ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

11月30日、ミンスク市内道路の封鎖

2020-11-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月30日、いつものように高齢者の行進が始まりました。あのニーナさんも新調した旗を持って登場。

 それを阻止するべくミンスク市内の複数箇所の道路が封鎖されました。一般車両は通れません。代わりに護送車が近づいてきて身柄拘束が始まりました。治安部隊の列がデモ参加者を取り囲んでいます。

 1台の護送車がデモ参加者の一人をはねました。接触事故です。大したけがではなく、はねられた人は他の参加者に支えられて、護送車から離れていきました。拘束されることはありませんでした。

 

 印刷所がまた新聞社(ブレスト州の地方新聞)の印刷を拒否しました。

 

 ベラルーシ人のIT技術者と医療従事者がさらにポーランドへ出国、そして就職しやすくなりました。ポーランドでは人材不足人手不足なのでしょう。

 こうしてベラルーシはコロナ禍で医療従者不足となります。

 すでにベラルーシでは外科手術専門の看護師の数が不足しています。

 またバスやトロリーバスの運転手も不足し始めたようで、11月から新しい地下鉄駅が開通したこともありますが、バスやトロリーバスの路線が変更、あるいは本数の短縮が始まりました。

 

 ベラルーシ・ルーブルが少しずつ値を下げています。急激ではありませんが物価高も続いています。

 

 年金生活者が政府に文句を言わないように(そして反政府デモに出ないようにでしょうか。)年金額を増やすと発表されましたが、1ヶ月につき1ルーブルぐらいしか上がっていない人もいます。物価高に追いついていない感じです。

 

 


ベラルーシのコロナウイルス13万6647人。死者数1158人

2020-11-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月30日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は136647人になりました。1日の新規感染者数は1639人です。

 死者数は1158人になりました。

 114341人が回復しました。

 326万件の検査数となりました。

 

 検査数がとても多いように思われますが、希望者はもっと多く、急いでいる人は有料の医療センターで検査を受けようとします。しかし、寒空の下2時間待ちの行列ができています。

 公立の診療所でも多くの希望者が押し寄せており、熱が出ているなどの症状がないかぎり、検査を受け付けてくれません。アルコール消毒液の匂いを嗅がされ、顔をそむけたら、「匂いが分かるようですね。嗅覚がありますね。じゃあ、コロナに感染してませんよ。検査しなくても分かりますから帰りましょう。」と言われるそうです。


11月29日、雪の降る中デモ行進

2020-11-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月29日、ほぼ一日中雪が降る中、反政府デモ行進が行われました。

 ミンスクでは各地の団地で集合。その後、行進を始め、他の行進と合流します。

 例えば、日本文化情報センターのあるウルチエ地区では、今日町内で三つの集会が開かれ、その後、小さい行進になって町内を練り歩きました。そして他の行進と合流し、一つのウルチエ町の行進になり、町内で行進しています。

 このような小さい行進がミンスク市内の各地に数十できましたが、全体的に大人数ではないので、見栄えとしては地味です。しかし、行進のようすを画像や動画にして、ネット上で公開しています。全体として何人参加したのか計算しづらいです。

 また治安部隊や警察も身柄拘束するにも、あちこちに分散しないといけないので、大変だと思います。

 同じようなデモ行進がベラルーシ各都市でも行われました。

 またベラルーシ以外の国、ロシア、ドイツ、ポーランド、スイス、ウクライナなどでもベラルーシ反政府デモ集会が行われています。

 

 午後11時ごろ地下鉄駅のうちミンスク市中心部にある5駅が閉鎖されました。先週と比べると半分の数です。

 しかし現在ミンスク市内でのタクシー代が3−4倍に値上がりしています。

 地下鉄が閉鎖されてしまって仕方なくタクシーで移動せざるを得ない人もいるのに・・・

 

 午後3時半ごろ、地下鉄ウルチエ駅近くの団地内で治安部隊による身柄拘束が始まり、反政府デモ参加者に向けて複数の発射音が響きましたが、詳細は不明です。

 団地内の住人がスマホで動画撮影をしており、発射音が聞こえるのですが、閃光団ではないようです。

 

 ボロブリャヌィ市内でのデモ集会に対しては催涙弾が発射されました。

 

 積もった雪で雪だるまを作り、その一部を赤く塗って、白赤白の雪だるまが作られています。

 

