あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

熊野古道 伊勢路を歩く③<馬越峠・八鬼山越えコース>続き

2008-08-24 18:34:07 | 熊野古道を歩く
 きのう、8月23日(土)の所沢の最高気温は19.8℃とか。
あの暑かった夏はどこへ行ったんでしょうか…。

 引き続き、5年前の熊野古道 伊勢路2日目の後半です。

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 2003年10月16(木) 第2日〈続き〉  
 馬越峠・八鬼山越え  =熊野古道一の難所越え=



 献灯所の先から、いよいよ熊野古道一の難所という八鬼山
越えの山道に入った。ススキや野菊、ゲンノショウコなどの咲
く緩やかな道がわずかで終わって上り坂となる。

 行倒れ供養碑を過ぎ、水場のある駕籠立場(かごたてば)で
まず休憩。


 開けた西側、真砂川の谷側に、樹齢300年という大ヒノキ
が立っていた。谷筋からの風が気持ちよい。


 少し先には、清順上人供養碑がある。清順上人とは、戦国
期、長らく途絶えていた伊勢神宮の遷宮を復興させた尼僧と
のこと。

 真砂川の対岸を走る国道311号から林道を車で回り、七曲
がりの下でYさんが弁当を届けて下さった。

 同乗されてきたNさんの知人、N先生から、熊野古道の石畳
は、かなかけ石と言い、カンナをかけたように滑らかなこと、
この先にあるあかんべ地蔵のことなどを説明していただいた。

 N先生は、もと小学校長で伊能ウオークの際、尾鷲から熊野
までのガイドを務められた方と聞く。(N先生を中心に記念撮影)

 いよいよ今日のやま場、七曲がりの急坂だ。うす暗いヒノキ
林の中、苔むした石畳は滑りやすいので慎重にゆっくりと上る。


 七曲がりが終わって幾分傾斜が緩む。道の両脇にウラジロ
が多くなったのに気付いた。ずっと下からあった身の丈1m足
らずの古い地蔵さん、N先生の言われたあかんべ地蔵を確認
しながら上ったら、3、4個ほど見つかった。


 空腹と上り続きで疲労もつのり、皆、口数が減ってきた。蓮
華石と烏帽子岩のある桜茶屋一里塚跡を通過し、ようやく九
木峠に着いた。展望はないので昼食はもう少し先ですることに
なる。

 木々に覆われて涼しい尾根、丸太の階段や石畳の道を進む
と、そぼくな社殿の三宝荒神堂がある。

 八鬼山日輪寺の跡で、「その歴史は1300年もさかのぼり、
西国三十三番第一番札所の前札所として、八鬼山越えの巡
礼が道中の安全を祈った」と記されていた。

 その先には立派な石畳があり、637m三角点の先で江戸
道と明治道に分かれる。

 昼食地にと期待し、江戸道を少し入ったさくらの森という新
しい芝生広場に出る。


 広場からは、山並みが入り組んだ複雑な海岸線の向こうに
熊野灘の雄大な展望。

 皆思わず「すばらしいー」と感嘆の声。広々とした展望を前
に、遅い昼食をする。




 素晴らしい展望の後には、厳しい下りが待っていた。はじめ
は緩やかな稜線、落ち葉が一杯の道筋にリンドウが一輪また
一輪と咲いていたが、やがて急坂となった。

 転ばぬよう、杖を頼りに慎重に下る。鎖の付いた木の手すり
も現れ、高度はどんどん下がるが明治道との合流点がない。

 通過したのかと思っていたら、ようやく合流点に出た。どうや
ら明治道を下った方が楽だったようだ。

 その先は、沓川の源流に近い沢沿い。傾斜もゆるみ、やが
て林道に出た。大石がごろごろする川を見下ろし、名柄(なが
ら)一里塚の手前から流れに沿って左岸を進んだ。


 紀勢本線の線路が近づいたところで名柄町の集落に回り、
国道沿いにある三木里(みきさと)の湾に面した小公園に着
いた。休憩後、ストレッチ体操をして疲れをとる。


 湾の西側で魚がしきりに飛び跳ねている。魚を間近に見よ
うと堤防沿いに回り、海水浴場の中心辺りで眺める。どうも
ボラが飛んでいるようだ。

 国道に出て、郵便局の少し先にある民宿・嬉志野(うれし
の)に着いた。道路を挟んで本館に女性、別館に男性が入る。

 三木里はNさんご夫妻の故郷。一旦実家に帰られたNさん
も戻られ本館で夕食。

 Yさん差し入れの東紀伊千鳥という特産の鶏肉や、地元の
魚料理など、盛りだくさんの料理をいただいた。

〈コースタイム〉鷲下バス停8・07~18ー夜泣き地蔵8・30ー
林道横断点8・47~9・01ー馬越峠9・12~15ー桜地蔵9・30
ー馬越公園(WC)9・39~50ー尾鷲市街ー東邦石油東北端
(尾鷲節歌碑)10・48ー献灯所先(WC)10・53~11・03ー駕籠
立場11・30~35ー七曲がり下(弁当受領・N先生の話)11・40
~56ー七曲がり上12・18ー九木峠12・49~59ー荒神堂(水場)
13・19ーさくらの森(昼食)13・28~14・02ー江戸道・明治道合
流点15・00~11ー名柄一里塚跡15・26ー名柄町海岸の公園
(WC)15・44~16・00ー民宿嬉志野16・15

(天気 快晴後晴、距離 15㎞、地図(1/2.5万) 引本浦、
 尾鷲、賀田、歩行地 海山町(紀北町)、尾鷲市)

 注:歩行地の地名は当時のもの、( )内が現在の地名。
コメント
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