羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

野口三千三の無念さ

2023年11月16日 14時09分48秒 | Weblog
三笠書房版『原初生命体としての人間』第5章「ことばと動き」を読んでいる。
これまでに何度か読んではいるのだけれど、今まで何を読んでてきたのだろう?


今までとは全く違う本にさえ思える。
もしかすると、スタニスラフスキーの講師のお二人、ロシア語通訳の方との交流を通して、私の目の前に「演劇・身体表現・音声言語」に新しい地殻が現れて、少なからずの"地殻変動”が起きているからだろうか。

そんな状況の中で、第5章「ことばと動き」を読み返して、野口言語観の凄さが伝わってきた。
「メモや箇条書きはたくさんしているけれど、残念ながら成文化の努力をしていこなかった」野口は告白している。
そうは言っても、書ききれなかった「動きから得られる実感」に潜められていることを掬い上げて、内容をもっと緻密に、もっと精確に、もっと豊かに、もっと深めて、ことばにし、成文化することは非常に難しい、と先生の悲鳴が聞こえる。

からだの中にははっきりとした実感がある。
絞り出そうとすればするほど、追いかければ追いかけるほど、ことばが逃げていく。ことばがつかまらない。
“もーどーか・し・さ”が伝わってくる。
どれほど無念だったことか。
『原初生命体としての人間』続編、続々編があったら・・・、ないものねだり。
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