羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

いろいろあって

2012年11月16日 08時46分53秒 | Weblog
 最近、ブログの更新ができなかった。
 時系列は無視して、いくつか箇条書きにしておきたい。

 昨日、幸田弘子さんからお電話をいただいた。
 去る10月19日に「幸田弘子の会 一葉による一葉」を拝見した。
 今回で35年続いた会に、一区切りをつけるという内容の招待状をいただいた。
 上野の本牧亭で第一回の公演を始めて、毎年のこと回を重ねていらした。数回は伺えなかったこともあったが、一葉作品に泉鏡花、瀬戸内寂聴、辻邦生、等、その時々によい作品を楽しませてもらった。
 ピアノの演奏を聴くように、朗読を堪能する。日本に舞台朗読というひとつのジャンルを築きあげた幸田さんとは、本当にながいおつきあいとなった。ひょんなご縁から近しくしていただいた。
 区切りをつけると新しい発想が生まれて、まだまだ朗読はやめません!という強い意志を感じた電話だった。
「断つことは朔じまること」
 山本安英さんとの思い出話を語りながら、ご自身のこれからに意欲を燃やす女優の声は、凛として清々しかった。
 折しも森光子さんの訃報を聞いた翌朝だった。
 
 8月から9月にかけてつきあっていた「MSP」明治大学シェクスピアプロジェクトの「お気に召すまま」の公演が終わった。
 最終日のマチネーを観に出かけた。今年は、現代に生きる若者の解釈で、背伸びした感じがしなかった。
 打ち上げの誘いも受けて、出席させてもらった。キャストの面々とは、顔なじみなっていたこともあって、一人一人にねぎらいのことばをかけたが、それぞれが学生らしい表情にもどっていたことに安堵した。
 毎年、若い情熱を傾けて、およそ3ヶ月半、没頭することがあるのは、きっと卒業後になってそのことの大事さが身にしみてくるに違いない。

 そして訃報が続いた。
 90歳近い叔母を残して、60代のいとこが亡くなった。
 野口体操で知り合った福井の五十嵐淳子さんも亡くなった。体育の指導要領に「体ほぐし」をいれることに尽力した一人だ。私よりも若い方だけに残念。
 
 親戚の法事もあった。
 仏事が続いて、「生死」について思うことが多かった。

 ほかには母の今とつきあって、こちらは徐々に老化が進んでいるが、逃げるわけもいかず、その時々に応じる呼吸がつかめてきた。先の事は案じないことにした。なりゆき任せ、という心境だ。

 授業も今週で折り返し点。丁度、半分までやってきた。年明けはテストやその準備になるので、実質、5回~6回でまとめることになる。毎週の積み重ねは大事だ、といつも思う。

 そうそう、サジさんから、白川静さんの「漢字暦」平凡社、甲骨文字研究のカレンダー復刊版2013年をいただいた。時を同じくしてNHKスペシャル「漢字の誕生」で、中国文明のなかの漢字の重さを知った。未公開映像が流され、甲骨文字の世界が、生々しく伝えられて、今まで以上に文字が持つ底深い意味に驚愕した。ナレーションでは語られなかったが、異民族である姜族との関係を想像すると「鼎」がどのように使われたのか、人間の本質を抉るおぞましさを感じる。この番組では、白川文字学がいっさい語られていなかったことにも学閥の強さを思わずにはいられなかった。

 そしてiPS細胞研究の実用化は、着々と進んでいるようだ。今朝の新聞もテレビのニュースも、心筋細胞の問題を取り上げていた。心筋細胞の臨床において、他の細胞が混じりあうリスクを取り除く研究が成功したという。マウスの実験では問題がない98%の純度とか。ではあとの2%は残るわけ。それ以外にも何が起こるか解らないリスクがある。それでも高度先進医療ニッポンを目指す動きを止められそうにない、ことが鮮明になった。

 残すところ一ヶ月半、今年は収穫の多い年だったなぁ~、と振り返るにはまだはやい。
 選挙もあるし、ここは今後の思案のしどころ、だ!
コメント
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