ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

日本文化情報センターの活動 剣道体験会 第5回 その6

2013-06-20 | 日本文化情報センター
 ミンスク剣道クラブのマーシャさんとリタさんもありがとうございました。
 
 さて、今回初めて屋外で剣道体験会を行ったのですが、場所が広々としてよかった反面、剣道クラブのみなさんからはいまいち不評でした。
 剣道を心から愛する皆さんからすると、もう少し詳しい剣道の紹介をしたかったのですが、広すぎて、声がうまく届かなかったり、いつも使っているビデオ資料が使えなかったり、草の上で靴をはいてでは足運びがスムーズにいかなかった・・・などがその理由です。
 というわけで、次回からはまた図書館内で体験会を行います。
 (もっとも、夏以外は寒くて、外ではできないベラルーシです。)
 でも子供たちのほうは、楽しい夏休みの思い出ができたと思います。(^^)

日本文化情報センターの活動 剣道体験会 第5回 その5

2013-06-20 | 日本文化情報センター
 ミンスク剣道クラブのセルゲイさん、ありがとうございました。

日本文化情報センターの活動 剣道体験会 第5回 その4

2013-06-20 | 日本文化情報センター
 70人いる子どものほぼ全員が竹刀を握りたがりましたので、大変でしたが、夏休みよい汗をかくことができました。
 なぜか竹刀を振った後、泣いている女の子がいて、どうしたんだろうと思ったら「怖かったー」と言っていました。
 (剣士をダーズベイダーか何かと間違えてない?)

日本文化情報センターの活動 剣道体験会 第5回 その3

2013-06-20 | 日本文化情報センター
 説明を聞いた後、「ではやってみたい人!」と言うと、このように「はい!」「はい!」と手を挙げる子ども達。
 いつものようにわやくちゃな状態に・・・。(^^;)

日本文化情報センターの活動 剣道体験会 第5回 その2

2013-06-20 | 日本文化情報センター
 青空の下、緑の木々に囲まれての剣道です。
 今回はミンスク剣道クラブのマーシャさん、リタさん、セルゲイさんが模範演技を見せてくれました。
 さすがに無理なので靴をはいていますが、剣道はふつう裸足でするものだとちゃんと説明しました。

日本文化情報センターの活動 剣道体験会 第5回 その1

2013-06-20 | 日本文化情報センター
 2013年6月20日、第5回目の剣道体験会となりました。
 今回は夏休みに入り(ベラルーシの学校は6月1日から8月31日まで3ヶ月も夏休みがあるのです。)しかも天気がいいので、屋外で実施することになりました。
 
 紹介してくれたのはミンスク市内にある剣道愛好家クラブの皆さん。
このクラブ「ミンスク剣道クラブ」のサイトはこちらです。(ただしロシア語のみです。)

 今回は約70人の子どもたちが参加しましたが、多すぎてとても図書館の中ではできず、向かいにある「石の博物館」に飛び出しました。博物館といっても、公園のような場所です。
 
 天気が悪くて大雨になったらどうしよう、と心配していましたが、いいお天気になってよかったです!

2012年3月に第1回剣道体験会を実施しました。詳しくはこちらをご覧ください。

2012年6月に第2回剣道体験会を実施しました。詳しくはこちらをご覧ください。

2012年11月に第3回剣道体験会を実施しました。詳しくはこちらをご覧ください。

2013年3月に第4回剣道体験会を実施しました。詳しくはこちらをご覧ください。

ベラルーシのバレエとオペラ 8

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 言葉が分からなくても楽しめるバレエがやはりお勧めですが、オペラも好きな人はぜひ。
 大改装をした国立オペラバレエ劇場は、舞台の下部に細長い電光掲示板を取り付けて、歌詞そのもの、さらに翻訳(ロシア語の作品の場合英訳)の両方が表示されます。
 でも、ときどき表示が歌とずれていたりする。(^^;)さらには歌詞そのものとその翻訳の文章の長さが全然違っていたりする。(^^;)

