ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第217回」

2017-10-18 |   ビタペクト配布活動
 10月18日にビタペクト3と「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピー無料配布運動として、SOS子ども村への第217回目の配布を実施いたしましたので、ご報告いたします。

 今回はビタペクト3を10個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーを1部渡しました。  
 これで今までに配布したビタペクト2、ビタペクトT、ビタペクト3の合計は2606個、セルロースの合計は85個、「チェルノブイリ:放射能と栄養」のコピーは2172部となりました。
 今回で通算233回目の配布となりました。
 延べ人数ですが、2606人の子どもにビタペクトを、約76人の子どもにセルロースを、2172家族に「放射能と栄養」のコピーを配布したことになります


(これまでのビタペクト配布運動について、詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/bitapekt/index.html


http://blog.goo.ne.jp/nbjc/c/e1e67d76a4796f3c95377bb7bdabd215


(またこの活動報告を読むにあたり、「チロ基金の活動『ビタペクト2無料配布』について追加のご説明」も併せてご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/67c3b73ea2f30e880c3d4eb8bedded13


(ビタペクト2とビタペクトTについてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/5cab63b65562dd2f64a820a7e4298a0b


(ビタペクト3についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/922c333857741c5448f66d4fe00b25e1


(「チェルノブイリ:放射能と栄養」について詳細はこちらをご覧ください。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/chel/index.html



(SOS子ども村についてはこちらをご覧ください。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/bb1fb7afb4cac464789e2684181e7d42


(WBCによる測定、ビタペクトを開発、製造、販売しているベルラド放射能安全研究所の公式サイトはこちらです。)

http://www.belrad-institute.org/


(ベルラド研究所について日本語でご紹介している記事はこちらです。)

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/c382ef7eca8660531e895c8a646e7f2a


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%89%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80


 チロ基金は以前ビタペクトに代わり、ペクチン入りセルロースを配ったことがあります。セルロースについてはこちらです。

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/43f810eddd1efc451f5171ef3cd35a7a


 今回は2家族がSOS子ども村へ保養に来ていました。
 
(家族A)

 ゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から4キロのところにあるゴロビンツィ村から来た家族。
 この家族は2015年にも保養に来たことがあります。そのときのようすはこちらです。
 
チロ基金の活動「ビタペクト&『放射能と栄養』無料配布・SOS子ども村 第176回」 (家族B)

お母さんが8人の子どもを引率していました。この家族には6個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。


お母さんが実子3人と養子3人、そしてゴメリ市に住んでいる知人の子ども1人を引率していました。この家族には6個のビタペクト3を渡しました。

 前回と今回のそれぞれの内部被曝の測定結果はこのとおりです。○印の子どもにビタペクト3を渡しました。

母親(事故発生当時10歳)11ベクレル → 9ベクレル
長男(10歳) 43ベクレル ○ → 30ベクレル ○
次男(9歳) 21ベクレル ○ → 30ベクレル ○
三男(6歳) 18ベクレル → 22ベクレル ○
養子(8歳)(今回初測定)19ベクレル
養子(6歳) 27ベクレル ○ → 30ベクレル ○
養女(5歳) 29ベクレル ○ → 28ベクレル ○
養女(5歳) 37ベクレル ○ → 23ベクレル ○
養女(2歳) 22ベクレル

 前回この家族は 「女子(6歳) 39ベクレル ○」を引率していました。この女の子は今回保養に来た家族Bの子どもでした。今回の測定結果は(家族B)の長女の結果をご覧ください。
 さらにこの家ではさらに2歳の養女を引き取っていました。

 長男は今年突然、低血圧と頻脈になり、数ヶ月の間投薬治療を受けていたそうです。今は飲んでいないそうなので、ビタペクトを飲むことを勧めました。特にこの男の子はカリウム不足になっていて、お母さんは心配していました。
 23ベクレルだった5歳の養女は食物アレルギーです。お菓子を食べ過ぎると気管支炎になって咳が出るといういうことでした。お菓子を食べるのを控えるしか方法がなく、他の子どもと同じように食べられないので、泣いていました。
 お母さんの健康用の悩みはなく、健康だそうですが、「やせたい・・・。」と言っていました。
 お母さんは15年前からこの村にすんでおり、それまではカムチャッカやベラルーシの南部など、引越しが多い生活だったそうです。
  

