羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

信楽狸

2006年03月15日 15時43分05秒 | Weblog
 年若い友人から、便りが届いた。
 毎年、春に開催している邦楽の会、「あかつき会演奏会」のプログラムが昨日郵送された。
 彼女は、邦楽の家に生まれて、その家を継いだ。親御さんの代から続いている演奏会を、毎年、主宰している。今年は、五十三回目を数える。
 見えないところでどれほどのご苦労がおありだろう。
 門外漢としては、何もお役に立てることがない、といつも思う。
 
 今年は「信楽狸」を特別企画として演目に加えられたと手紙にはあった。
丁寧に解説文のコピーが添えられていた。そこに書かれていた「信楽の狸のいわれ」が歌われている歌詞の一部を転記しておきたい。

歌詞
二、八相縁起
  笠  思わざる悪事災難避くるため常に用心身をまもる笠
  目  何事も前後左右に気を配り正しく見つむることな忘れそ
  顔  世は広く互に愛想よく暮らし誠を以て務めはげまん
  徳利 恵まれし飲食のみにこと足りて徳はひそかに我身につけん
  通  世渡りは先づ信用が第一で活動常に四通八達
  腹  もの事は常に落ちつけさりながら決断力の大肚をもて
  金袋 金銭の宝は自由自在なる運用をなせ運用をなせ
  尾  なに事も終りは大きくしっかりと身を立つるこそ真の幸福

「八相縁起」に続く 
三、組曲 最後には、「八相縁起に象りて信楽たぬきとのこしける」とあった。

 なんでも、狸たちは、葉月十五夜に、月光を浴びて古狸子狸集まって腹皷面白おかしく打ち興じるらしい。

 ところで、なぜ、この「信楽狸」のいわれに興味を持ったかというと、野口先生の庭には、この「信楽狸」が一匹おわした。
 で、NHKで放送された「訪問インタビュー・野口三千三」では、訪問者の斉藤季夫さんと語る野口先生をバックに、庭の信楽狸が印象的に映し出されたシーンがあったからだった。
 実は、先生はこの「信楽狸」がえらくお気に入りだった。そこで撮影が行われる日の朝のうちに、わざわざ目立つようにと庭に面した軒下に、その信楽狸を庭の中ほどから移してこられたのだった。
 というわけで、愛嬌ある狸の風姿に、このような意味が込められていたとは露知らず。
 戴いた歌詞を何度も読み返しながら、撮影のときのいろいろを懐かしく思い出した次第。

 だというのに、カレンダーを見ると、演奏会の当日四月十六日には、仕事が入っていた!
 残念! 無念! この上なし。
コメント (1)
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