ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年1月4日。ウクライナ侵攻から316日目

2023-01-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月4日。ベラルーシは暖冬が続いています。

 ロシア国防省は今日、先月31日にドネツク州マキイウカのロシア軍の建物が受けたウクライナ軍の攻撃で、死者が89人に増えたと明らかにしました。
 どうしてこのような続報をニュースで流すのでしょう。
 ロシア軍に被害がますます増えました、と報道すると、ロシア軍は弱いと自ら言っているようにも思えます。
 一方で、ウクライナ軍は非道だという宣伝をしたいのかもしれません。だから、ウクライナと戦ってもいいし、徹底的に攻撃しても許されるという流れになりますね。
 
 この宿舎代わりの職業訓練学校の隣に弾薬保管庫があったため、それに引火。大規模爆発が起こったそうです。
 そんな場所に数百人(ウクライナ軍の情報によれば700人以上?)寝泊まりしているところへ、規則違反の携帯電話使用で、兵士が故郷の家族に新年おめでとうと電話したところ、電波を探知されてウクライナ軍の精密誘導攻撃を受けたとロシア国防省が説明しています。こうして攻撃対象が確定され、狙い撃ちされたようです。
 この明けましておめでとうコールは絶対あると確信して、ウクライナ軍は電波を探知しようと待ち構えていたことは明白です。
 
 ここへ集められたのはサマラ州とサラトフ州から動員された兵士が多かったそうです。その後、連絡がつかなくなったことを不審に思った兵士家族が、1月2日にサラトフ州知事に真相を明かすよう要求。ウクライナ側はすでに戦果を報道していましたし。
 さらにサマラ州知事が現地メディアで発表した声明では、SNS上にデマが流れている(ウクライナ軍がロシアへの攻撃に成功したという発表)としつつも、ロシア兵負傷者への治療に包括的な支援を約束したことから、かなりの被害が出たことがはっきり分かったという流れです。
 ウクライナ側は、攻撃して400人死亡、300人負傷と発表していましたが、遅れてロシア側は63人死亡と発表。そして今日になって89人死亡と訂正、また多数が瓦礫の下敷きになって行方不明になっていることもロシア側は明らかにしています。
 数百人規模の死傷者になるのを隠しきれないと観念して、死者数の追加発表をしたのかもしれません。
 しかし、これは非常にダメージです。イメージダウンにもつながるし、士気にも影響します。


 ロシアー通信によるとウクライナで戦死したロシア軍の未亡人で構成された市民団体が、テレグラムを通じて、
「大統領にロシア全域に大規模動員令を宣布することを要請する。」
と明らかにしました。
 どうしてこんなことを戦争未亡人が大統領に頼むのでしょう。
 この団体は、
「国軍統帥権者であるプーチン大統領は戦時動員が可能な若い男性の海外出国を禁止しなければならない」とし「彼らを守るためにわが夫たちが死んだが、彼らまで逃げたら私たちは誰が守ってくれるのか。」と訴えています。
 若い世代の男性を守るために私の夫(世代の男性)が死んだから、今度は順番で若い世代の男性がみんな動員されるように海外出国を禁止せよとロシアの(あまり若くない世代と推察される)女性たちが大統領に頼んでいるのです。
 今度はこの女性たちの子どもや孫世代の男性がどこへも逃げられず、動員され、学校校舎を俄作りの軍宿舎にしたものへ詰め込まれ、自分のお金で持参した寝袋や防寒具で教室や廊下の硬い床に直に寝ているところへ攻撃されて、死ぬんですね。
 軍上層部からは、「だから規則で携帯使っちゃだめと言ってたのに。使った兵士が悪い。」と言われます。つまり軍上層部の責任ではないのです。

 
 この戦争未亡人団体の発言ですが、何となく、誰かに言わされているように思えます。
「戦争未亡人の方々もこう大統領に『要請』しているのだから、やっぱり再動員令を出してもいいだろう。」
「ロシア軍にも予想以上に被害が出ていることを報道しておく。前線では人員不足であることが国民の皆さんもよく分かっただろう。だからまた動員を始める。」
と言いたいのでえ、その根拠にするためにわざとこのような団体に言わせているのではないかと勘ぐってしまいます。
 噂では明日またロシアで動員令が出るそうなので、このタイミングなのかなと思います。
 


 ロシア国営宇宙企業ロスコスモスのドミトリー・ロゴジン氏が、ドネツクのレストランで誕生日を祝っていたところ、砲撃を受け、重傷で入院していますが、体から摘出された砲弾の破片がフランスの155ミリ自走榴弾砲カエサルの砲弾だったことを知り、その破片を封筒に入れて在モスクワ仏大使館に送付。
 在モスクワ仏大使宛の書簡には、この砲弾片をマクロン大統領に届けるよう依頼しており、さらに、
「戦争犯罪の責任からは誰も逃れられないと伝えてほしい。」
と記したことを自身のテレグラムで明らかにしました。こんなことを外国製の武器で負傷した人が同じようにしたら、世の中どうなるでしょう。戦争犯罪の責任について書いていますが、ウクライナで死んだ人に対する戦争犯罪についても同じ立場であってほしいですね。
 

 ラトビアのリガにあるロシア大使館宛に内容物不明の小包が届いたと、リガ警察に通報がありました。
 通報があったのは、今日の午後1時45分(現地時間)。警察がロシア大使館に赴いたものの、問題の小包の詳細はその後(今日中)伝えられていません。