ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年1月5日。ウクライナ侵攻から317日目

2023-01-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月5日。
 雪がほとんど溶けた昨日。夜の間に雪が降って朝起きたら、また雪が積もっていてびっくり。そこへ小雨が降ってきて、また雪が溶け始めました。と思ったらその雨がだんだんみぞれになり、そして雪になりました。このままホワイト・クリスマスになりそうです。

 ロシア大統領がキリル総主教の訴えに耳を傾け、クリスマスに停戦することを軍部に指示しました。
 よかったです。しかし期間が2023年1月6日の現地時間12:00から24:00までなんですよね。12時間だけですか。
 と思ったら、実際は36時間だったようです。こちらの速報では12時間だったのですが。
(後記です。キリル総主教が12時間の停戦を訴えたところ、ロシア大統領がそれを受けて36時間の停戦を決定したということでした。)
 正教では1月6日のクリスマスイブも大事な日です。殺生なことをしている場合ではないですよね。


 今日はキリル総主教だけではなく、ロシア大統領がトルコ大統領とも電話会談をしました。トルコ大統領府によると、エルドアン氏はプーチン氏に対し「平和と交渉を呼び掛ける際には、一方的な停戦と公平な解決策への展望を示すべきだ」と促したそうです。
 このような説得をロシア大統領が聞いたということでしょうか。トルコ大統領の顔を立てなければならなかったのか。あるいはロシア軍を立て直すための時間が必要なのか。だから36時間なのでしょうか。


 ロシア大統領は「ウクライナにも多数の正教信者がいる」として、ウクライナ側にも停戦に応じるよう求めました。
 ウクライナ大統領府長官顧問は今日、ツイッターで、ロシアのプーチン大統領が呼びかけた一時休戦について
「ロシアが占領地から撤退して初めて停戦できる」
と述べ、反発しました。
 
 でも、ウクライナが去年から決めたクリスマス、12月25日もロシアは祝日でないから、激しくロシア軍が攻撃していましたよね。同じ論理で考えるなら、1月7日はウクライナは祝日でないから、ウクライナ軍はロシアを攻めていいということになります。

 ウクライナ大統領も
「ロシアはクリスマスを隠れみのにして、ドンバス地方での我々の反撃を中断させ、兵士や武器を送り込もうとしている」
と批判しています。


 今日はロシアでまた動員令が出るという噂が飛んでいたので、ビクビクしていましたが、実際にはクリスマス停戦の話が出てほっとしました。少なくとも動員の話はクリスマスが終わるまで出ないでしょう。


 ベラルーシからの報道によると、2022年のノーベル平和賞を共同受賞したベラルーシの人権活動家アレシ・ビャリャツキ氏と同氏の同僚3人に対する初公判が5日、ミンスクの地区裁判所で開かれました。
 ロシアの有力紙「独立新聞」によると、「社会秩序を破壊したグループへの資金提供」などの容疑をかけられており、有罪が確定すれば、7~12年の自由剝奪の刑を科される可能性があります。ビャリャツキ氏らは容疑を否定しています。
 ノーベル賞を受賞しても裁判にかけられるのですね。


  ベラルーシ国防省は今日、国内でロシアとの地域合同部隊を強化すると発表しました。安全保障や防衛の向上が目的だそうです。
 国防省は「ロシアから軍事要員や兵器、特殊装備が引き続きベラルーシに到着する」とし、軍事演習のほか、戦闘に絡む調整活動を計画しているとしました。

2023年1月4日。ウクライナ侵攻から316日目

2023-01-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月4日。ベラルーシは暖冬が続いています。

 ロシア国防省は今日、先月31日にドネツク州マキイウカのロシア軍の建物が受けたウクライナ軍の攻撃で、死者が89人に増えたと明らかにしました。
 どうしてこのような続報をニュースで流すのでしょう。
 ロシア軍に被害がますます増えました、と報道すると、ロシア軍は弱いと自ら言っているようにも思えます。
 一方で、ウクライナ軍は非道だという宣伝をしたいのかもしれません。だから、ウクライナと戦ってもいいし、徹底的に攻撃しても許されるという流れになりますね。
 
 この宿舎代わりの職業訓練学校の隣に弾薬保管庫があったため、それに引火。大規模爆発が起こったそうです。
 そんな場所に数百人(ウクライナ軍の情報によれば700人以上?)寝泊まりしているところへ、規則違反の携帯電話使用で、兵士が故郷の家族に新年おめでとうと電話したところ、電波を探知されてウクライナ軍の精密誘導攻撃を受けたとロシア国防省が説明しています。こうして攻撃対象が確定され、狙い撃ちされたようです。
 この明けましておめでとうコールは絶対あると確信して、ウクライナ軍は電波を探知しようと待ち構えていたことは明白です。
 
