羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

ドル箱、そして、千両役者

2009年11月28日 09時24分58秒 | Weblog
「ドル安・円高にドバイショックが重なって、ユーロも売られ円は独歩高。輸出関連企業は軒並み株価をさげた」でも今日のうちに「ドルに換えておこう」と換金場所は行列ができた、というニュース。テレビもITニュースも新聞もワンさと報道していた昨日のこと。
 私にとってのドルは長いこと365円だったのに、と隔世の感を抱いた。
 
 ところで、このニュースですぐさま浮かんだ言葉は「ドル箱」。
 実は、野口三千三先生が朝日カルチャーセンターで講座をもたれていた晩年に、「ドル箱先生」と呼ばれたことがあった。その上一回だけだったが先生に「大入り袋」が出されたこともあった。あの頃は、バブルの絶頂期で、日本全体に元気の‘気’が、溢れていた時代だ。
 何でも「ドル箱」とは、明治時代に千両箱(金庫を表す)をもじった俗語で横浜の貿易商で使われていた言葉。今では使われなくなったが「ドル旦」つまりドルを稼ぐ金持ちの旦那と結びついて、金持ちや金を引き出せる客を「ドル箱」と呼ぶようになった。それが「金になる」という部分だけがクローズアップされて、儲けのいい俳優をとくに指すようになっていったとか。
 
 確かに野口先生は稼ぎ頭で「ドル箱先生」だったことは事実だが、「千両役者」でもあったわけ。千両箱が‘金庫’なら千両役者は何か。広辞苑によると《格式のある俳優。技芸の優れた俳優。転じて文句なく優れた人》だそうだ。
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