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羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

‘植物に貞く’

2010年05月11日 07時41分37秒 | Weblog
 世間でよくいわれることだが、親が亡くなってはじめて一人前だ、と。
 実に感慨深い。遅ればせながら、今年のGWの期間中、そのことばの意味が実感としてもてたのだった。
 野口三千三先生が亡くなった1998年私は49歳だった。そして実父が亡くなった2002年は53歳だった。
 先生からは野口体操を引継いで12年、父からは僅かながら相続するものを引継いで8年が過ぎた。この間、それまでとは比べ物にならないくらい、社会との関係を拡げさせてもらえた。そのことを今までも思わなかったわけではない。しかし、先日、4月25日「新しい公共」オープンフォーラムに出席して、話された内容を自分なりに半月ほど咀嚼する時間をもってしみじみと感じたことだった。

 生きる上での体験として、まるまる五十代の十年間は、実体験としてそれ以前とは比べ物にならない質と量をもたらしてくれた、と思う。ここで具体的に一つずつを挙げることはできないが、二人から有形・無形さまざまな相続をさせてもらったことが大きかった。
 で、それらを維持するのは自分の能力を超えていたにもかかわらず、いくつかの鉢のなかでしっかり根付き‘根まわし’が出来たように思える。
 実は、この‘根まわし’の大切さを知ったのは、最近になって手に入れた藤を植え替えたときだった。いやいや、毎年、父が残していった盆栽の植え替え時で、気づいてはいたのだが、今年ほど、そのことの大切さを感じたことはなかったからだ。
 つまり、根が育ち鉢の形にしっかり根がまわっている木は元気に育ち、少しずつ大きな鉢に植え替えることができる、ということ。
 見事な藤の花を咲かせていた根は、‘根まわし’がしっかりしていて、殆ど砂に植え込んでそれほどの時間は過ぎていないのに、根元がグラつくことがない。
 
 さて、他の問題に転じてみる。
 5年前に、築85年の蔵は残して新築した家にもようやく自宅になってきた。
 その感覚を野口体操に当てはめてみると、そろそろ新しい鉢に植え替えの時期かもしれない、と思っている。
 そこで、自分に言い聞かせている。
《植え替えのコツは、大本の太い根はしっかり残し、その根の周りにある古い土は残したまま新鮮な土に埋め込むこと》
 植物に酸素が十分にいきわたると、新芽もしっかり育つのだ。それが成長して葉からも根を育てる栄養を送るようになる。循環する。
 野口先生が言っておられた‘植物に貞く’ということばの一つの意味が、少しずつわかり始めた。
 あぁ、そうだ←膝を叩く→先生は「実生(種子から発芽して成長する)」から野口体操を育てられたのだ。
 
 因みに、Twitter @noguchitaisou は、今日から「からだ」についてのことばです。これまで「動き」「価値観」「感覚」と繋いできました。12回、36の語録を読んでみると、見えてくるものがあります。量より質と言うこともありますが、量も質を決める大切な要素だと思いました。
コメント
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