 ここへ集められたのはサマラ州とサラトフ州から動員された兵士が多かったそうです。その後、連絡がつかなくなったことを不審に思った兵士家族が、1月2日にサラトフ州知事に真相を明かすよう要求。ウクライナ側はすでに戦果を報道していましたし。
 さらにサマラ州知事が現地メディアで発表した声明では、SNS上にデマが流れている(ウクライナ軍がロシアへの攻撃に成功したという発表)としつつも、ロシア兵負傷者への治療に包括的な支援を約束したことから、かなりの被害が出たことがはっきり分かったという流れです。
 ウクライナ側は、攻撃して400人死亡、300人負傷と発表していましたが、遅れてロシア側は63人死亡と発表。そして今日になって89人死亡と訂正、また多数が瓦礫の下敷きになって行方不明になっていることもロシア側は明らかにしています。
 数百人規模の死傷者になるのを隠しきれないと観念して、死者数の追加発表をしたのかもしれません。
 しかし、これは非常にダメージです。イメージダウンにもつながるし、士気にも影響します。


 ロシアー通信によるとウクライナで戦死したロシア軍の未亡人で構成された市民団体が、テレグラムを通じて、
「大統領にロシア全域に大規模動員令を宣布することを要請する。」
と明らかにしました。
 どうしてこんなことを戦争未亡人が大統領に頼むのでしょう。
 この団体は、
「国軍統帥権者であるプーチン大統領は戦時動員が可能な若い男性の海外出国を禁止しなければならない」とし「彼らを守るためにわが夫たちが死んだが、彼らまで逃げたら私たちは誰が守ってくれるのか。」と訴えています。
 若い世代の男性を守るために私の夫(世代の男性)が死んだから、今度は順番で若い世代の男性がみんな動員されるように海外出国を禁止せよとロシアの(あまり若くない世代と推察される)女性たちが大統領に頼んでいるのです。
 今度はこの女性たちの子どもや孫世代の男性がどこへも逃げられず、動員され、学校校舎を俄作りの軍宿舎にしたものへ詰め込まれ、自分のお金で持参した寝袋や防寒具で教室や廊下の硬い床に直に寝ているところへ攻撃されて、死ぬんですね。
 軍上層部からは、「だから規則で携帯使っちゃだめと言ってたのに。使った兵士が悪い。」と言われます。つまり軍上層部の責任ではないのです。

 
 この戦争未亡人団体の発言ですが、何となく、誰かに言わされているように思えます。
「戦争未亡人の方々もこう大統領に『要請』しているのだから、やっぱり再動員令を出してもいいだろう。」
「ロシア軍にも予想以上に被害が出ていることを報道しておく。前線では人員不足であることが国民の皆さんもよく分かっただろう。だからまた動員を始める。」
と言いたいのでえ、その根拠にするためにわざとこのような団体に言わせているのではないかと勘ぐってしまいます。
 噂では明日またロシアで動員令が出るそうなので、このタイミングなのかなと思います。
 


 ロシア国営宇宙企業ロスコスモスのドミトリー・ロゴジン氏が、ドネツクのレストランで誕生日を祝っていたところ、砲撃を受け、重傷で入院していますが、体から摘出された砲弾の破片がフランスの155ミリ自走榴弾砲カエサルの砲弾だったことを知り、その破片を封筒に入れて在モスクワ仏大使館に送付。
 在モスクワ仏大使宛の書簡には、この砲弾片をマクロン大統領に届けるよう依頼しており、さらに、
「戦争犯罪の責任からは誰も逃れられないと伝えてほしい。」
と記したことを自身のテレグラムで明らかにしました。こんなことを外国製の武器で負傷した人が同じようにしたら、世の中どうなるでしょう。戦争犯罪の責任について書いていますが、ウクライナで死んだ人に対する戦争犯罪についても同じ立場であってほしいですね。
 

 ラトビアのリガにあるロシア大使館宛に内容物不明の小包が届いたと、リガ警察に通報がありました。
 通報があったのは、今日の午後1時45分(現地時間)。警察がロシア大使館に赴いたものの、問題の小包の詳細はその後(今日中)伝えられていません。

2023年1月3日。ウクライナ侵攻から315日目

2023-01-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月3日。
 ベラルーシは今日が仕事初めです。
 もう雪がほとんど溶けた道を歩いて出勤。午後から強風。夜から雨・・・。
 春が来たようです。しかし7日のクリスマスの天気予報はマイナス11度です。また冬が来るようですね。
 
 軍用輸送機イリューシン76、2機がベラルーシでオークションにかけられ、売却されました。
 不思議なのはこの2機は、故障中でエンジンがない(修理のため取り外された?)状態で、オークションにかけられることに去年決定し、その後なかなかオークションが始まらず、年が明けてからやっと落札されたそうです。
 誰が(どの企業が?)どの値段で落札したのか公表されていません。軍用輸送機ですよ。しかもエンジンなし。


