羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

iPhoneのあるシーン

2008年11月11日 09時37分35秒 | Weblog
 先週の土曜日のこと。
 新宿小田急フローリストで、花束を選んだ。
 思った以上に迷って、一つ決めかかった束をキャンセルして、新しい花を選んだ。

 対応してくれた女店員さんの胸元を見ると‘見習い中’とあった。
 しかし、誠意ある態度には好感がもてた。

 一応、花も決まって、包装も九分通り終わったとき
「リボンは何色になさいますか」
「お任せするわ」
 そこまできたら時間が気にかかった。
 腕時計を見ると、すでに約束の時間になっていた。

 遅刻をほとんどしない私としては、そこでアタフタ!
 思わずリュックの中から、iPhoneを取り出した。
「こんなときスイッチが入ってないのは……」
 声に出さず、長押しをして起動させる。
 待ち合わせ以外、いつだって電源が入っていないことばかりがこのときほど恨めしかったことはない。

 この機械は小さな携帯コンピュータだ。
 電源を入れて、ホーム画面が出る前に、‘かじられたアップル’マークが表示される。
 その間、時間節約で、代金を用意しようとお財布を取り出すために、カウンターの上に置いた。
「まぁ、iPhoneですね」
 目がきらっと光った女店員さんは、リボンをつける手をとめて見とれている。

 花屋のカウンターに置かれた姿は、なかなかいい雰囲気を醸し出している。
 黒の色といい、漆黒の画面に浮かぶ白いアップルといい、これってコマーシャルの一シーンだ!と思えた。

 その時から二人の関係が変わった。
 彼女の表情に「このオバサン、結構、おしゃれなんだ」って書いてある。
 私はと言えば、まだ珍しいものを持っている快感に、ちょっといい気分になったの。 
 新しもの好きらしきオジサンやオニイサンが、これ見よがしに車内で使っているのを見て‘イヤラシイ’と思っていたけど、この快感を知ってしまと、、、、アブナイ、アブナイ、であります。

 朝日カルチャーのある住友ビルまで、花束を抱えて一目散で走った。
 凡夫のわが身を今日になって振り返った次第。
コメント
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