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飛龍伝、つかこうへい2020(樺美智子)

2020-01-31 18:55:59 | 映画

つかこうへいさんの演劇です。

欅坂46の菅井友香さんが出ると聞いては、新国立劇場は近いので駆けつけました。

ミュージカルなので良い席にしました。

つかこうへいを語れるほど私はつかこうへいを知らない。

つかこうへい作品は映画化された「蒲田行進曲」ぐらいしか見ていない。

蒲田行進曲は深作欣二の作品としての方がイメージが強かった。

つかこうへいも同じだが演劇全体の芝居掛かったというような演出が嫌いだったのだ。

今回の舞台で、つかこうへいの演劇を始めてまともに正面から観たのだ。

俳優が普段着で演じたり、場面転換が早くて舞台チェンジがないこと、最後は出演者全員がタキシード姿でダンスして幕が降りること、、、などなど初めて知ったことばかりです。最後のダンスシーンはいかにもミュージカルでいいですねーーー。

毛嫌いはしないものです。

欅坂46の菅井友香さんは良く演じていました。

日本のミュージカルもなかなかいいものになりました。

飛龍伝の神林美智子は、1960年の安保闘争で死亡した樺美智子をモデルにしている。

1960年は私もまだ幼かったが、日本の社会が安保闘争のデモで明け暮れているという認識だった。

安保が必要かどうかなどは小中学生には考えられなかった。

その頃の思いは学校や家族の中の出来事ぐらいだった。

だけど、東大闘争が安保闘争に続いて起こり、樺美智子(カンバミチコ)が機動隊装甲車に踏み潰されて死亡したことは、鮮烈に覚えている。

ただ幼かったので、当時のことは他人事でしか覚えていませんでした。

ノンポリ中学生だったし、それが普通だったから。

同級生でも成績の良いものや、同級生だった小林節(憲法学者になった)らは少しは考えていたかもしれない。

私らボンクラは目先の女友達のことや、成績や部活のことで頭がいっぱいで、社会など全く興味がなかったのだ。

その樺美智子を主人公にして演じたのが今回の飛龍伝だそうだ。

当時の社会・闘争をストレートに演じているのではなく、だいぶ脚色されています。

だが、イントロの神林美智子(樺美智子)が大学に初めて足を踏み入れたあたりは、、、正にあんなものだったような気がします。

サークルの入会勧誘はあんなものだった。

若者なので男女の思いは似たようなことでしょう。

60年前は安保闘争やその後は学園闘争で騒然としていて、、、それから30年ほど経って「オーム真理教」や「統一教会」「幸福の科学」だどが百科繚乱のようになった。

バブル崩壊で日本社会が停滞するどころか落ち込んでいき、人々の心の救い拠り所を求めているところに、新興宗教が若者、それも高学歴のものから侵食していったようだ。

飛龍伝のストーリーは、騒乱の中でそんなこともあっただろう、、、という感想だ。

機動隊は間違いなく無学歴で、中卒が多かったと舞台では演じられていた。

実際は、、、農村の成績の良くない次男坊が機動隊に勧誘されたと私は認識していた。

農村の長男は出来が良かったら大学まで行かせてもらえるが、次男坊は出来が悪かったら、当時大量採用された機動隊要員になった。

だから、各地から上京してきた頭の良い大学生と、機動隊は犬猿の仲だった。

それを上手く描いたのが飛龍伝と言うことなんだな!

学生の闘争は噛ませ犬のような立場の機動隊と戦って終わってしまった!

安保闘争から東大闘争へ、そして全国の大学に広がって学園闘争になった。赤軍派などの過激派が出てきたのはすぐ後。安保闘争は日本の世界での中の位置というのでわかる。だが東大闘争や各大学の闘争になると、一般人とはかけ離れた論争になってくる。そこに成田空港問題が出てきた。それが今ではどうだ、、、。社会の仕組みを考えたはずだが、仕組みは全く変わらなかった。貧富の差、特に正社員と派遣という民≒カーストみたいなものを作ってしまった。これはどの世代がやったものか、どちらにしても大した反対はなかった。小泉純一郎の時だったと私は記憶しているが、当時のような大反対が起こったならば違った結果になったかもしれない。当時の団塊の世代が社会に組み込まれて牙が抜かれるどころか体制派になってしまったのか?

戦う相手は組織・仕組みだったんじゃないか。目先にいた機動隊と戦っても組織・仕組側は痛くもかゆくもなかった。

飛龍伝ですが、、、、ユーモアが学芸会レベルなのにはガッカリした。

演出の問題だろう。

それが演劇(業界)の障害になっている。

安保闘争、学園闘争を知っている世代だけじゃなく、若い人にも見て欲しい作品です。最初の40分ぐらいまでつまらなかったので、席を立ちそうになったが、我慢して見てください。この飛龍伝の趣旨はその後に出てきます。趣旨と思われることを、私が言っちゃ野暮というもの。人それぞれ受け方が違うかもしれないしね。

当時の闘争委員長や全学連闘士はその後は、政界や財界などで活躍されています。文化人ではテリー伊藤、坂本龍一、立松和平らかなーーー。普通のおとっさんとして生きているのがほとんどだけどーーー。


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