ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第225回」

2018-05-22 |   ビタペクト配布活動
 5月22日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第225回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はセルロースを10個と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを2部渡しました。  
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2614個、セルロースの合計は131個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2186部となりました。
 今回で通算241回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2614人の子どもにビタペクトを、約123人の子どもにセルロースを、2186家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります。

(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)


http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

 今回もビタペクトではなくセルロースを渡しました。

今回は2家族がミンスク(チェルノブイリ原発から約 350キロ)から保養に来ていました。


(家族A)

 お母さんが7人の子どもを引率していました。この家族には 6個のセルロースを渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにセルロースを1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時7歳)25ベクレル
長男(14歳) 30ベクレル ○
長女(12歳) 38ベクレル ○
次女(10歳) 39ベクレル ○
三女 (8歳) 35ベクレル ○
四女 (5歳) 41ベクレル ○ 
五女 (1歳) 41ベクレル 
姪 (13歳) 25ベクレル ○

 子どもたちの健康状態について話を伺いましたが、特に持病などはないそうです。
 やはりチェルノブイリ原発から遠く離れたミンスクに住んでいて、ふだん放射能を意識せず暮らしていたところ、WBCで測定する機会に恵まれ、喜んだのもつかの間、こんな数値が出ると思っていなかったようで、びっくりしていました。
 お母さんは、
「我が家の子どもは牛乳をたくさん飲んでいるから? そう言えば毎年ナラチ湖のそばの森で採れたベリーをたくさん買って食べているけど、それのせい?」
と急にあれこれ思い出していましたが、食品そのものの測定をしないことにははっきりしたことは分かりません。
 ナラチ湖はベラルーシで一番大きい湖ですが、周囲は保養地でもあり放射能汚染地域ではありません。 念のため、今年ベリーの季節になったら、測定をすることを勧めました。
 ふだんミンスクで暮らしているので、市場に行けば、安くで測定してくれますから便利です。 


(家族B)

お母さんが6人の子どもを引率していました。この家族には4個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時7歳)18ベクレル
長女(16歳) 19ベクレル ○
次女(15歳) 17ベクレル 
長男(12歳) 13ベクレル
三女 (9歳) 24ベクレル ○
四女 (6歳) 30ベクレル ○
五女 (2歳) 37ベクレル ○ 

 お母さんにお話を伺いましたが、子ども達は健康とのことでした。
 この一家のお母さんの実家はミンスクから10キロほど郊外のところにある村で、そこで作られた野菜をもらっては、食べているそうです。
 この村は汚染地域ではありませんので、その野菜のせいで内部被爆したのかどうかと言うと、やはり測定しなければ何とも言えません。

 画像は記念撮影したものです。子どもたちには折り紙や折り鶴、5円玉のお守り、日本のシール、子どもたちの名前を書いた色紙などをプレゼントしました。

 すごく日本語に興味を示していて、「日本語を勉強したい。」「漢字が書けるようになりたい。」と言っていたので、びっくりしました。
 将来有望かもしれません。
 昔のベラルーシ人の子どもは「えーこれ難しい。漢字を覚えるなんて無理。」と言う子どもがほとんどでしたが、21世紀生まれのベラルーシ人は、逆に「日本語勉強したい。」と言うチャレンジャーがほとんどです。
 将来が楽しみですね。
 
 今回のセルロースの購入費には、CD「月と日」の売り上げを使いました。
 最後になりましたが、折り紙など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 べラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。 


世界で一冊の手作り本コンテストで優勝した新美南吉童話集 3

2018-05-16 |   新美南吉
 この画像は「去年の木」の挿絵です。
 シシロさんは「広重の浮世絵を参考にした。」と話していましたが、やはりベラルーシ人の中にある日本の美しいイメージが表現されているように感じます。

 世界で1冊しかない手作り絵本なので、多くの読者に読んでもらえる本ではありませんが、一人のベラルーシ人の心が新美南吉の文学によって動かされ、こんな作品が生まれたこと、とてもうれしく思います。
 新美南吉童話をロシア語に翻訳して本当によかったです。

世界で一冊の手作り本コンテストで優勝した新美南吉童話集 2

2018-05-16 |   新美南吉
 せっかくなので世界で1冊しかない手作り本、新美南吉童話集「かんざし」の中身もご覧ください。
 このページには新美南吉の紹介がロシア語で書かれています。
 一文字一文字が手書きです。
 一回失敗すると最初から全て書き直ししなくてはいけません。
 シシロさんは、全く失敗しなかったそうですが・・・。私にはまねできないです。

世界で一冊の手作り本コンテストで優勝した新美南吉童話集 1

2018-05-16 |   新美南吉
 5月16日ベラルーシの地方都市ビテプスクへ出張に行ってきました。
 いくつか用事をこなさないといけなかったのですが、そのうちの一つが「世界で一冊の手作り本コンテストで優勝した新美南吉童話集が見たい。」でした。

 昨年ベラルーシは、ベラルーシ語の聖書が初めて印刷されてちょうど500年ということで、各地でさまざまなイベントが開催されていたのですが、その一つ「世界で一冊の手作りの本コンテスト」がビテプスクで開かれました。

 優勝したのはビテプスク市立図書館勤務のデザイナー、オリガ・シシロさんです。
 シシロさんが題材に選んだのが新美南吉の童話集だったのです。ビテプスクには16の市立図書館があるのですが、その中で使われるお知らせのポスター、コーナーのインテリアなどをコーディネートする担当者です。
 だから器用なんですね。
 チロ基金は2016年にビテプスクの図書館に新美南吉ロシア語訳童話集「ごん狐」を寄贈しましたが、シシロさんは司書から勧められてそれを読んだところ、大変感動したそうです。

 昨年手作りの本コンテストの募集が始まったとき、シシロさんは「でんでんむしのかなしみ」「去年の木」「カンザシ」の三話を選んで、自ら挿絵を描き、文章も全て手書きで、製本ももちろん全て一人で作って、応募したそうです。

 全部で10ページですが絵も文章も手書きの一点ものなので、大量生産された本とは全くちがって、美術作品に見えます。

 この作品は一点ものなので、ミンスクに住んでいる私はこれまで目にする機会がなかったのですが、今回ビテプスク市立中央図書館で保管されているのをようやく見ることができました。感激です。

 シシロさんにもお話をうかがいましたが、この3作品を選んだのは、 手書きの本のため、短い話の中から好きなものを選んだそうです。この中でも特に「でんでんむしのかなしみ」が好きな話だそうで、
「この話を読んだとき感動しました。今までの自分の人生を振り返るきっかけとなった作品です。」
とシシロさんは私に話してくれました。

 画像は自分の作品を手にしたシシロさんです。