 大統領選挙前、有力対抗馬だったババリコ氏が釈放されたという噂が飛びましたが、弁護士が否定しました。

 野党のラトゥシコ氏によると、ルカシェンコ大統領はババリコ氏がマネーロンダリング疑惑により同じく勾留中の息子とともに、キプロスへ出国すれば無罪放免にするという条件を出したと言及しました。ここから釈放されたという誤報が流れたようです。

 

 今日1日で300人以上が身柄拘束されました。一部は今日中に解放されたようです。

 

 昨日、ルカシェンコ大統領がコロナウイルス感染者が入院しているミンスク市第6病院を訪問し、入院患者を激励している様子が報道されました。

 ある病室では、一人の男性患者がマスクをしてベッドでうつ伏せになっているところを大統領がお見舞いをし、その背中に手を当てて、激励しているようすがにゅーすになりました。

 今日、この患者は、「コロナウイルス感染者ではなく」「モギリョフ市にある病院の院長に激似」だという噂が流れました。マスクをしているので顔全体は分かりません。(例のAIによる顔認証システムを使えばすぐに分かると思いますが。)

 独立系メディアは早速この院長に取材を申し込みました。しかし当然のことながら、本人は否定。

 ふだんいっしょに働いている同僚に取材して、「あの日、院長はミンスクへ出張に行ってませんでしたか。」と尋ねるほうがいいような気もしますが・・・どっちにしろ確実な回答をする人はいないでしょう。

 もし本当にこのモギリョフにある病院長が患者のふりをしてミンスクの隔離病棟で大統領からの見舞いを受けていたとしたら、とんでもないやらせですね。しかしモギリョフ市からわざわざ患者役の人、しかも病院長を首都の病院に連れてきてやらせ映像を撮影するでしょうか。

 

 死亡したボンダレンコさんに暴行を加えたとされているベラルーシ・ホッケー協会会長の妻が購入した別荘が、マスコミにより、「このあたりにあって、こんな高価な別荘」と画像が拡散されました。

 二日後、その別荘のガレージに「けして許さない」という落書きが書かれました。

 このように私的な復讐精神を持つ人たちもいる、ということです。

 

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者13万5008人。死者数1151人

2020-11-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月29日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は135008人になりました。1日の新規感染者数は1684人です。

 死者数は1151人です。

 113375人が回復しました。

 

 ベラルーシ保健省は来週、コロナウイルス感染拡大第二波のピークが来ると予測しています。


11月28日、小雪

2020-11-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月28日、朝から小雪が降る中、反政府デモ集会が各地で行われています。

 同時に政府派の車両によるデモ行進も行われています。公用車に国旗をつけ、車列を組んで走行する、というものです。

 

 国会議長が「民主主義と人民の自由に功績を残した」として、国からメダルを授与しました。大学やテレビ局などに言って、あれこれ説得したのが功績になったようです。

 

 昨日と今日、警察が撮影したとみられる記録用の映像が、(おそらくポーランド経由で)ネット上に流出しました。

 警察内で保管しないといけない映像だと思うのですが、どういうわけか流出し、さらにいくつかの映像が編集されて、一本の動画になって、ユーチューブで見ることができます。

 映像では、護送車の中のようすが撮影され、明らかに警察側がスマホではなくカメラで撮影しています。身柄拘束された人たちが次々と貨物のように護送車に押し込まれています。みんな頭の後ろに手を組んで護送車の床を見て動かないよう指示されています。一人の若い男性が「何も悪いことはしていない。」と言ったとたん、警棒で頭を殴られ、血が流れています。

 別の日の別の場所ではパトカーがデモ行進している横を通り過ぎながら、「あの若い男にしよう。」と話し合って、その人だけ拘束し、パトカーの後部座席に押し込んで連行しているようすが撮影されていました。

 他の映像では、反政府デモ参加者が護送車が近づいているを見て、石を投げてきました。護送車の中の治安部隊員たちは「石を投げてきたぞ。人間じゃない。」「おい、手榴弾だ、手榴弾用意しろ。」(この手榴弾というのは、手榴弾タイプの閃光弾のことです。本物の手榴弾のような殺傷能力はありません。)などと話し合っているようすが分かります。

 治安部隊員の方々の会話、半分ぐらいが放送禁止用語で、ずっとピーという隠す音が被せられていて、動画をユーチューブにアップした人物により編集されています。

 

 

  


ベラルーシのコロナウイルス感染者13万3324人。死者数1143人

2020-11-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月28日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は133324人になりました。1日の新規感染者数は1691人です。また最多記録を更新しました・・・。

 死者数は1143人です。

 11万1455人が回復しました。

 322万件の検査数となりました。

 

