羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

懐かし・恋し “ 町の小さな本屋さん ”

2015年05月31日 08時30分57秒 | Weblog
 昨日の朝日カルチャー「野口体操講座」で、『野口体操入門』岩波現代文庫 のチラシを配っていただくおねがいをした。
 今回は、はじめて”営業”する、という意識をもった、と臆面もなくおつたえした。
 本の危機、書店の危機、とりわけ町の本屋さんの存亡の危機、実はわが町からも懇意にしていた本屋さんはいつだったかまったく覚えてないとっくの昔に閉店してしまった。
 Google検索で調べてみると、駅前にあるチェーン店の2軒が載っていて、そこならよく知っている。
 隣の区でもご同様な有様だった。
 昔はたくさんの本屋さんがあったのに。
 立ち読みする子どもや大人が長居していると、店主や店員さんがはたきをもってすこし離れたところからパタパタと埃を払いながら近づいてくると“そろそろ退散時ですよ”と、心の準備を促していた。

 新宿駅までの帰りの道々、出版事情に詳しいK氏から、とっておき情報をいただいたので、箇条書きにしておきたい。
「著者が書店におねがいに来るのは歓迎されますよ。店長さんまで出てきてくれます」
 実は、突撃でチラシを置いてくれるように頼みにいこうと思い立ったものの、ちょっと二の足を踏んでいる、とレッスンで話をいていたことを受けて、激励のことばだった。


「できれば町の小さな書店に注文を出してもらうといいんですよ」
 実売数を伸ばすには、どうしたよいのか?のお答えだった。

「大手の書店に、一日、三人くらいの人が『野口体操入門』がそろそろ発売されている筈なんですけど、どこの棚にありますか」
 そう聞くだけで、「これは、評判になっているのかな?」とおもわれて、ちょっと前の方に出してもられるかもしれない、ということらしい。
 その話を一緒にきいていたAさんが、変装してやってみようか、と力強いお言葉。
 このへんになるとみんなノリノリで、たのしげな雰囲気。
 まだまだその手の話は尽きなかったし、もっとディープな出版裏事情も伺っていたが、とうとう新宿駅の西口交番前に到着してしまった。

 ギンギラギンのハウツー本はないけれど、野口体操ほど書籍がそろっているものはない、と自負している。
 さらに言わせてもらえば、野口体操は本でももっているしっかりした老舗なのである、といっても過言ではない。

 帰宅して夕餉をとりながら、母にこの話をしてみた。
「それって、”サクラ” じゃないの?」
「ムムムッ」
「野口先生があの世で怒っているか笑っているか、どっち?」
 この人惚けてない、と母の顔をまじまじと見てしまった。
「無理するなって、おっしゃるかもね」

 でも、でも、今回は、「腹をくくって気持ちだけはガンガン宣伝させていただきまーす」と、言いつつはやくも溜息をつく羽鳥でした!

 さてさて、お世話になった町の小さな本屋さんが、これほどまでに懐かしく恋しいなんてー。そこで私が率先して“サクラ”になって注文している夢で目が覚めた、今朝のことであります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする