昨年9月から始めた母のための種々の手続きが、3月には終わった。
そして本日、変更した手続きが、全て順調に回っていることが確かめられた。
具体的なことは書けないが、一つ一つをクリアして、完全に終了するまでに8ヶ月かかったことになる。
本日も午後になって母の施設を訪ねた。
まだ、私のことをしっかり覚えていてくれる。
「髪を切ってもらったのね」
「そうね、最近だと思う」
「短くカットすると、若く見えるわね」
「子供っぽくなるでしょ」
「そんなことないわ!」
そんな会話をしていると、母に入浴の番が回ってきた。
ロビーで待つ時間は、穏やかに過ぎていく。
窓から見える樹々は、すでに新緑から深い緑に移りつつある。
施設の真向かいにある早稲田大学の校舎の周りには、何種類ものツツジがびっしりと植えられ、今が盛りの満開である。
「スープの冷めない距離、という言葉が流行ったことがあるなぁ〜」
それよりは少し遠いようだが、自宅から施設まで徒歩で15分以内で到着する。
心理的にもちょうど良い距離感である。
「先取りの悲嘆」はない。
むしろ日常の暮らしの安心感が、母と穏やかに過ごせる最後の時間をもたらしてくれた。
今度は、一歩、また一歩と、自分のことに取りかかることができそうだ。
これは69年間生きてきて、はじめて得られた「ゆとり」だと言える。
言葉にしにくいこの感じは、若いときに感じたことはなかった。
ゆったりと満たされている。
一方で、できることを一つずつ、丁寧に行っていけばよい、というさっぱり感もある。
これからは周りの景色をゆったりと眺めながら、山道を下ることができそうである。
誰のためでもない、自分を生きる時間が、ようやく得られたのだと思う。
そして本日、変更した手続きが、全て順調に回っていることが確かめられた。
具体的なことは書けないが、一つ一つをクリアして、完全に終了するまでに8ヶ月かかったことになる。
本日も午後になって母の施設を訪ねた。
まだ、私のことをしっかり覚えていてくれる。
「髪を切ってもらったのね」
「そうね、最近だと思う」
「短くカットすると、若く見えるわね」
「子供っぽくなるでしょ」
「そんなことないわ!」
そんな会話をしていると、母に入浴の番が回ってきた。
ロビーで待つ時間は、穏やかに過ぎていく。
窓から見える樹々は、すでに新緑から深い緑に移りつつある。
施設の真向かいにある早稲田大学の校舎の周りには、何種類ものツツジがびっしりと植えられ、今が盛りの満開である。
「スープの冷めない距離、という言葉が流行ったことがあるなぁ〜」
それよりは少し遠いようだが、自宅から施設まで徒歩で15分以内で到着する。
心理的にもちょうど良い距離感である。
「先取りの悲嘆」はない。
むしろ日常の暮らしの安心感が、母と穏やかに過ごせる最後の時間をもたらしてくれた。
今度は、一歩、また一歩と、自分のことに取りかかることができそうだ。
これは69年間生きてきて、はじめて得られた「ゆとり」だと言える。
言葉にしにくいこの感じは、若いときに感じたことはなかった。
ゆったりと満たされている。
一方で、できることを一つずつ、丁寧に行っていけばよい、というさっぱり感もある。
これからは周りの景色をゆったりと眺めながら、山道を下ることができそうである。
誰のためでもない、自分を生きる時間が、ようやく得られたのだと思う。