「私はオペラの○○という作品が大好きで、世界のあちこちの国で必ずこの作品を聞いている。ベラルーシでもぜひ聞きたい。」
というリクエストがある人の場合はいいのですが、
「ベラルーシでオペラ? どれを選んだらいいのか分からない。」
という人には、せっかくなのでロシア語のオペラをお勧めします。
(イタリア語のオペラならイタリアで聞くほうがいい・・・と思うので。)

 とても珍しいですが、ベラルーシ人によるベラルーシのベラルーシ語のオペラ作品もあります。(「スタフ王の野蛮な狩」です。映画でもありますよね。)でもあまり上演してくれない・・・。
 ベラルーシ語のオペラはベラルーシ以外の国では上演してくれないので、機会に恵まれましたら、お見逃しなく。ベラルーシの貴重な思い出になります。

 ちなみにベラルーシ人によるベラルーシのバレエもあります。「ログネダ」というバレエですが、これもベラルーシ中世時代にほんとうにあったこと、人物が出てきます。
 ベラルーシ人が見るとすごく感動するらしく、涙を流す人もいるほど。
 当然このバレエを上演しているのは世界でもベラルーシ国立オペラ・バレエ劇場だけです。 

 さて、私のお勧めは(ベラルーシのオペラ、全部聞いたわけではありませんが。)ロシア語のオペラ「イーゴリ公」です。
(アレクサンドル・ボロジン作曲。ただし作曲の途中で死去したため、リムスキー・コルサコフとグラズノフが加筆しています。)
 「イーゴリ公」は「イーゴリ軍記」を題材にしています。

 前半はロシア(正しくはルーシで、今のウクライナ)が舞台になっていますが、ロシアのお話の世界がそのまま出てきたよう!
 後半はポロヴェツ人(トルコ系民族)の陣営が舞台になっていて、またまた東洋の世界。
(バレエと同じくヨーロッパで生まれたオペラですが、意外と東洋が出てきますねえ。マダム・バタフライは日本が舞台だし。)

 後半はオペラのほかバレエのシーン(「韃靼人の踊り」)も多いので、「イーゴリ公」を見れば、ベラルーシのオペラとバレエと一度に両方見ることができます。なのでお勧めします。
 ちなみにベラルーシ国立オペラバレエ劇場では、「イーゴリ公」のバレエシーンの振り付けは、バレエ・リュッス版(ミハイル・フォーキン版)です。
 とにかくすごい迫力。

 他にもこの劇場では、一幕のオペラの作品と一幕のバレエの作品を連続して上演することもあるので、そうすると一度にバレエとオペラを堪能できます。
 また子ども向けプログラムもあります。(バレエで「3匹のこぶた」があるんだけど、どんな感じ??? 見たことないです。)
 それから前衛的なモダンバレエや現代が舞台のオペラ作品もあります。

 画像は「イーゴリ公」のカーテンコールのときに写したもの。真ん中に写っているのがイーゴリ公です。
 合唱団の声がとってもきれいでした。
 (イーゴリ公って主役で、軍記物が下地になっている話なのに、すぐ捕虜になってしまったりして、ほとんどいいところがなくて、ひたすら苦悩している。その苦悩を歌にしないといけないんだなーと思いました。)

 「イーゴリ公」を見るのは2回目なのですが、実は全く行く予定をしていなかったのに、突然、主人が所属している身体障害者協会から電話があって、
「明後日『イーゴリ公』見に行きませんか?」
と言われ、そのため1人たったの200円で見ることができました。席もけっこう前のほうで正規の値段の8割引ぐらいでした。
 他にも多子家庭協会の人も来ていました。
 さすが、国立の劇場。
 そもそも自国民のための自国の文化としてこのような劇場をつくったという歴史があるため、こういうことがベラルーシでは起こります。
 日本も歌舞伎とかお能とか「敷居が高い。」「チケット高そう。」「お金持ちの趣味。」のように、庶民的でなくなってしまった芸術分野があると思うのですが、そうすると発展や成長がとどまってしまうような気がするんですよね。
 ベラルーシはまだまだ庶民のためのバレエとオペラという芸術が生きていると思います。
 

