羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

利休にたずねよ……黄金の茶室

2009年02月02日 15時39分22秒 | Weblog
‘侘び’向こうには、豪華絢爛な‘黄金の茶室’なる空間もプロデュースした利休。
 たまたま本日まで、新宿高島屋で、再現されたその茶室が見られるというので、先ほどこの目で確かめてきた。
 本物は大阪城陥落の際、城と共に炎上し、この世から永遠に姿を消したという。
 現代に甦らせたのは信州で金を扱う会社だ。
 
 この茶室は組み立て式で、どこにでも運んで、運んだ先で設えることができるという代物。
 その発想が凄い。
 さすがに利休である。

 デパートの催事場に置かれた金色に輝く茶室のなかに、黄金の茶道具が鎮座ましましていた。
 見るところで見たら、目が潰れるかもしれない。

 そこで、思い出した味がある。
 大徳寺の塔頭のひとつ。
 名水といわれる井戸から汲みあげた水の味である。
 舌にまろやか、咽喉を過ぎる前の香りは嫌味がなく、美味しかった。
 もう、40年以上も前のこと。
「最近では京都の水質がどんどん悪くなって、さらに深く掘らなくてはならなくなった」
 話してくださったのは、染司‘よしおか’の吉岡幸雄さんだった。

 茶も、染も、よき水あっての世界である。

 本は、もう少しで最後の章にたどり着く。
 今度ほど、ゆっくり丁寧に読んでいるのははじめてかもしれない。
 読み飛ばしたくないのだ。

 なぜ、これほどこの本に魅かれるのか、わからない。
 
コメント
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