 

 

 

 


11月27日、大統領が初めてマスクをつける

2020-11-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月27日、コロナウイルス関連の医療機関をベラルーシ大統領が訪問し、医療従事者を激励しています。今日初めて大統領はマスクをした姿を報道されました。しかし、上下逆さまにマスクをしたり、顎マスクで医療従事者と会話したりしていたのが報道されてしまいました。

 大統領はコロナウイルスに感染したことがあるので、免疫ができたでしょうが、もうその免疫もなくなってしまったと思われます。

 ミンスク第6病院を訪問したとき、大統領はボンダレンコさんの死について言及し、血中アルコール濃度がゼロだったという検査結果を示した医師は、「偽の検査結果表を作った。」と記者団に向かって話しました。

 大統領は、コロナウイルス感染と戦う医療従事者の給料を引き上げることを院長に約束しました。

 第6病院の屋上には大統領の警備員であるスナイパーが複数名配置されました。

 

 今日も「血中アルコール濃度ゼロ」のスローガンで、ベラルーシ各地で反政府デモが行われました。

 ボンダレンコさんが暴行を受けた変化広場では、24時間体制で治安部隊が監視しています。

 地下鉄プーシキンスカヤ駅の近くのアスファルトに「けして忘れない。けして許さない」と書いた25歳女性と26歳男性の裁判が始まりました。この落書きを消すために必要な経費は7500ルーブルだと試算されましたが、実際には211ルーブルだったそうです。

 

 団地デモが活発だったマンションで、自宅のベランダのガラスの内側に白赤白の布(旗)をぶら下げていた住民の自宅に、ある日朝8時に警察がやってきて、布を外すことを要求しました。断るとその場で拘束、連行、取り調べです。そして今日裁判がありました。判決は540ルーブルの罰金刑です。

 日本人にこのようなベラルーシ・ルーブルの額を言ってもピンと来ないと思いますので、表現してみると、月給の半分が罰金で消えた、という感覚ですね。この住民が特別お金持ちだったら、どうということのない金額かもしれませんが。

 

 クロスカントリースキーで、オリンピックに7回出場経験のある(長野五輪にも出場しています)セルゲイ・ドリドヴィチが自宅のバルコニーに白赤白の旗を掲げていたのですが、封書が届き、「すぐに布をバルコニーから外してください。」と公式に要請されたと自身のフェイスブックに書き込みました。さらには「外さない。」とも表明しました。 

 

 国営大企業の従業員が連日、退職しています。

 

 ミンスク言語学大学で、反政府デモをしている学生を支持したため解雇された教員二人が、野党調整委員会のメンバーに選ばれました。  

 

 勾留中の2008年ミス・ベラルーシはさらに15日間の拘留を追加されました。

 様々な罪により、拘留期間が加算され、71日間になった学生がいます。

 

 大統領はチハノフスカヤ氏など「国外への逃亡者たち」のZoomを使った会議をパスワード解除したのか、無断でアクセスできたと公表しました。

 それだけでも、していいことなのですかと疑問がわきますが、大統領からしたら、野党は犯罪者集団なので、捜査の一環でこういうことをしてもいいのだ、という論理でしょうね。

 そして、勝手にZoom会議をのぞいたところ、チハノフスカヤ氏が他の野党幹部らに向かって、「私は何も決められない。」と言っていた。これは名言だ。リトアニアにいるベラルーシの大統領の。他の野党メンバーがチハノフスカヤ氏を必要としているのはその名前だけだ・・・ということでした。

 そのZoom会議の映像などを公開したわけではないので、本当にチハノフスカヤ氏が「私は何も決められない。」と言ったかどうかは不明です。証拠は大統領は見せてくれませんでした。またどういうシチュエーションで「私は何も決められない。」と言ったのかどうかも不明です。

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者13万1633人。死者数1136人。新規感染者数1600人台

2020-11-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月27日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は131633人になりました。1日の新規感染者数は1621人です。今までの最多記録更新です・・・。1600人台になってしまいました。

 死者数は1136人です。

 110152人が回復しました。

 318万件の検査数となりました。

 

 ベラルーシ保健省は、コロナウイルス感染拡大の第2波のピークが近づきつつあると発表しました。

 今がピークではなく、ピークはもう少し後に来るということですね。

 来年前半には第3波が来るという予測も出ています。

 

 良いニュースもあります。コロナウイルスに感染していた101歳の男性が回復し、今日退院しました。

 それだけでもすごいですが、ベラルーシには100歳以上の人が数えるほどしかいないので、その点でもすごいです。

 