ベラルーシのバレエとオペラ 7

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 レオン・ミンクス作曲「ラ・バヤデール」(ロシア語では「バヤデルカ」)を見に行きました。(これ見るのは2回目。)

 この有名な作曲家のおかげで、「ベラルーシ共和国の首都はミンスクです。」と言ってもしょっちゅう「ミンクス」と間違えられます。(^^;)
 日本外務省発行のパンフレットでも「ミンクス」にされたことがあるぐらいです。
 みなさん、ベラルーシの首都は、ミンスクですよー。

 これはインドが舞台のお話。しかし3幕目の世界はインドらしくなく、白鳥の湖のような衣装になっています。(画像参照。)
 それにしても、インドとかアラビアとかグルジアとか、意外と東洋が舞台になっている作品があるんですね。
 これもヨーロッパの人からすると憧れの世界だからでしょうか。
 振り付けなどは、ヨーロッパの人が考える「インドっぽい」踊りに、バレエの要素を混ぜているので、純粋にバレエの動きでもなく、本物のインド民族舞踊でもない不思議なバレエが見られます。
 これをどっちつかずでないからだめだ、と思いながら見るのか、ここだけでしか見られない世界なのだと思って見るのか、それは見る側次第だと思います。

 ちなみに画像に写っているバレリーナは、オリガ・ガイコ。今ベラルーシで一番のバレリーナと言えば、この人だと思います。(私は10年ぐらいファンなのですが。)
 ベラルーシのバレエダンサーは35歳で定年退職です。ということはあと数年でオリガ・ガイコの姿も見られなくなってしまうのか・・・。(涙)

 でも、35歳になったとたん全員すっぱり劇場を去るわけではなく、年をとっても(と言ってもまだ若いけど)できる役、王妃様や王様の役などをする人も多いです。

  

ベラルーシのバレエとオペラ 6

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 この間運よく2階のボックス席に座ることができました。
 ボックス席はこの劇場で値段が一番高い席です。個室なので、席の後ろにはボックス席の人用のソファーとテーブルがあって、お金持ちな人はこの席を買い占めて、ソファーに座りながら幕間にシャンパンを飲むわけですね。
 イギリスではオペラを聞きながら、普通の席でシャンパンやワインを飲んだりしていいことになっているそうですが、(本当?)ベラルーシの劇場では客席では基本的に飲食禁止です。

 さてそのボックス席から見てみたオーケストラピットです。
 よく見えますねー。
 ベラルーシ国立オペラバレエ劇場は生演奏の音楽もぜひお聞きください。

 ちなみにボックス席から観劇した感想ですが、舞台に近くてよく見える! ・・・けどボックス席の足元のほう、(例えば舞台左側の2階のボックス席からだと、舞台の左側で)踊っているようすはかえって見えません。
 舞台の全体のようすが見たい人にはいま一つの席です。貴賓席に座れた気分は味わえます。
 それとボックス席からは、舞台の反対側の舞台袖の奥のほうがよく見えます。
 登場を控えたバレリーナが出番を待っていたり、お姫様のかっこうをした人たちに交じってTシャツ姿の舞台装置係の人が「そろそろ幕間だな。」という感じで待っていたり、ダンサーの人が頭に飾りをくっつけていたり、ステージの裏側の世界が見られておもしろかったです。

 

ベラルーシのバレエとオペラ 5

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 これはリムスキー・コルサコフ作曲の「シェヘラザード」です。
 この作品がバレエ・リュスによって上演されたとき、舞台美術を担当したのがレオン・バクストという画家なのですが、この人はベラルーシ出身なのです。
 私はバクストの絵が昔から大好きだったのですが、バレエ・リュスが上演したときの舞台美術をベラルーシ国立オペラアバレエ劇場でそっくり再現することになり、どちらかと言うと、バレエより舞台美術が見たくて行ってきました。