(家族B)

 ゴメリ市(チェルノブイリ原発から約140キロ)から来た家族。
 お母さんが 6人の子どもを引率していました。この家族には4個のビタペクト3を渡しました。
 それぞれの体重1キロあたりの放射能測定結果は以下のとおりです。○印の子どもにビタペクト3を1個ずつ渡しました。

母親(事故発生時4歳)12ベクレル
長女 (8歳) 39ベクレル ○ → 25ベクレル ○
次女 (6歳) 26ベクレル ○
長男 (4歳) 18ベクレル 
次男 (1歳) 18ベクレル 
男子 (8歳) 20ベクレル ○
男子 (6歳) 23ベクレル ○ 

 8歳と6歳の男の子は兄弟です。
 お母さんに子どもたちの健康状態を尋ねました。
 長女と次女は側弯症です。長男は、色覚異常で矯正めがねをかけています。
 お母さん自身は高校血圧が悩みだそうです。
 お母さんはウクライナ出身で12歳のときにゴメリに引っ越し、その後はずっとゴメリで暮らしているそうです。

 画像は記念撮影したものです。
 子どもたちには折り紙や折り鶴、定規や分度器のセット、スーパーマリオのシールなどををプレゼントをしました。今回は小さい子どもが多かったので、奪い合いのけんかがおきそうでした。

 今回のビタペクト3の購入費には、CD「月と日」の売り上げを使いました。
 最後になりましたが、折り紙や文房具など子どもたちへのプレゼントを寄贈してくださった方、折り紙や文房具
などを寄贈してくださった方、また日本ユーラシア協会大阪府連主催のバザーなどでSOS子ども村への交通費を捻出してくださった多くの日本人の皆様に深くお礼申し上げます。
 べラルーシの子どもたちもお母さんたちもSOS子ども村の職員の方々も皆様に大変感謝しております。本当にありがとうございました。 

「戦争と平和の絵本と子どもたちの絵」 ハーモニー絵画教室の表敬訪問

2017-10-16 |   おりづるの旅
 すでにチロ基金の活動「戦争と平和の絵本と子どもたちの絵」についてご報告していますが、10月16日、広島の新荘さんとハーモニー絵画教室を表敬訪問しました。

 このプロジェクトについて詳しくはこちらをご覧ください。
ベラルーシの子どもたちが描いた広島の絵についてまとめと続報です

 2冊の日本の絵本「おりづるの旅 さだこの祈りをのせて」(うみのしほ・作 狩野富貴子・絵 PHP研究所・出版)と「ピンク色の雲-おばあちゃんのヒロシマ」(宇留賀佳代子・作 稲田善樹・絵 てらいんく・出版)がこのプロジェクトが始まるきっかけだったのですが、今回の表敬訪問では、新荘さんが作者である宇留賀さんからの子どもたちへのお礼状(ご本人の手書きのロシア語です!)そして作品を描いてくれた子どもたちに日本の画材などの贈り物が絵画教室のエレーナ先生に渡されました。

 このように直接日本から新荘さんが持ってきてくださって、子どもたちも大変喜んでいました。
 特に初めて触れる日本の画材でまたきっとすばらしい作品を描いてくれるでしょう。
 
 そして新荘さんが持ってきてくれた中国新聞などの記事。日本の新聞に自分の作品が掲載されているのを見て、子どもたちが本当にうれしそうな顔をしていたのが印象的でした。

 エレーナ先生と芸術を通しての平和教育についてのお話も盛り上がりました。
 今回作品を描いてくれた子どもたちはきっと平和を愛する大人に成長すると確信しました。

 このような機会を与えてくださった新荘さんをはじめ、絵本を作った作家、画家、出版社の方々、ロシア語に翻訳したANT-Hiroshimaのみなさん、エレーナ先生、また郵送費を支援してくださったチロ基金支援者の皆様にも感謝申し上げます。