11月26日、ロシアの外相がベラルーシ訪問

2020-11-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月25日から二日間に渡り、ロシアの外相がベラルーシ首脳陣と会談を行いました。会談後での声明では、ロシアとベラルーシは今後も協力関係を崩さない、ロシアはベラルーシ大統領を支持する、EUはロシアとベラルーシに対して敵国のように接しており、ベラルーシの国内問題に首を突っ込んでいる・・・など以前と変わらないロシアの態度を改めて示しました。

 ベラルーシの外相はあらゆるEU諸国とのベラルーシとの協力関係を停止する用意があると発表。

 ヨーロッパ議会はボンダレンコさんの死のほか、ベラルーシ情勢について協議する姿勢を見せています。

 

 ボンダレンコさんの死について国営放送STVが特別番組を放映しました。その中でボンダレンコさんの母親の電話の内容が盗聴されており、それが許可なくテレビ放映されていることが分かりました。今日、ボンダレンコさんの母親はSTVを告訴しました。

  この番組ではボンダレンコさんが、家の近所で誰かとつまらない喧嘩をし、それで怪我をした、としています。またボンダレンコさんがアルコール中毒患者だったかのような報道をし、搬送された救急病院の医師が示した血液検査の結果は「偽物」としました。

 視聴者が本当に知りたい「誰がボンダレンコさんを殴ったのか。」「誰がボンダレンコさんを護送車に押し込んだのか。」「本物の血液検査結果はどこにあるのか。」といった疑問については一切情報がありませんでした。

 しかもこの番組司会者が、以前反政府デモ集会を取材したときに「反政府派デモ参加者はアル中です。」とカメラの前で言った、あのレポーターなので、ますます顰蹙ものです。ちなみにその後、このテレビ司会者がまた反政府デモの取材に出かけたところ、行く先々で「帰れコール」が起こり、誰もインタビューに答えなくなってしまいました。ある意味、すごく悪い印象のあるアナウンサーの一人になってしまいましたね。

 

 今日もベラルーシ中の広場や病院で、医療従事者が「血中アルコール濃度ゼロ」のプラカードを掲げて、デモ集会やフラッシュモブを行なっています。 

 ベラルーシ検察庁はボンダレンコさんの血液中にはアルコールはなかったが、体の別の場所にはアルーコールがあった、と発表しました。

 まあ、とにかく、血液の中か息の中かアルコールがあったとしてもですよ、だからと言って、死んでしまうほど殴って警察署に連行していいというものではないと思います。

 

 なぜかベラルーシの商店から安いロシア製砂糖が消えました。ベラルーシ製の砂糖は値上がりしています。

 来月1日からベラルーシ人の医師、IT企業従業員はポーランドで正式に(ベラルーシ政府側からの許可がなくても自由に)職に就くことができるようになりました。

 

 ベラルーシでは住宅の窓やベランダなどに布製の物(旗でなくても)をかけたり吊るしたりすることが禁止されました。(消防局からの要請なのですが、確かに火事になったら、火が燃え広がりやすくなりますからね。)

 

 とうとう国際オリンピック委員会がベラルーシのスポーツ界の状況について、審査するようです。

 オリンピックのほか国際試合にベラルーシのスポーツ選手が出場できなくなるかもしれません。 

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者13万12人。死者数1128人

2020-11-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月26日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数が130012人になりました。13万人台になってしまいました・・・。1日の新規感染者数は1563人です。また1500人台に戻ってしまいました・・・。

 死者数は1128人です。1日の新規死者数は9人です。今までの最多記録です・・・。

 108769人が回復しました。

 315万件を超える検査数となりました。

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者12万8449人。死者数1119人

2020-11-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月25日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は128449人になりました。1日の新規感染者数は1496人です。

 死者数は1119人です。

 107452人が回復しました。

 

 国立ベラルーシ音楽アカデミーの3年生の学生(21歳。アコーディオン専攻)がコロナウイルスのため死亡しました。

 現在、ミンスク市内にある大学の学生でしかも地方出身者で寮生活をしている学生は、全員、国立ベラルーシ技術大学第17番寮1階に集められて、そこに収容されます。

 重症化したらもちろん入院ですが、若い年代の学生は重症化する率が低いので、自宅療養させられます。しかし実家がミンスク市内にない場合、この国立ベラルーシ技術大学第17番寮に収容され、そこで「自宅」療養することになります。この第17番寮1階には、現在健康な学生は生活していません。所属大学は関係なく学生専用の隔離病棟扱いになっています。

