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田母神氏610,865 票の意味

2014-02-12 04:09:15 | Peace Cafe


雪の夜 10号 ずいぶん雪が降った。40センチあった。ケイトラの荷台が、何か荷物を積んだように盛り上がっていた。雪明りというが、確かに雪の夜は、小さな光が遠くまで届く。



田母神氏610,865 票得票率 12.5% の投票があった。この意味は考えて置く必要がある。軍国主義を支持する人の数ということでいいのだと思う。軍国主義と私が呼んでいるものを、支持者が軍国主義と考えているのかは別であるが。明治時代の日本の目指した世界である。日本帝国を望んでいる人が、12,5%は確実にいる社会ということだ。この12,5%の人は、強い日本、競争に勝ち続ける頼りに成る日本を望んでいるのだろう。当然強い軍隊を持ち、核武装もする軍事大国である日本。今回は、田母神氏が立候補することで、今まで潜在化していて実態の数が見えにくかった、日本帝国をもう一度作りたいとする人の数が明確になった。若い人が多く投票したというのも、気がかりなことである。民主主義国家ということは、自由に考えてよいということだから、軍国主義を嫌いな人もいれば、好きな人もいて当たり前のことだ。洋ランを栽培する仲間に、保険会社の仕事をしていた人がいた。どのような考え方も、必ず統計的に現われるということをいつも言われて、その仕組みを何度も教えてくれた。

同じ洋ラン仲間の窪川さんが有機農業を始めたことで、有機野菜を食べる人の割合について言われた。どんなことにも必ず、支持者というものはいるものだ。だから、日本の社会の方向として、有機農業が正しいとか、間違っているとか考える必要がないというのだ。5%を対象に考えれば、どのようなことも成立する。日本人全体を考えれば、有機野菜が広がることはないが、5%の人でも十分生きていける。それでよしとして生き方を選んだほうがいいと言われていた。それは、5%の仲間だからこそ、とても結びつきが強くなるとも言われていた。以前から、装甲車のようないでたちで街宣活動をしている人はいた。赤尾敏氏のように渋谷の駅頭で毎日、演説している人もいた。源田実氏のように、人気を博した元軍人もいた。しかし、今回の中心に成ったのは、ネット右翼と言われる人らしい。普通の社会人のような顔をして、はっきりと戦前の社会の再現を望む人たちが現われたのは、始めてではないだろうか。今起きていることは、いつも存在する5%が12,5%に膨張したと考えなければならない。あるいは、投票率を加味すれば、5%理論が当てはまるということか。

少し違う傾向が、日本社会に生まれてきているように感じる。経済復興から、経済成長の大きな時代には、過激な国粋主義的な傾向の人たちは、社会の許容範囲の5%の中にあった。日本が経済的停滞に入り、隣国が目立つようになってきた現在、余裕のない、競争心が軍事拡張の意識に繋がっている気がする。経済で圧倒することはできなくなった。むしろ、圧迫されている分野も出てきた。軍事的な不安も生じ始めている。力を持って対応しなければ、日本は押しつぶされるのではないかという不安感が、通奏低音のようにある。そしてそれと比例して、日本頑張れ頑張れという、掛け声が聞こえ始めている。田母神氏が政策として出していたものは、常識的なものであった。経済主義という点でも驚いた。原子力発電を推進することも、中小企業の経済の為というような、組み立てであった。核武装を前面に押し出してということでもなかったのは、何故なのだろう。まさか本気で当選する気があったとも思えない。もしかしたら、当選すると考えている様な政策だった。

石原氏の維新の会は安倍氏との連携を考えているのだろう。安倍氏の言いたくても言えない範囲のことを、露払いとして様子見をしている。橋下慰安婦発言もそうだった。安倍氏を代弁しているつもりの気がする。安倍氏の痛恨の極み部分を代行している。そのために、田母神氏がまさかと思ったが、公共事業を強調したりしていたのだろう。今後経済がどう転ぼうが、格差がさらに広がることだけは確かだ。国内も不安定化する可能性の方が高い。小選挙区という選挙制度では、30%しか支持されない自民党が、創価学会と組んで、圧倒的多数に成る。こうなるとアベノミクスのごまかしが終わる時が怖い。世界の経済競争で、日本が勝つような可能性は、残念ながら低い。12,5%の田母神氏の支持者が今後どのような変化をしてゆくのか。政治的なまとまりを持つようになるのか。いずれにしても、はっきりとした政治的右派が誕生したということだ。

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2 コメント

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ドゥルーズ=ガタリ (やまかく)
2014-02-12 20:45:34
フランスの哲学者ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリによると、「国民国家をファシズムに向かわせる最大の要因は、国内市場の衰退という歴史的状況と、国外市場の拡大を重視することで逆にその国内市場の衰退を放置したり加速させたりしてしまうような経済政策にある」とのことです。

近年、日本を含む東アジア各国において、攻撃的なナショナリズムが蔓延している根本原因は、高齢化と格差拡大による国内市場の衰退を放置しながら、国内の抑圧的な社会体制を維持・強化しつつ、輸出企業・輸出競争力を優先する経済政策を、各国がとっていることにあると思われます。

攻撃的ナショナリズムの温床となっている社会体制・経済政策をいかにして改め、穏健で持続可能・共生可能なものにして行くか。そこに焦点を絞って知恵と努力を傾注して行くことが、いま喫緊に必要なことです。特に、右傾化していると言われる若年層に、真っ当な生業と居場所を確保することは、民主主義の危機を救い、社会を穏健化するために急ぐ必要があります。それも、昔のような高度経済成長や終身雇用が不可能な時代ですから、知恵が必要になります。
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若者の仕事 (笹村 出)
2014-02-13 06:23:34
整理していただくと、良く分ります。
言われるとおりですね。

若い人が農業分野に興味は持っています。
若い人の中には、真剣で、まっとうな人が、
昔より増えていると思います。
そういう人と接することで、やる気が出てきます。
16日も見学に見えると言われる人がいます。
自給的農業が、一つの方向だと自信を持って、
言えるといいのですが。
この道に入ることは、現状とても厳しいことに成ります。
社会との距離が広がり、さらに厳しくなりそうです。

私にはその厳しさこそ、生きる豊かさにつながると、思えるのですが。
一般社会で無事に生きるということとは、程遠い暮らしであることは、確かです。
ここが悩むところです。
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