 

 
 

将棋クラブ「駒落ちレクチャー」 3

2017-10-15 | 日本文化情報センター
 記念撮影した1枚です。ここに写っているのは対局に参加した人たちです。
 レクチャーにはもっと多くの参加者がいました。
 対局の後も、新荘先生とベラルーシ人棋士の間で楽しく将棋の話で盛り上がりました。
 新荘さん、本当に貴重な機会をありがとうございました。
 ベラルーシ人の間で引っ張りだこになっていましたが、またベラルーシへ来てください、と頼まれていました。
 また機会がありましたら是非お願いしたいです。
 

将棋クラブ「駒落ちレクチャー」 2

2017-10-15 | 日本文化情報センター
レクチャーの後は有志が集まり、駒落ちの対局をしました。
 新荘さんとベラルーシ新チャンピオンのビンセントさんとの対局を写真に撮れてうれしかったです。貴重な1枚ですよ。

将棋クラブ「駒落ちレクチャー」 1

2017-10-15 | 日本文化情報センター
 2017年10月15日、日本から将棋二段の新荘さんをお招きして、日本文化情報センターで駒落ちレクチャーが行われました。
 新荘さんは、チロ基金の活動「戦争と平和の絵本と子どもたちの絵」でご紹介したように広島の原爆をテーマにした絵本「おりづるの旅 さだこの祈りをのせて」と「ピンク色の雲-おばあちゃんのヒロシマ」のロシア語版を日本文化情報センターに寄贈して下さった方です。

 その新荘さんが将棋の有段者でロシア語でレクチャーができるということで、今回、駒落ちをテーマにしたレクチャーを開催することになりました。

 画像の様子だけだと、新荘さんが駒落ちの教科書の宣伝をしているように見えますが、レクチャーもされました。
 
 (レクチャー用の大きい将棋盤がないので、ホワイトボードと大きいサイズの駒を手作りしましたが、改善しないといけない点があると思いました。次回の将棋レクチャーがいつ開催されるか分からないですけど。)

 新荘さんはわざわざロシア語でレクチャーの資料まで用意してくださっていて、ベラルーシ人にとっても分かりやすい講義を本当にありがとうございました。
 レクチャーの最後のほうで、新荘さんが問題を出したときも、ベラルーシ人棋士は正しく答えていました。
 新荘さんは、
「ベラルーシ人棋士は個性豊か。日本人にない発想をするので、強くなるかもしれない。」
と後で感想を述べていました。

 私のような素人からすると、将棋の必勝法があって、それが分かっていれば勝てるのだろうと思っていましたが、新しい発想力も大事なんですね。奥深い将棋の世界を教えていただきました。

 また弊センター将棋クラブのために将棋の本も寄贈していただきました。ありがとうございました。
 (ただ日本語で書かれている本なので、「読めるように日本語もしっかり勉強しましょう。」と言ったら、みんな苦笑いしてましたが。)

 また里見香奈女流五冠の直筆色紙も寄贈していただきありがとうございました。これから将棋クラブで対局をするときは展示しようと思います。

 

車いす女性のミスコンテスト、初の世界大会 優勝はベラルーシの女子大生

2017-10-08 | ベラルーシ文化
車いす女性のミスコンテスト、初の世界大会 優勝はベラルーシの女子大生

【10月8日 AFP】ポーランドの首都ワルシャワ(Warsaw)で7日、車いす女性のミスコンテスト「ミス・ウィールチェア・ワールド(Miss Wheelchair World)」が初めて開催され、ベラルーシ出身の学生、アレクサンドラ・チチコワ(Aleksandra Chichikova)さん(23)が優勝した。

 車いす女性による世界規模のミスコンは今回が初めて。決勝には18か国から24人が参加し、工夫をこらした振り付けとともに民族衣装やイブニングドレス姿を披露。最終的に大学で心理学を学んでいるチチコワさんが第1回ミス・ウィールチェア・ワールドに選ばれた。2位は南アフリカのレボハン・モンヤチ(Lebohang Monyatsi)さん、3位は地元ポーランドのアドリアンナ・ザワジンスカ(Adrianna Zawadzinska)さんだった。栄冠に輝いたチチコワさんは、自分の中にある不安や恐れと闘うことが大切だと語った。

