ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年1月24日。ウクライナ侵攻から336日目

2023-01-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年1月24日。
 今日は雨も雪も降らず、ミンスクはすでに晩冬のような景色が広がっています。日本のほうが大雪で寒そうです。

 ベラルーシ大統領は今日、ロシアの侵攻を受ける隣国ウクライナから互いに領土を侵さないことを約束する不可侵条約締結の提案があったと述べました。詳細は不明。
 同大統領は「なぜそうした提案をウクライナがしたのか理解できない。」と懐疑的。どのように回答したのかどうかもはっきりしません。
 そして、ウクライナに対して
「ウクライナ領土に軍を送るなと言いながら、他方でベラルーシの過激派を武装させている。」
と批判もしています。
 ポーランドとリトアニアについては「狂ってしまった」そうなので、ベラルーシとしては厳しく対応せざるをえないとしています。


 ロシア大統領報道官も今日、不可侵条約締結の提案について「何の情報も持っておらずコメントできない」としています。

 ロシア外相は訪問先の南アフリカで「ウクライナで起きているのはハイブリッド戦争ではなくもはや本物の戦争だ。欧米はロシアの全てを破壊しようとしている」と主張、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米を強くけん制しました。戦争という言葉はもう堂々と使っていいのですね。 


 ベラルーシ国防省報道官はスロニムにある長期保管庫から装備の取り出しを開始したと発表しました。倉庫に入れていた武器をいよいよ表に取り出しています。


 ベラルーシ大統領が署名したので、今年2月から5月の間に徴兵が始まることになりました。年齢が18歳から27歳までが対象です。去年の秋の徴兵後、18歳になった男性に徴兵義務の呼び出しがありそうです。最も延期できる権利もあるので、そのような条件下(学生である。結婚して子どもがいるなど)にある場合は徴兵されません。


 ドイツ有力誌シュピーゲル電子版は今日、ショルツ首相がロシアの侵攻を受けるウクライナへのドイツ製主力戦車レオパルト2の供与を決めたと報じました。当然ポーランドなど保有国による供与も認められます。とうとうドイツも決めましたね。

 82歳のデヴィ夫人が22日にウクライナ入りし、23日、ウクライナの首都キーウや民間人虐殺があった近郊ブチャの病院などを訪れ、国内避難民へ防寒着やおむつなど支援物資を届けました。
「(市民らは)暖房もなく電話も通じにくい厳しい状況です。日本はもっと積極的に支援しなければと思います」
と取材で語りました。
 ただのお金持ちではないですね。今はタレント扱いで紹介されていますが、元インドネシア大統領夫人としての人脈を活用して、自分にできることはしようと思ったことの表れだと思います。
 虐殺のあった教会などを自分の目で見たそうですが、どのように思われたのか話を聞いてみたいです。
 日本政府はデヴィ夫人に対して退避を呼びかけました。影響力が強い人ですから、真似をする日本人が増えても危険ですし、ウクライナ情勢は流動的ですから、当然ですよね。しかし日本のウクライナ大使館はデヴィ夫人の行動力、支援に大変感謝しています。
 

東京新聞社説 新美南吉 拾った「らっぱ」の使い道

2023-01-24 |   新美南吉
 一昨日の東京新聞社説「拾った『らっぱ』の使い道」で新美南吉文学と戦争との関わりについて書かれています。
 ネット上で読めますので、ぜひ御覧ください。リンク先はこちらです。

 今から110年前に生まれ、第二次世界大戦中に亡くなった作家で、学校の教師もしていたわけですから、戦争については言いたいこと、表現したいことが数多くあったと思います。
 新美南吉の日記などには、教育現場にも戦時色が濃くなってくると、戦争反対の教師は立場が悪くなってきたり、心の中で反発しつつも、反戦の姿勢を表すために着なかった国民服をとうとう着ざるをえなくなってきたり、仕方なく、お国のために・・・と言った言葉を生徒にかけたりしたことが書かれていて、心の中が非常に揺れていることが感じられます。
 新美南吉は学校で英語の授業も担当していたので、戦中、英語の授業がなくなってしまったことにも大いに不満を感じていたでしょう。
 そばで戦争が起こり、今、同じような気持ちになっています。でも、ベラルーシはよっぽどましな情勢なので、何とか自分ができることは続けていこうと思っています。
 
 
 
 

新美南吉童話感想画展2023 ミンスク市立中央児童図書館 2

2023-01-24 |   新美南吉
 ハーモニー絵画教室の生徒の皆さんが自分の描いた絵を見に来てくれました。
 しかし、絵より本を読もうとする子どもが多かったです。絵を描くのも好きだし、本を読むのも好きな子どもばかり来たのだろうかと思ったぐらいです。
 
 ベラルーシ人向け日本文化情報センターブログでも絵画展についてお知らせしています。リンク先はこちらです。

 会場であるミンスク市立中央児童図書館のサイトでも紹介しています。リンク先はこちらです。


 新美南吉生誕100年だった2013年に翻訳プロジェクトを少しずつ進めて、もう10年なんですね。感慨深いです。
 10年前にベラルーシでまいた小さい種があちこちで育って花が咲いたような気持ちでいます。




 

新美南吉童話感想絵画展2023 ミンスク市立中央児童図書館 1

2023-01-24 |   新美南吉
 今年、生誕110年を迎える作家、新美南吉を読んでその感想画を描いてくれたハーモニー絵画教室のみなさん。
 ロシア語訳作品集「ごんぎつね」をチロ基金が出版したときも感想画を描いてくれましたが、その後も日本のお話をテーマにした絵を描くことを授業で取り入れているそうです。
 ハーモニー絵画教室のエレーナ・ブラト先生のご指導のおかげで、また南吉童話、そして詩「明日」をテーマにした作品ができたので、寄贈してくださいました。
 ただ、今回の展示は日本の昔話もテーマの一つに加えたので、いろんな絵が混ざっています。展示会の名称も翻訳すると「日本のお話の知恵」というまじめなものです。ブラト先生が提案したのですが、とにかく日本のお話を読むと、賢くなれる、考える力がつくといった教育効果があるように思われているようです。
 
 作品を現在ミンスク市立中央児童図書館3階貸し出しコーナーで展示しています。
 書架の上に立てているので、小さい子どもには少々見づらいのですが、本を借りに来るついでに目に入るので、多くの来館者に見てもらえる可能性が高いです。