羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

野口三千三の恋文

2023年09月23日 08時18分58秒 | Weblog
ちょう去年の今頃だった、と思う。
野口ノートを解読していたとき、山本安英主演の『夕鶴』を観た感想が書かれている一文に目がとまった。
というより心がとまった。

最大限の賛辞が綴られているが、これは恋文。

滅多に、いや、まったくといった方が正しい。
情というものが感じられないノートの記述の中に、突然あらわれた「つう」への恋慕。

何度も何度も読み返した。
「先生、よかったですね。女に恋する・・・・」

『歩いてきた道』山本安英 今朝から読み始めた。

込み上げるものがある。
淡々とかかれている山本の文章に、野口の人生を重ねるというか、相対化して人と時代を読んでいる自分に気づいた。

泣くようなところではないのに、涙で活字が曇ってしまう。

それって嬉しいことだった。
それって切ないことだった。

神様は、この瞬間のために、48年前に私を野口体操に出会わせてくれたのに違いない。
そう思えた。

先生、よかったですね。
そうつぶやいてページをめくった。

 昭和23年弘文堂と1994年中公文庫
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