 舞台美術だけではなく、衣装もバクストの絵を元にかなり忠実に再現していました。ベラルーシ国立バレエ劇場の熱意を感じましたよ。

 「シェヘラザード」はアラビアが舞台のお話ですが、一幕のバレエなので、グルジアが舞台の「タマール」(ミリイ・バラキレフ作曲。これもバレエ・リュスによりバレエ化されています。)と合わせての上演でした。こちらもバクストが舞台と衣装を担当。1912年の初演のようすを再現していました。

 バクストのファンの私としては本当に見に行ってよかったです。(でも話の内容は・・・子ども向きではないかも。)(^^;)
 とにかくこれが100年ぐらい前のパリで上演されたのかと思うと・・・パリっ子もびっくり仰天の作品だったと思います。

ベラルーシのバレエとオペラ 4

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 上演中は写真撮影禁止ですが、カーテンコールのときは撮影してもいいので、大急ぎで撮影します。
 これは「白鳥の湖」です。
 「白鳥の湖」見るのは4回目です。(日本では見たことないです。)(^^;)

 さて、ベラルーシでバレリーナになりたい、という場合はどうしたらいいのか、というと、小学4年生(ベラルーシは小学校は4年だけ)を卒業したら、すぐにベラルーシ国立舞踊(バレエ)学校の入学試験の受験申し込みをします。受験科目には算数やロシア語、ベラルーシ語など普通の教科もありますが、当然重きを置かれるのは、運動神経や柔軟性など(そしてスタイルも)の試験です。
 そこで合格すると、入学できて5年間の教育プログラムを受けます。

 このお受験のために4歳からは何かやっておかないと合格しないと言われています。
 しかし、日本にはありがちな「お稽古事」としてのバレエ教室がほとんどありません。(最近、やっと日本みたいに、年齢を問わず、レッスン受けられます、というバレエ教室ができましたが。)
 日本だったら、「お受験用のバレエ教室3歳から受付開始」という教室があるはずなのに、ベラルーシにはないので、普通自分の娘をバレリーナにしたい、と考えている親は、新体操をさせます。(これも私営の教室は多くないです。)
 4歳ぐらいから新体操を習わせて、小学4年卒業後すぐに、バレエ学校を受験し、合格したらそのままバレリーナへの道をまっしぐらになります。

 うちの子も4歳から新体操を習っているので、小学校4年生卒業したときに
「バレエ学校受験してみる?」
ときいてみたものの
「バレエをするより、見るほうがいい。」
とあっさり言われ、新体操のほうを続けています。
 国立バレエ学校を受験するときは子ども本人のほか、両親のスタイルもこっそりチェックされるらしいけど(伝説かも。)本当なら、いくら本人に素質があっても、私とだんなのスタイルで不合格になってますね。(^^;)

 バレエ学校ですが、朝登校するとまずバレエのレッスン。その後普通の中学生(日本の小学5年生から中学3年生)と同じ学習プログラムで勉強します。(普通に数学や国語などです。)
 授業の後はまたレッスン。クラシックバレエのほか、民族舞踊なども習います。また日本の高校にあたる3年間の授業があります。
 バレエの演目によっては子役で初舞台を踏む人もいます。
 地方出身者のためには寮があります。
 こうしてみっちり練習してバレリーナに成長していくわけです。
 
 でも小学4年生を過ぎてから、ある日突然
「私、バレリーナになりたい!」
と思い立った場合はどうなるのでしょう。その場合、バレエ学校の高校1年生から編入できます。しかし私営のバレエ教室がないので、いきなり高校からバレエ学校を受験しようとするのはとても難しいと思います。

