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羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

‘ながら観戦’

2008年08月23日 08時50分36秒 | Weblog
 陸上で思いがけず、メダルがもらえた。
‘金’間違いなしの国が、バトンを落とすと言うこれまた思いがけないミスがあったから、とは言わせない!
 日本陸上史上の快挙は素直に嬉しい。

 さて、野口三千三先生は、‘陸上’と‘体操’を中心に、満遍なく競技に関心をもたれていた。
 そのなかでとりわけ「女子の走りが美しくなった」と口癖のように話されていた。
 戦前から‘動き’を見つづけるなかで、女子の運動能力の進化に注目されていた。とりわけ戦後になってからの‘女性の動き’に注目されていたのだ。

「ぼくは、十代の頃、陸上と体操をやっていたから、自然にその競技にチャンネルを合わせてしまうのよね」
 そうおっしゃりながら、ご自身がなさっていた時代を振り返って、技術の向上は驚異的だと食入るように見ておられた姿を思い出す。
「昔だったら、なかなか出来なかったような動きは、今じゃみんながなんてことなくこなしてしまう」
‘ウルトラC’とか‘ウルトラD’などという表現がされてた頃だ。
「マラソンは、競技の中心だし、この心理戦がたまらないんだよね」

 他にもこんな話を思い出す。
「女子には無理だ、といわれる事だって、出来るようになっているしね。戦前、戦中の体育で、男子だけに許されていた運動のなかから選んで、女子にもさせることを主張したし、実際にぼくが赴任した小学校では、出来る限り取り入れたんだよ。ただ、女子の場合は、女らしい体つきになってくる前に体験させておいて、感覚を育てておかないといけないという‘身体的なタイミング問題’があって、男子に比べて難しかった。それに始めるのが早ければいいってもんじゃないから……。丁度いい時期ってあるんです。なにごとにも」

 明日で、オリンピックも終わる。
 北京と東京の時差が1時間弱という好条件と、おりしも夏休みということで、数えてみると案外たくさんの競技を、料理をつくりながら・新聞を読みながら・お茶を飲みながら・片づけをしながら、エトセトラ、‘ながら観戦’していたような気がする。
「こんなとき、先生だったら、どんなコメントをするだろう」
 独特の見方をされていた生前の先生を思い出していた。

 かなり古い思い出になってしまったミュンヘン・オリンピックの悲劇を、思い出させられた今回の北京だ。 
 今日と明日で競技が終わり、物議をかもした開会式に負けそうにない閉会式がすんで、みなさんご無事で帰国されることを祈る時期になった。
 
コメント
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