中野さなえ活動日誌

花には太陽を こどもらには平和を

H保育園の発達相談日

2006年05月19日 21時17分48秒 | 活動日誌
 (イチリンソウ  大好きな野草です。ニリンソウのお姉さんみたいな花、庭の片隅に今年は3つも咲きました。ひとりでも美しい。野の群生はこの上なく美しい。)

 
 朝は老健施設経由で母に洗濯ものを届け、その足で保育園へ向かいました。

 10人ほど診た中で、ひとりだけどうしても一緒に遊んでくれない(検査に乗ってくれない)子がいました。でも、だだをこねるわけではなく、なんとかフェイスのように始終にこにこしているのです。無理な笑顔ですね。
 3歳6ヶ月の子でしたが、入園して一年になるのに、いまだになかなか自分を出してくれません。先生の話では、「・・ちゃんの本当の気持ちってどうなんだろう?」と考え続けた一年間だったそうです。

 あるときは保育者の首っ玉にきつくしがみつき、あるときは足で蹴って「くるな」と拒否をする。自分の思いを充分伝えられない様子が伺えます。

 新しい関係をつくることにも、抵抗が強い子です。私との関係も、緊張がつよく心が固まっていますが、顔はニコニコしている。この年齢に大切な自我の育ちが阻まれている背景はいろいろあるわけですが、このニコニコに、私は彼女の心の葛藤を見ました。

 加えて、検査をいったんあきらめて次の子をやったあと、2回目の挑戦のとき、「今度は遊んでくれる?」の問いに「ウン!」とにっこり返事。一回目とは全く違った決意の程が伺えました。
 しかし結果は、一回目と同じで乗れなかったのですが、ここでもこの「ウン!」に、私は彼女が壁を破ろうとする前向きな姿勢を強く感じました。

 この葛藤はきっと何度か繰り返されるでしょう。しかし優しい担任のもと、いいタイミングの場面があたえられ必ず乗り越える、その経験を重ねてたくましくなっていく、そう思います。

 彼女は、新しい自分を切り開くために、ひたむきに生活しているのです。私はとてもいとおしくなりました。

 こんな子に会えるから、保育園はたまらない魅力なのです。

 
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