 さて10歳11歳ごろからバレエ学校で練習してきて卒業証書をもらえたとしても、みんながみんな国立オペラバレエ劇場に就職できるわけではありません。
 成績優秀な人だけがベラルーシ国内での最高のバレエ劇場に就職できます。
 そうでなかった人は、他にもバレエを演目に入れている他の劇場にバレエダンサーとして就職します。

 国立オペラ・バレエ劇場に就職できたとしても、「国家公務員」の扱いなので、最初のころは月給(ギャラ)がそんなにいいわけでもないそうです。

 さて、ここまでの話はベラルーシ人だった場合の話です。ベラルーシ国立バレエ学校では、外国人の留学を受け入れています。
 多額のレッスン料を払ってくれる外国人留学生は、バレエ学校からすると「よいお客さん」です。でも他の国のバレエ学校(モスクワやロンドンなど)に比べると、ベラルーシのバレエ学校のレッスン料は安く、治安などもベラルーシはいいほうなので、留学生がたくさん来ています。もちろん日本からも大勢来ています。ただ年齢は高校卒業以上の人です。さすがに小学5年生で日本から留学に来る子どもはいません。
 ときどきステージ上で日本人バレエダンサーが踊っているのを見て、「ああ、ベラルーシでがんばっているんだなあ。」と思います。
  
 でも華やかな世界ですが、実際には大変な苦労があるだろうなあ、と思います。
 ベラルーシ人でも、名の知れたバレエダンサーになれるのは一握りですから・・・。

ベラルーシのバレエとオペラ 3

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 我が家ではふだん仕事や勉強や習い事が忙しいので、バレエにはめったと行きません。
 でも学校が夏休みに入って、しかもバレエはまだやっている6月にいつも見に行くようにしています。
 ベラルーシ人の中には「週に1回はオペラかバレエを見に行っています。」と言うつわものもいるのですが、一番安い席だったら、私でもできるかも。(^^;)
 
 画像は国立オペラバレエ劇場の客席内のようすです。改修工事を終えて、とてもきれいになりました。
 ちなみにこの劇場は第二次世界大戦中、ミンスクがドイツ軍の占領下に置かれていたころ、ナチスのミンスクの拠点として総司令本部が置かれていました。当時は劇場の中はどうなっていたんでしょうね?

ベラルーシのバレエとオペラ 2

2013-06-19 | ベラルーシ文化
 バレエを見に来ている人たちは上品な人が多いです。
 でもやっぱり、携帯電話の電源を切っておかない人が2人や3人はいつもいますねー。
 開演前に「携帯電話の電源はお切りください。上演中の写真撮影はしないでください。」というアナウンスが流れます。
 それでも、フラッシュをたいて写真を撮ろうとする人がいます。
 カメラが没収されるわけではないですが、禁止事項なので、日本人の皆さんも注意してください。

 それから服装ですが、特にめかしこまなくても大丈夫です。ばっちりきめているベラルーシ人も多いですが・・・
 ジーパンとかビーチサンダルとかは禁止、というわけではありませんが、目立ちます。
 外国人の場合、
「旅行でベラルーシへ来たばっかりなんです。おしゃれ着はないんです。」
という人もいると思います。外国人が少々場違いな格好をしていても、そのへんはベラルーシ人も理解してくれますので、大丈夫。 
 
 
(画像はバレエ劇場の内部です。中に入るとき、空港のような金属探知機のゲートを通ります。階段を下ると、クローク、トイレがあります。クロークでオペラグラスを貸し出してくれます。有料で200円ぐらい。)
 さらに階段を上がると、ビュッフェがあり、プログラムやオリジナルグッズも売られています。オペラの衣装や小道具もたくさん飾られているので、見ていて楽しいです。
 もう一つ階段を上がると、そこでもプログラムが売られており、バレエにちなんだ人形が飾られています。
 幕間もいろいろ楽しめます。プログラムは演目によっては売り切れるときがありますので、注意。)

ベラルーシのバレエとオペラ 1

2013-06-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 ベラルーシへ旅行などで滞在するとき、バレエを見に行きたい、という人がいます。
 日本で見るより安いし、ベラルーシのバレエのレベルは高いと言われています。

