あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

2000年秋、標高2000mの行田山へ(山梨・早川)

2020-10-27 20:10:03 | ハイキング
 2020年10月27日(火)

 数日前、古い段ボールのひとつを開けたら、20年前の今日、標高2000mの山に登
山したときにもらった登山証明書が見つかったので、その記録も探してみたらあった。

 写真もあるはずだが別の段ボールなので近日中に探すことにして、とりあえず当日の記
録と登山証を紹介する。

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 == 全国ただひとつ、2000mの山 行田山に上る ==

 2000年もあと2か月あまりとなった10月27日(金)、全国でただひとつだけの
標高2000mの山、山梨・静岡県境にある行田山(ぎょうだやま)に記念登山した。

 前日の10月26日(木)9時20分に西武新宿線花小金井駅で、この山行を企画した
小金井市のMさんの車に乗る。いったんM家に寄った後、国立府中ICから首都高に上が
り、渋滞もなく順調に中央自動車道に入る。

 甲府南ICで中央道を下りて国道140号線に入り、間もなくの「道の駅とよとみ」で
昼食をする。周囲は田園地帯、まだ刈り取り前の色づいた稲穂も見え、田んぼの西には櫛
形山の山並みが広がる。
 
 650円の与一公定食というのを食べたが、盛りも良く味もまずまず。道の駅がある豊
富村(現 中央市)の目玉はシルク。村内の「シルクの里公園」にある郷土資料館にはシル
クの展示室があり、この食堂にもシルク入りのシルクラーメンというメニューがあった。
道の駅には農産物直売所もある。
 
 13時に道の駅を出て、笛吹川沿いに国道を身延町(みのぶちょう)方面に向かう。市
川大門町で国道52号線に入り、釜無川(かまなしがわ)を合して富士川となった川沿い
に南下する。硯(すずり)の里、和紙の里、句碑の里などの標識や、幅広くなった富士川
を見ながら鰍沢町(かじかざわちょう・現 富士川町)から中富町(なかとみちょう・現
身延町)へ入り国道に分かれる。

 早川橋を渡って早川沿いに入ると間もなく早川町(はやかわちょう)。深い山の斜面に
長い導水管が見える。早川町は南アルプスの水を集めた早川沿いに水力発電所が多く、発
電量は山梨県内の4割を占めるという。
 
 役場の少し先で早川に分かれ、雨畑川(あめはたがわ)の沿いに入ると左岸の斜面中腹
にに付いた道は1車線になる。細いトンネルを抜けて雨畑湖の北側に出た。湖面は下がっ
ていて水はほとんど無い。湖の中間点に突き出た半島の付け根に今日の宿、ヴィラ雨畑が
あった。14時25分に着く。

 今日は気温が24~25℃くらいに上がり季節外れの暖かさ。窓を開けて外気を入れる。
湖岸の桜や周囲の山の斜面上部は紅葉が始まり色づいている。夕食は川魚の塩焼きや野菜
などが中心のヘルシー食。おいしくいただいた。


 10月27日(金)は5時半に起床した。昨日ほどではないが晴。しかし昨日見えた雨
畑湖の上流、行田山方面の稜線には雲がかかっている。

 6時過ぎに西側の山の斜面に陽が差し込み、紅葉の色が冴える。7時からの朝食を済ま
せ、7時50分にMさんの車で18㎞先の行田山駐車場に向けて出発する。

 雨畑湖の奥にある雨畑集落は、狭い道路沿いの斜面にへばりつくように昔ながらの住宅
が並ぶ。その先は、雨畑川左岸からかなり上がった斜面に急カーブの連続する林道が続い
ている。

 トンネルを抜けたら舗装がはがれて大きな穴が開いていたり、手で持てないような大き
な落石があったり対向車が来たりして、運転するMさんは気が抜けず、助手席の私も周囲
の紅葉をゆっくり眺める余裕はなく、もっぱら前方を注視する。

 数戸ずつの小さな集落を4つほど抜けると舗装が終わり、カーブミラーもなくなった。
急斜面を削って作った林道は降雨量も多いのか道路の痛みも激しいようで、何か所かで道
路の補修中。