 日本は急に円高になったそうですが、ベラルーシは今日、ドル安ロシアルーブル高になりました。
 また金の値段が上がっています。国が金など貴金属を集めているようです。
 ベラルーシ・ルーブルに対する信用が薄くなったことの現れでは?と思っています。
 
 
 ベラルーシは石油や石油製品を輸出する際の関税を大幅に引き下げました。石油製品の種類にもよりますが、およそ3分の1です。そして、それらを輸出する先は、ロシア、さらに第三国(友好国)にロシアの港を通じて輸出します。

2023年1月2日。ウクライナ侵攻から314日目

2023-01-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月2日。
 ベラルーシは1月1日と2日が公休です。
 でも商業施設は営業しています。
 今日は新年早々、ベラルーシのガソリンスタンドや商業施設でのカード払いがシステムの不具合によりできなくなりました。
 全ての店舗ではありませんが、車で実家へ帰省していた人が明日の仕事初めに合わせて今日、帰宅するパターンが多いと思うのですが、ガソリンスタンドに入ったら、現金払いしかできず、しかも手持ちに現金がなかったら、とても不便ですよね。
 ベラルーシは7日が正教のクリスマスなので、今度はそれに向けての買い物をする人も今の時期、多いので、カード払いができないのは不便です。
 徐々に問題は解消しつつあると夕方のニュースで報道されていました。


 ベラルーシ軍もこの二日間は休日でした。ただし、ベラルーシ領内で駐留しているロシア軍は休みなし。


 ベラルーシ北部のポーロツク市中心にある自由広場に立てられていた巨大クリスマスツリーが強風のため、1月1日に根本から倒れました。今日、壊れた飾りを取り外し、ツリーを立て直しました。


 ウクライナ当局によると、ハイマースによる攻撃で、ドネツクのマケエフカにある職業訓練校に居たロシア兵約400人が死亡しました。ロシア当局は爆発で死亡したのは自軍の63名だけだと主張しています。
 職業訓練校をロシア兵の宿泊施設代わりにしていたと思われます。
 ロシア側の発表ではハイマースから発射されたミサイルは6発。そのうち2発は迎撃したということです。


 オーストリアとインドがロシアとウクライナの和平交渉を開始するよう求めました。
 外相レベルで和平交渉を手助けする用意があるそうです。具体的にはウクライナが和平交渉のテーブルに就くよう、交渉することだそうですが、何だかウクライナが頑なにそっぽを向いているのをなだめる役を引き受けましょうと言っているように聞こえます。
 ロシア側も、ウクライナ側が交渉のテーブルにつこうとしないから、こちらの責任ではないと大統領が言っているし・・・。
 ウクライナ側は今のロシア大統領とは話なんかしたくないと言い切っています。オーストリアとインドが何とか和平交渉までの道筋をつけてくれるといいのですが。日本もこういう役割を世界の中で担ってほしいと思います。国の周辺に危険な国がたくさんあるので。でも日本の政治家に外交能力が乏しいので、国際社会でこのような役割をこなすのは難しいんでしょうか。

 
 

2023年1月1日。ウクライナ侵攻から313日目

2023-01-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月1日。
 天気予報通りミンスクは気温が11度に上がり、雪がどんどんとけています。

 ロシアは新年明けてすぐの花火の打ち上げを今年は中止しましたが、ベラルーシでは平年通り、しかも自分で花火を買ってきて庭で打ち上げる人も大勢いて、夜の3時頃まで我が家の近所で花火を上げる人がいて、うるさくて眠れなかったです。
 今年はどうも花火の音が砲撃の音にも思えて楽しめなかったです。

 キーウは1日午前0時の年越しとほぼ同時に砲撃が始まりました。
 市当局によると、ミサイル、ドローンなど計32発の「飛来物」を軍が迎撃したものの、市中心部や南部で爆発音が響き、迎撃されたミサイルやドローンの破片が住宅や駐車中の車を直撃しました。
 未明の空襲警報は約4時間にわたって続きましたが、幸いけが人はいなかったそうです。
 予想はしていたけれど、やはり新年早々攻撃してきましたね。

 
 ロシア大統領が12月31日、侵攻したウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州に近いロシア南部ロストフナドヌーの南部軍管区司令部を訪問し、
「前進あるのみだ。」
と述べて軍関係者を激励するようすがロシア国営テレビで放映されました。
 ロシア国防相も12月31日、
「新年が必ずやってくるように、わが軍の勝利も必定だ。」
と述べました。


 紅白歌合戦に出ていた藤井風さんの楽曲「死ぬのがいいわ」が、23カ国の音楽チャートで1位を獲得したそうですが、その23カ国の中にベラルーシが入っていて嬉しかったです。