 コンテストの目的について、大会の共同創設者で審査委員長も務めるカタルジュナ・ボイタシェク・ギナルスカ(Katarzyna Wojtaszek-Ginalska)氏は「車いす女性のイメージを変え、彼女たちがその側面だけで判断されないようにすることだ」と述べ、世界の多くの地域では車いすはまだぜいたく品であることもこのコンテストを通じて知ってほしいと付け加えた。ボイタシェク・ギナルスカ氏自身も車いす女性だ。

「ミス・ウィールチェア・ワールド」は、ポーランドを拠点とするNGO「オンリーワン・ファウンデーション(Only One Foundation)」の主催で行われた。

 参加女性はそれぞれの国でのコンテストで優勝した女性だが、国内大会が行われていない国ではオンリーワン・ファウンデーションが指定したNGOが選考した。参加者らはワルシャワで8日間にわたりリハーサル、写真撮影、会議出席、訪問などぎっしり詰まったスケジュールをこなした。

 初開催となった今回の大会ではアンゴラ、ベラルーシ、ブラジル、カナダ、チリ、フィンランド、フランス、グアテマラ、インド、イタリア、メキシコ、モルドバ、オランダ、ポーランド、ロシア、南アフリカ、ウクライナ、米国の女性たちが決勝に進んだ。(c)AFPBB News

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よいニュースですね。アレクサンドラさんの笑顔が素敵です。
 参加者を「車椅子女性」と限定しているのが、かえって差別だ、とか差別を助長しているとかいう意見もありますが、納得したうえで、みなさん出場を決めていると思いますよ。

 ベラルーシ国内でのニュースはこちら。(ロシア語です。)

 これによると、アレクサンドラさんは子どものころは元気で、社交ダンスを習っていたほどだった。
 しかし17歳のときに、自宅の3階で内装工事を行っていたときに、床材から突き出ていた部品にうっかりつまずいてしまい、バランスを崩して、開いていた窓から外に落下・・・。
 背中から落ちたため、脊髄を損傷してしまい、医者からは一生歩くことはできませんと告げられる。4ヶ月間入院していたが、退院後車椅子生活へ。
 
 来年大学を卒業予定で、専攻は心理学。劇場で舞台に出演したこともあり、大型スーパーマーケットのインフォメーションでも働いているそうです。

 ベラルーシは障碍者に対する福祉政策はちゃんとあるほうです。しかし、「ヨーロッパのもっと進んでいる国」と比べると、設備面などがまだまだ足りていません。例えば道路の段差などは改善があまりされていないので、車椅子での移動は大変だと思います。北国で冬場の足元も悪いです。

 もっと便利で快適に使える性能のいい車椅子の開発・・・なども国内ではほとんど行われておらず、いい車椅子を買おうと思ったら、外国からの輸入品・・・となるのですが、そうすると一般ベラルーシ人にとっては高価なので買えません。
 それと日本にありがちな「障碍のある子どもはいらない。(死んでもいい。)」「障害児の行く末を悲観して親子心中」といった考えはベラルーシにはないのですが、(今日読んだ記事。「手足の指6本の奇形で生まれた赤ちゃん、「人工呼吸器からはずして」と父親が…」)前述のように車椅子に優しくない道路が多いなどの理由もあり、また身体障碍者自身の精神的なもの(いわゆるがっかり感が大きい人が多い)も相まって、ベラルーシ人障碍者の外出頻度は低いです。

 ベラルーシより「ヨーロッパの進んでいる国」に行ったとき、いろんな障碍者の人たちが、人目なんか全く気にしないという感じで、大勢町の中に出ている姿を見て、ああ活発で生き生きしているなあと思ったことがあります。
 そんなベラルーシで、アレクサンドラさんがミス車椅子ワールドで優勝したことはすばらしいことで、ベラルーシ社会に一石を投じるきっかけになってほしいなあと思いました。