殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

脳の切り替え・1

2020年01月08日 16時17分51秒 | みりこん流
明けましておめでとうございます。


旧年中は大変お世話になりました。


コメントをくださった皆様


応援ポチを押してくださった皆様


本当にありがとうございました。


何のお礼もできないので、せめて皆様のご健康と幸せを


お祈りさせていただいております。


今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。




さて、初老の自分より若い人たちと話して感じるのだが


この数年来、自身の仕事に幸せを見出せない人が


増えているように思う。


給料が少ない、上司が悪い、会社のシステムが気に入らない‥


といった話が多い。


初対面であっても、話題はこれらの愚痴になる。



年寄りのワガママと承知だが、若者や中年からは


年寄り同士では聞けない、希望に満ちた新鮮な話を聞きたい。


ツルツルの眉間にシワを寄せ、みずみずしい唇をとがらせて


会社の批判をブツクサと論じられると


残り少ない人生を損した気分だ。



気持ちはよくわかる。


40代に勤めた病院の厨房がそうだった。


法律が、経営が、と理由をつけては給料をジワジワと減らされ続け


極限まで減らされた人数の中、親の死に目にも会えないシフトで


前人未到のオーバーワークを強いられた。



人を増やすと言われてホッとしていたら


日替わりでヨボヨボのシルバーさん、来襲。


室内で働ける調理補助はシルバー人材センターで人気だが


記憶力に問題があるため、できる仕事が限られる。


いつまで経っても洗い物とレタス切りしか、させられない。


レタスとくればトマトだが、トマトは無理。


数を計算して切り分けなければならないからである。



それでもレタスがある洋食の日はマシだ。


和食の日は、振る仕事が無い。


説明が理解できなかったり、ちょっと失敗すると


老女のプライドは深く傷ついて、立ち直りに時間がかかる。


そっちのフォローが大変で、要するにありがた迷惑。



なぜこんなことになるかというと


病院と、市役所から天下りした事務長の間で


積極的にシルバー人材を使う契約が交わされていたため。


数年後、市役所から数えて二度目の定年退職をした事務長は


今度はシルバー人材センターのえらい人におさまっている。


最初から、この設定だったというわけ。



シワは、上や中心には寄らない。


常に隅っこや端っこに現れるものだ。


だからシワ寄せと言う。


それが世の中の仕組みである。



というわけで、給料が、上司が、システムが‥


などの言い分は、わかるつもり。


ましてや若ければ、誰かに聞いてもらわないと


やっていられない気持ちも理解できる。



が、私が気になるのは、若い人の愚痴で一番多いのが


このセリフであることだ。


「社員旅行に行くお金があったら、給料を上げて欲しい」


槍玉に挙げられるのは、社員旅行だけでない。


制服を新しくするお金があったら‥


社屋を新築するお金があったら‥


というのも時々ある。



それらをさんざん口走ったあげく


最終的に「面白くない」と吐き捨てた後


結びの言葉は、お決まりのこれ。


「どこかにいい仕事が無いですかね?」


聞くたびに、私は心配になるのだ。


「大丈夫か?」と。



社員旅行や制服、新築費用の出処と


人件費の出処が違うこともわからず‥


あるいは頭でわかっていても、心で理解することができず‥


とにかくその金を自分の給料に回せと


人前で豪語できる神経に驚いてしまうのだ。



日頃、ブツクサ言っていると癖になる。


最初は小声でも、興に乗ると声が大きくなり


麻薬のように、いつでもどこでもボヤかなれば


気がすまなくなるものだ。


そうなると不思議なことに、ボヤきたくなる新たな事柄‥


つまり嫌なことや不利なことが次々と押し寄せるようになり


ますますボヤくようになる。



こうしてボヤきが癖になると、人から嫌われる。


聞いたってどうしようもないことを延々と聞かされると


暗い気持ちになるからだ。


ボヤッキーとしては自分だけでなく


相手も同じように重くて暗い気持ちになって欲しくて


ボヤくのだから満足だが


聞かされる同僚や家族はいい迷惑だ。


「そんなに嫌なら辞めればいいのに」


と思われるようになるが


ボヤッキーは自身のボヤきに酔いしれているので気付かない。



これがボヤッキーの待遇に少なからず影響することを


ボヤッキーは知らない。


社内で、あるいは全く関係無い場所で


うっかり吐いたボヤきが


回り回って上司の耳に入る偶然って


サラリーマンが想像するより、ずっと多い。


文句だけは経営者気取りの者を優遇してやるような


お人好しの上司は皆無である。



そもそも経済や人の心の仕組みを知らず


知ろうともしない人間が


面白おかしく働ける仕事なんか、あるわけないだろ。


嫌なことを我慢するから、お金がもらえるのだ。


いい仕事なんて、あるわけないじゃないか。


あったら人に言わずに私が行っとるわい。



とはいえ終身雇用制度が崩壊し、不況が長引いて


将来の見通しが立ちにくい現代である。


子供は「努力しろ」「辛抱が大事」と教えられて育つが


その努力や辛抱だけでは


幸せになれない時代になったのではないか‥


私はそう思うのだ。



努力や辛抱を続けるだけでは花が咲かないのは


私も身に染みている。


いつか自分の時代が来ると信じ


舅、姑に耐え忍んで40年。


未だ、私の時代は来ていないではないか。



だって、昔と違って高齢化社会になったのだ。


昔の常識は通用しない。


不死身の老人を相手にいつか、いつかと待っていたら


こっちが先に死にそうだ。


平凡な家庭でも、このありさまなんだから


給料の発生する職場が、昔の常識と違ってきているのは


当たり前のことかもしれない。



努力や辛抱でどうにもならないとなれば


ものの見方や考え方を変えるしかない。


そこでお勧めしたいのが、脳の切り替え。


‥と、本題に入りたいところだが


長くなったので、今日はこの辺で。


《続く》
コメント (6)
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