は日本同様、アメリカの掌で転がされているという実態を理解できるはずですよ!
中国の最大の弱点は基礎科学技術の発展が殆どなされていないことです。他国の技術を盗むしかない程度の張りぼて大国に勝ち目は全くありません。ましてや、ハードウェアの独自技術が全くない中国が5Gで覇権など夢のまた夢です。5Gの難しさはハードウェアにあります。特に韓国は完全に勘違いして、5Gを進めていますが、韓国の独自技術は皆無です。覇権はGDPの大きさとは全く関係ない。
基礎科学技術を制する国が、覇権を握ります。基礎科学技術は軍事、経済、技術を伸展させる果実です。
中国は2045年までに科学技術大国になると宣言した。それがアメリカの機嫌を損ねたのです。他人の技術を盗んで、発達した国が、ある日突然、“僕たちは先進国とならんだ。科学技術凄い”と勘違いして、いざ科学技術を独自に開発しようとしたら、その困難さに気づき、再び、ネットにより、他国の技術、知財を盗み始める。そんなことアメリカはもちろん、日本、欧州が許すことはありません!。
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