あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

府中市の「古戦場と学びの道」を歩く(東京・府中)(後半)

2020-03-06 16:27:40 | 江戸・東京を歩く
 2020年3月3日(火) (続き) 

 郷土の森公園での食事を終えて13時ちょうどに出発する。


 北西側の新田川緑道に入るところに、「アド街ック天国」で紹介された和菓子の青木屋
の、郷土の森工場売店があったので立ち寄る。

 ほかの店と同じ商品のほか、製造工程で出てしまった2等品を求めやすい価格で直売し
ているという。ミニバームショコラというアウトレット商品らしいものをひとつ購入した。

 売店の背後には、ここが菓子の工場とは思えぬ大規模な工場の建物が見えた。


 新田川緑道をサントリー武蔵野ビール工場のそばまで進んで西南西方向へと回り込む。



 南北に延びる下河原緑道のそばまで進み、芝間通りに入って北北東に向かい、サントリ
ー武蔵野工場の西門前を過ぎる。




 中央自動車道下を北に抜けると、すぐ先が都指定史跡の「三千人塚」。
     
 道路際に「府中の名木百選」の「三千人塚のエノキ」があり、ちょうど剪定(せんてい)
作業中だった。
     

 三千人塚は、江戸時代の地誌「武蔵名勝図絵」などにも紹介された由緒ある塚のよう。

 平成17(2005)年の調査で、元弘3年の分倍河原の合戦で亡くなった3千人の戦
死者を埋葬したという伝承とは関係なく、江戸時代に造られたものと分かったという。

          
 「府中の名木百選」のエノキは、樹高13.5m、幹囲2.5mあり、今は枯れ枝だが
枝を大きく伸ばして立っていた。

     
 市立南保育所前交差点を右折して東への遊歩道へ。ケヤキの古木が続き、中ほどに幼児
の「電車ごっこ」像があり、この道は軌道敷の跡地と記されている。
            
 もと国鉄東京競馬場線の廃線跡で、中央線の国分寺駅から東京競馬場前駅までの旅客線
があったが、武蔵野線の開業に伴い昭和48(1973)年3月末で廃止されたらしい。


 右手には矢崎町防災公園がある。一見普通の公園のようだが、園内には手押しポンプの
防災井戸、普段はベンチになっているかまどベンチ・スツール、災害用仮設トイレ、耐震
用貯水槽など災害時に役立つ設備が用意されているという。


 設定コースは、北へ進めばすぐ先に見える府中本町駅がゴールだが、まだ13時半過ぎ
なので、もう少し東側も回って府中本町駅に向かうことにした。

 JR南武線の下をくぐって線路の東側へ。駅から東京競馬場への高架橋下を抜けるとす
ぐ、競馬場の北西側に天台宗安養寺があった。

 安養寺は、川越の喜多院と同様に慈覚大師により開山されたとか。永仁4(1296)
年に勅命により再興され、江戸時代には寺領15石の朱印状を拝領し、末寺10数ヵ寺を
擁していたという。

 桜並木の参道を進み山門を入る。突き当たりは観音堂で、背後間近に東京競馬場の観覧
席が望まれる。

 本尊の観音菩薩は浅草寺の分体とか。多摩川三十三所観音霊場第5番札所である。 


     


 正面上部に大正8(1919)年奉納の新宿や浅草の商店や旅館の方々のものと、私が
生まれて間もない頃の大師講講中からの掲額が目に入る。     



 本堂は南向きで、そばに「府中の名木百選」で樹高18m、幹囲2.9mの「安養寺の
モミノキ」が立っていた。
     


 北側に隣接するのが真言宗豊山派の妙光院。小さい山門を入り、朱塗りの仁王門をくぐ
った正面が宝形造(ほうぎょうづくり)の本堂である。



 妙光院は真如法親王が貞観元(859)年に開山し、江戸時代には幕府からは寺領15
石の朱印状を拝領しており、当時は末寺20数ヵ寺を擁したとか。多摩八十八ヶ所観音霊
場第23番札所である。

 本堂の右手前には、やはり「府中の名木百選」に選定された樹高25m、幹囲3.9m
の「妙光院のイチョウ」が立っていた。

     
 本堂左手奥には金比羅堂↑があり、隣接して庫裡らし建物があるが、無人なのか閑散と
している。シダレウメの咲く横から山門を出た。


 北へと緩やかに上がり、西側の鳥居を入って大国魂(おおくにたま)神社へ。


 大国魂神社は、第12代景行天皇41(111)年創立という古社。大化の改新後に武
蔵国司が国内諸社の巡拝等により国内の諸神を祭ったので「武蔵総社」と称したとか。

 鎌倉幕府から江戸幕府に至るまでの代々には幕府の崇敬厚く、江戸時代には社領500
石の朱印状を拝領したという。


 拝殿は北向きで、拝殿右手には東京都酒造組合に加盟する9社の銘酒が奉納されていた。







 仁王門には、新型コロナウィルスの感染症予防の張り紙がある。
     
 仁王門を出ると、樹高20m、幹囲2.6mの「府中市の名木百選」に選定された「大
国魂神社のモミの木」が立っていた。
     

 仁王門の北東側にある鼓楼(ころう)は、嘉永7(1854)年の再建。太鼓で時を知
らせる建物で主として寺院に設けられているが、この鼓楼は当初の原型を保っていて、神
社では数少ない貴重な建物のよう。


     
 西側参道際にある寝殿造りの手水舎には、立派な彫刻が施されていて、ほかではあまり
見られない豪華な造り。


    

 手水舎の横から西に延びる六所口通りを進み、府中本町駅には14時25分にゴールし
た。


 今回のコースは、昨年11月17日(日)のカタツムリ歩行同窓会で訪ねたところもあ
るが、初めての場所もたくさん巡った。


 気づいたことは、府中市内には緑道や遊歩道が多いこと↑、緑道以外の一般道にも歩道
があり、さらに小さい公園でもトイレがあるなど、安心してウオーキングできる環境が整
っていることが感じられた。

 使用したウオーキングマップは、縮尺1万分の1なので2万5千分の1地形図にも表示
されていない細い道なども表示されていて、さらに街道や通り、遊歩道などの名、トイレ
の場所、交差点名など、歩く人のための情報がかなり細かく記されているので、大変使い
やすかった。

 そのマップには、また幾つものコースが紹介されているので、それらも歩いてみたい。

(天気 晴後快晴、距離 9㎞、地図 「府中市 水と緑のネットワーク ウオーキング・
 マップ」、歩行地 府中市、歩数 16,800)




アウトドアランキング



にほんブログ村 アウトドアブログ ウォーキングへ
にほんブログ村

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 府中市の「古戦場と学びの道... | トップ | 信楽高原鐵道の信楽焼製干支... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
昨年秋のカタツムリ歩行で (saikoroat)
2020-03-08 18:31:42
郷土の森公園や矢崎町防災公園などは、昨年11月のカタツムリ歩行同窓会でも
訪ねているので、見覚えあるかと思います。
マイペースでゆっくり歩いてみると、同じ場所でも新しい発見があり、
時期が変われば彩りも変わり、楽しみですね。
返信する
見覚えあるところ (junjun)
2020-03-08 17:58:47
見覚えのあるところだなあと思って拝見しました。
同じところでも歩く時期が違うと新しい発見があっていいも
のですよね。いいお天気のようでしたね。
返信する

コメントを投稿

江戸・東京を歩く」カテゴリの最新記事