 工事用のダンプカーが来ると行き違い出来る場所にバックしたり、ショベルカーで掘削
中のところで待ったりして、8時55分に標高1600m地点にある行田山駐車場に着く。

 林道の途中からガスがかかって見通しが悪くなったが、駐車場は雲の上。雲海の上に青
空が広がり北側の山が見えてきた。周囲の針葉樹の間に見える紅葉も見ごろ。さすがに気
温は低くて10℃前後か、手が冷たい。不要の荷物を車に置き、9時15分、「熊出没注
意」の標識が立つ行田山登山道に入った。

 しばらくは稜線の北側斜面トラバースする緩い上り道を、行田山の東北に伸びる稜線に
向かう。ブナやツガなどの広葉樹とモミなどの針葉樹の混じる林。石ころの多いところも
あるが、道は整備されていて迷うことはない。木道の連続する場所も何か所かあった。

 カラマツやツガが増えて北側の展望が開けてきた。南アルプス南部の山並みが正面に現
れ、槍ヶ岳のような鋭いピークの山も見える。しかし展望も長くは続かずガスに隠れ、や
がて全く見えなくなった。稜線が近くなり、クマザサや立ち枯れの木が増えてきた。

 行田山から八紘黎(はっこうれい)(1918m)に延びる稜線に出た頃には、木の上
にたまったしずくがポトポトと落ちてきた。トウヒやシラカバ、シラベなどの多い稜線を
20分ほど戻るように進んで、10時57分に行田山山頂に着いた。標高1999.7m、
四捨五入して国内ただひとつの2000mの山である。

 ガスで視界は全く利かない。急斜面のがけがそぎ落ちている南側の静岡県側から冷たい
風が吹き上げてくる。防寒用に雨具を着たが寒い。まず、早川町が立てた今年限りの登山
証明書申し込み用のポストに申請書を投函する。

 山梨県では行田山と呼ぶが静岡県では大谷嶺(おおやれい)と呼び、山頂には両方の標
識が立っている。Mさんと交代でそれらの前で記念撮影をして、ミレニアム記念登山の成
功を祝った。記念登山のパーティが数組、あい前後して上ってきた。

 早川町が1月1日に設置した2000年記念の石のレリーフがあったが、三角点は見つ
からなかった。大きなナナカマドの木に赤い実がたくさん実っている。

 天候が回復する兆しはなく、休んでいると一層寒いので11時40分に下山にかかる。
帰りも往路を戻る。時折ガスが晴れて遠くの山が見えるが、またすぐに見えなくなる。駐
車場に近づくにつれて天候は回復し、紅葉、黄葉の色が鮮やかになり、緑の針葉樹の間に
素晴らしい彩りを見せてくれる。13時19分に駐車場に戻った。

 朝、雲海の上に見えていた北側の布引山(2584m)と笊ヶ岳(2629m)の展望
多一層良くなっていた。駐車場の隅に湧き出ている冷たい水でのどを潤し、ポットにも入
れる。ヴィラ雨畑に戻って昼食をするつもりで弁当は作ってもらわなかったが、意外に時
間をとってしまった。カロリーメイトで少しだけエネルギーを補給して、13時45分に
帰途につく。

 往路には気がつかなかったが、雨畑集落の近くまで下がったところに見神の滝というの
があった。100m以上はあろうかと思われる断崖絶壁からほとんど垂直に落ちてくるみ
ごとな滝。都会に近ければたくさん見に来るだろうと思われる素晴らしい景観である。

 帰途、ヴィラ雨畑と早川町役場に寄って無事登頂を報告する。遅い昼食は前日も食べた
道の駅とよとみで。夕食の時間にも近い16時半を過ぎていた。

 道の駅でゆっくり食事と休憩の時間をとる。帰りの中央自動車道も順調に進む。20時
20分に西武新宿線花小金井駅前に着いた。


 山頂で投函した登山証明書申請書に基づき、11月に役場からはがき大の登山証明書が
送られてきた。


      はがき面
     

  どこで入手したか思い出せない鈴もあった。     
           


 ちなみに、今年と同じ標高、2020mの山に登山された方もおられることでしょう。



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コメント (2)
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