羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

「おませ」と「おしゃま」、違いわかります?

2012年05月03日 05時16分23秒 | Weblog
「……とにかく、言葉って、面白いですよ」
 Y先生は顔を紅潮させて、一気に話し終えた。
「『舟を編む』ですね」
「そうそう、恋の話も上手く書けてるしね」
 某大学、4限授業前の短い休み時間に交わされた話だ。
 場所は体育館の講師控え室。
 この教授、体育の先生だが、身体と身体運動と言葉の三つ巴関係を探るうちに、“ことわざ研究”の道に入られた。
 朝の通勤電車の中で読み終えた熱気が、午後になっても覚めやらず、そのまま伝わってくる。すっかり本屋大賞第一位のこの本に、ご自身を重ねている声の調子だ。

 翌日、熱をもらった私は、雨が降り始める前に済まそうと出かけた買い物ついでに、近くの書店で手に取った。
『舟を編む』三浦しをん著 光文社刊
 手から離せなくなった。
「言海」に漕ぎだす小舟を、執念と情熱で作り上げていく物語だということは書評で知っていた。が、こんなに面白かったのか。
 言葉もイキイキ、登場人物もイキイキ。
 深刻に、重々しく、高尚に、書き上げようと思えばできる。しかし、あえてその道を捨てて、軽妙洒脱に筆をすすめていく。だからといって、言葉が貶められるわけではない。読むうちにリアルになる。読むうちに言葉への愛が芽生える。読むうちに『大渡海』辞書編集部全員、そしてその関係者にエールを送っている自分がいる。
 
 十五年かけて一冊の辞書を作る。言葉によって人が育ち、育てられた人が言葉をさらに育てていく過程を楽しく読ませてもらった。

 いやいやいや、野口三千三先生が「甲骨病だ」とおっしゃりながら、漢字の字源とやまとことばの語源の海に漕ぎだした小舟に、、、、、もしやあれは筏だったかも、、、、、とにかく二十数年の間、落ちることもなく同乗させてもらっていた時のことが甦る。
「言葉があったから、体操音痴の私でも、野口体操が続けられた。楽しかったよなぁー。」
 声を張り上げて叫びたい衝動に駆られる。

 そうだ、今、整理中の資料とその解説を本にする時は、「玄武書房」の馬締(まじめ)さんに編集をお願いしたくなったのよ~。
 あれあれ、すっかり虚実がわからなくなってしもうた!?
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