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沖縄本島の豚コレラの発生

2020-01-12 04:15:46 | 自然養鶏
石垣郵便局の壁の絵

 沖縄本島のうるま市の養豚場で豚コレラが発生した。まだ原因は明らかになっていないが、推測ではアジア観光客の持ち込んだ食べ物が原因の可能性が高いきがしている。中部および関東地方での豚コレラと同じ遺伝子と言うことだが、同じようなアジアからのルートと考えてもいいのではないだろうか。

 沖縄での発生は3つの養豚場に広がっている。さらに広がる可能性が高い。最初の発病から、1月10日の消毒殺処分まで1ヶ月もあったとみられる。12月20日頃には死亡した豚が10数匹も出ている中で、出荷もされていたようだ。暮れの25日にはさすがにおかしいと言うことは養豚業者の人も認識していたようだ。しかし年の暮れと言うことで年明けに家畜保健所に相談して明らかになった。

 感染豚が居たと思われる状況で豚の出荷をしているから、他の養豚業者との接触なども頻繁にあったと考えられる。広い範囲の養豚場の調査が必要な状況になっている。

  初期対応が失敗している。しかもうるま市で発生を確認して、三キロ以内の養豚場を調査するとした。そしてすぐそばの養豚場でも感染が確認された。そのさなか、今度は隣の沖縄市で新たな感染が確認された。

 初期対応は大げさなぐらいにやるべきだ。本島全域の調査を行う必要がある。うるま市の処理肉場に豚を出している業者はすぐに立ち入り調査をすべきだった。岐阜での対応もイノシシは移動しないので汚染を拡大はないと考えたために、関東にまで広がることになった。

 沖縄本島でもイノシシの感染を調査しなければならない。もしイノシシに感染が広がっているとすれば、その対策も行わなければならない。沖縄では農家が数頭を庭先で飼育することがある。こうした豚の感染も調査の必要があるのだろう。

 重要なことは感染源である。第一に推測される感染源は、海外からの観光客が肉の食べ残しを何らかの形で廃棄する。それをイノシシがあさって感染する事もありうる。そのイノシシが養豚場に出没し感染を広げる。あるいは食品残渣をそのままエサに使っている場合も有るのかもしれない。エサにされた食品残渣へのウイルスの混入である。

 世界では未だかつてないような家畜伝染病が起きている。当然効果的なワクチンなどない。狂牛病、口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ、そしてアフリカ豚コレラ。大規模畜産が行われるようになったためと見ている。(その過程は何度か書いたので省略)幸いなことに日本は島国である。徹底的な防疫体制をとれば、防げるはずである。

 今、怖いことはアフリカ豚コレラの日本へのウイルスの侵入である。豚コレラが日本に来ているのだから、アフリカ豚コレラの感染が日本で起こる可能性は高いとみなければならない。中国の養豚はこれで大変なことになっている。今から、水際対策を徹底することしかない。

 そのためには、家畜衛生学の研究がまず第一である。鳥インフルエンザの時も、全く学問的に後手後手だった。家畜は病気になれば、淘汰すればいいという安易な考えしかなかったのだ。どうすれば、日本への侵入が防げるのか、防げないのか研究して貰いたい。

 渡り鳥の移動経路なども全く手探り状態であった。そして、何故野生の鳥は高病原性鳥インフルエンザに感染しても、一部の鳥だけの感染で収まるのか。そういうウイルスに対する対応能力の仕組みも分かっていない。

 野生動物というもののウイルス病に対する対応能力と家畜動物との違いはどのようなものか。今後の研究課題である。野生動物は弱いものは死んで行く。過酷な環境である。こうした自然淘汰の状況が強い動物を作り出しているのではなかろうか。

 今回野生のイノシシが豚コレラに感染した。野生のイノシシは感染するものとしないものとがいるらしい。捕まえたイノシシの大半が感染していないのだ。それはイノシシが野生状態では接触が少ないからなのか。

 あるいは健康な野生動物はそもそもウイルスに対して抵抗力があるのか。過去何度となく感染をくぐり抜け、抵抗力のある野生動物だけが生き残っているかのうせいはないのだろうか。

 この辺の実態も今回の豚コレラのイノシシ感染の中で、調査を継続して貰いたいものだ。そうした基礎研究の蓄積が,これからの日本の畜産業を守るものになるはずだ。

 その上で、安全な家畜の飼い方を考えなければならない。現在の家畜の飼い方は中途半端な隔離方法である。中途半端な衛生対策である。そのために、一度蔓延を始めると止まるところがない。

 病気の侵入を恐れる余り、過剰な消毒が行われている。それが、家畜由来の新しいウイルスの発生を起こしている可能性がある。このあたりの研究も充分に行わなければならない。

 ウイルス病というものと免疫力の関係を家畜の場合どうなっているのか研究が必要だろう。どういう形で新しいウイルスが出現するのかも研究すべきだ。自然免疫の科学的な研究も必要だろう。

 水際作戦には現在の数十倍の獣医師が必要であろう。そのためには有効が疑われる狂犬病のワクチン注射を止めて、その人員を入国管理の防疫員として雇用したらいい。狂犬病も水際で止める方が好ましい。

 現状の人員では到底防ぎきれるものではない。飛行場や港からウイルスは侵入する。ウイルスだけでなく、様々な危険生物も侵入している。この対策には今の数十倍の人員の配置がいる。

 生物テロの問題もある。海外との交流が盛んになることは望ましいことなのだから、どうやって検疫を強化できるのか。機材も人財も十分に投入して備えを徹底して行うべきである。カルロスゴーンさんの事例を見えれば、抜け穴だらけのようだ。

 例えば、石垣島にも直接外国人が年間22万人も来ます。石垣島には出入国の管理のための出張所があります。私も台湾から戻るときにはここを通過しました。荷物検査などしないに等しいものでした。

 クルーズ船などの場合はどうでしょうか。多分荷物検査などかなり手薄ではないでしょうか。お弁当などを持ち込んで食べ残しをポイ捨てすれば、それを野生動物が食べてしまう。輸入貨物の検査もかなり心配です。多分石垣島の状況は全国で言えることだと思います。こういう所での検査を徹底して行わなければならないはずです。



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