 ベラルーシには国立オペラバレエ劇場があり、毎日ではありませんが、オペラかバレエが上演されています。
 国立オペラバレエ劇場のサイトはこちらです。

 ただし日本人がベラルーシに来やすい7月と8月は上演はありませんので、お気をつけください。
 この間は海外公演に行っていることが多いので、ベラルーシ以外の国でベラルーシのバレエを見ることができます。

 まず値段の話をすると、オペラのほうが値段は安く、チケットも取りやすいです。
 一番安い席は300円以下、一番高い席は5000円ぐらいです。

 バレエは一番安い席は300円ぐらい。一番高い席は8000円ぐらいです。

 バレエは演目にもよりますが、チケット売り場のおばさんから
「チャイコフスキーのバレエは2ヶ月前から予約しないとだめよー。」
と言われたことがあります。
 でも、時期、席の場所によってはそんなに早く予約しなくても空いているときがあります。
 また当日にキャンセルする人が出てくる場合もありますので、短期滞在しかできないから、とあきらめないでください。
 
 でもやっぱり、バレエの場合は前もって席を予約しておくほうが無難です。
 ベラルーシに友達がいたら、早めに予約をお願いしておきましょう。
 あるいは旅行会社を通じて予約しておくといいです。(この場合手数料取られるので割高になりますが・・・。)

 今ネットでバレエだけではなく、音楽のコンサートやサーカスのチケットも予約することができます。
 こちらのサイトをご覧ください。(英語版)

 これで場所を指定して予約ができます。(一度に5枚以上の予約はできないので注意。)
 ただし、予約をした後、24時間以内に支払わないと、予約が解消されてしまいますので、気をつけてください。
 それから追加料金を払うとチケットの宅配もしてくれます。2日以内に持って行きます、ということですが、上演まで時間がない場合はあまり意味がないサービスです。
 このサイトを通じすぐにクレジットカードで支払う場合、チケットを自分でプリンターでプリントアウトできます。(プリントアウトしたチケットを劇場へ持って行く。)
 
 サイト以外にも街中にチケット売り場がありますので、そこでチケットの予約・購入ができます。
 例えばミンスクの中心部だと、マクドナルド1号店のそばの地下連絡通路のところに売り場があります。

 もちろん、劇場そのものの入り口のところにあるチケット売り場で予約・購入もできます。ただ開演直前に行ったら、意外と行列ができていて、始まるまでになかなか買うことができず、いらいらすることもあるかもしれません。

 (画像はベラルーシ国立オペラバレエ劇場。80年の歴史がある劇場ですが、数年前3年かけて大改修工事が行われ、今はピカピカ。
 正面には噴水もそのときつくられました。この画像は終演後撮影したので、噴水が止まっていますが、開演前にはちゃんと水が出ています。噴水の高さは3メートルでベラルーシで一番高い噴水だそうです。動きは地味ですが・・・。
 ちなみに噴水がある場所にはかつて、マクシム・バフダノヴィチの銅像が立っていましたが、改修工事の際に劇場の向かって左側に移動させられました。いまではバフダノヴィチの生家があった場所を向いて立っています。)

  


「手袋を買いに」のロシア語訳について

2013-06-15 |   新美南吉
 新美南吉の作品をロシア語・ベラルーシ語に翻訳したのは世界初なのですか? とよくきかれます。
 ベラルーシ語訳は今回が史上初めてですが、ロシア語の場合、1999年に故三浦みどりさんが「手袋を買いに」を翻訳されています。(ロシアの出版社の雑誌「今日の日本」1999年5月号に掲載されました。)

 なので、日本文化情報センターは2人目ということになります。そのため、「手袋の買いに」は今回の翻訳プロジェクトの対象外にしていました。
 ところが、三浦さんが訳した「手袋を買いに」をベラルーシ人に読んでもらったところ、
「あまりいい翻訳ではない。」
という評価でした。
 外国語→母国語の翻訳は簡単なのですが、母国語→外国語の翻訳は難しいです。

 おそらく普通のロシア語ではありえない言い回しになっている部分があるのだろうと思います。
 他にも読み返してみて、三浦さんが省略してしまった箇所がかなりあることに気がつきました。例えば作品の最初のほう、雪で遊んでいた子狐が母狐のところへ戻ってきてからのシーンです。

・・・・・・・・・・・・・・
母さん狐は、その手に、は――っと息をふっかけて、ぬくとい母さんの手でやんわり包んでやりながら、
「もうすぐ暖くなるよ、雪をさわると、すぐ暖くなるもんだよ」といいましたが、かあいい坊やの手に霜焼しもやけができてはかわいそうだから、夜になったら、町まで行って、坊ぼうやのお手々にあうような毛糸の手袋を買ってやろうと思いました。
・・・・・・・・・・・・・・

 この「雪をさわると、すぐ暖くなるもんだよ」の意味が日本語で読んでも私は分かりませんでした。
 三浦みどりさんの翻訳でもこの箇所は訳されておらず、「もうすぐ暖くなるよ。」だけを翻訳しています。また英語訳でも「(両手が)もうすぐ暖くなるよ」と訳されているそうです。 どちらも「雪をさわると、すぐ暖くなるもんだよ」の意味が分からず、省略してしまったのだと思います
 
 このようなことがあり、日本文化情報センターは「手袋を買いに」のロシア語訳も独自に始めることにしました。他にも三浦さんが省略してしまった箇所なども、翻訳して、できるだけ原作の形に近づけることにしました。
 でもどうしても上記の一箇所「雪をさわると、すぐ暖くなるもんだよ」が翻訳できず、困っていました。 

 この作品に関しては翻訳作業をしている人が日本語の読み書きができるベラルーシ人(ニコライさん)です。この人から、
「この箇所の意味が分からない。雪をさわると手は冷たくなるのが当然なのに、どうやって訳したらいいのか?」
と質問され、私も返事ができませんでした。

 解釈として
「雪をさわると、すぐ暖くなるもんだよ→雪を触って(手が冷たくなったとして)も、すぐ暖かくなる」
 ・・・という説もあるようなのですが、そうだとしたら、どうして南吉さんは最初から 「もうすぐ暖くなるよ、雪をさわっても、すぐ暖くなるもんだよ」にしなかったのでしょうか?
 この作品は作者の思い入れが強く、何度か書き直されています。推敲段階で「雪をさわると、すぐ暖くなるもんだよ」の部分を何度も読んでいたはずなのに、そのまま残している、ということは何らかの作者の意図があったと思われるのですが・・・。
 もしかするとこの点に関して専門家の間ですでに議論されているのかもしれません。

 しかし、ベラルーシで1人悶々と考えていた私にはどうしても分からなかったので、新美南吉記念館に質問しました。そのお返事によると・・・
 
「雪を触って芯から冷え切った手は、ちょっと寒くて冷えた手とは違い、息をふきかけたり手で包んでやって暖かくすると、実際に以上にジンジンと温かくと言いますか熱く感じるものだと思いますが、いかがでしょうか。」

 ・・・でした。そうか! そうだったのか! すごくよく分かりました。
 
 しかし、この説明をそのままロシア語に翻訳するのも長すぎておかしいので、また翻訳者さんとしばらく考え込んでしまいましたが、何とか短く訳しました。 やれやれ。

 このような事情により、「手袋を買いに」のロシア語訳は三浦みどりさんバージョンと日本文化情報センターバージョンと2種類生まれました。

 翻訳作業中、三浦さんにいろいろ教えてもらいたかったです。三浦さんは新美南吉の作品が大好きだったと伺っていましたので、「手袋を買いに」1作品だけではなく、数作品(現時点で5作品)をロシア語とベラルーシ語に翻訳したのを、褒めてもらえるかもしれません。