 この学生も1週間前にコロナウイルスに感染していることが判明したので、音楽アカデミーの寮からこの技術大学第17番寮に収容されました。その前にビテプスクの実家に帰るかどうか検討もされたのですが、ミンスクから地方都市へコロナウイルスを運搬してしまうのも・・・ということで、実家には帰らなかったようです。

 そしてどうやら、この学生だけ症状が悪化してゆき、突然寮の中で亡くなってしまったようです。隔離病棟扱いなので、医師や看護師が配置されていたはずですが、症状が悪化したときにすぐに病院へ搬送するとかの対応はなかったのでしょうか・・・。

 まだニュースで詳細が報道されていないので、何とも言えませんね・・・。

 

 

 

 

 


サンタクロースへの手紙が切り取られる

2020-11-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 ミンスク市内にあるツム百貨店のショーウインドウが、11月23日クリスマス商戦向けに模様替えしました。男の子のマネキンが置かれ、サンタクロースへの手紙を書いているようです。つまりほしいプレゼントのリストを作ってます。そのプレゼントのリクエストを読んでみると・・・

「テレビ、アイフォン、家、本、ボート、車・・・」などいっぱい書かれています。

 サンタさんに男の子がクリスマスプレゼントに家なんかお願いするか? とつっこみたくなりますが、まあ、百貨店の宣伝ですから、当店ではたくさんの商品を取り揃えております、と言いたいのでしょう。(家や車はこの百貨店では売ってないと思いますが。)

 すると、そのお願いリストの中に「自由」という文字が・・・! ベラルーシの男の子がサンタクロースにお願いしたプレゼントの中に「自由」が入っていたのです。「サンタさん、お願い。クリスマスに『自由』をプレゼントしてください。」と考えている男の子がベラルーシに本当にいるとしたら・・・。

 でもこれは結局、このショーウインドウをデザインした人の願望だと思います。

 このサンタへの手紙に気づいた人たちがショーウインドウの画像を撮影。あっという間にネットで拡散されました。

 「車」の次に「自由」と書かれていたのですが、ロシア語の「車」という言葉は読み方によっては「マーシャの」とも読めます。なのでこれは二つの言葉を合わせて「マーシャの自由」ではないか、という意見がネット上に現れました。マーシャは女性名「マリヤ」の愛称形なので、つまり野党幹部で勾留中のマリヤ・コレスニコワ氏のことを指しているとも言えます。つまり、「マーシャの自由」は「マリヤの自由」で、さらに「マリヤの釈放」「コレスニコワ氏の釈放」とも考えられます。

 そして、11月24日、このショーウインドウを再びのぞくと・・・マネキンの男の子が持っていた手紙のうち「自由」と書かれていたところだけ切り取られてなくなっていました。切り口同士を糊でくっつけて、一枚の手紙のままであることに変わりはないのですが、途中で切れ目が入っていて不自然になっています。

 今日はこの切れ目の入った手紙を撮影して、その画像がネット上で拡散されています。

 マスコミがツム百貨店に、どうしてショーウインドウの展示物を作り直したのか取材申し込みをしましたが、ツム百貨店経営陣側からは「ノーコメント」という回答でした。

 

 私から日本人のみなさんに伝えたいことを書いておきます。まず、ベラルーシの百貨店は国立国営です。民間企業の店舗が入っていることもありますが、基本的に国営企業、国営工場の製品が販売されています。百貨店の店員は公務員です。店員は国立大学の経済学部を卒業した人も多いです。「若い人が働いているなあ、学生のバイトかな?」と思ったら、国立大学経済学部の学生が、実習つまり授業の一環として、国営百貨店の中でレジ打ちをしていたりします。この実習期間を修了しないと卒業できなくなります。

 

 次に百貨店のショーウインドウですが、これをどのようにデザイン、レイアウトするのかはデザイナーが担当していますが、デザイン事務所に外注されることはめったになく、芸術系の国立大学の卒業生が、百貨店に就職しているので、上からの指示に従い、「次はクリスマス商戦用レイアウトだからね。」「はい。」と言う感じで、仕事をしているのです。そして毎月決まった月給をもらっているわけです。

 つまり、今回のツム百貨店のショーウインドウのデザインは、この百貨店にずっと勤めている従業員(公務員)の仕事ということです。百貨店経営陣もみんな公務員なので、マスコミからの取材申し込みに対して愛想も素っ気もなく「ノーコメント」と言えるのです。

 私が心配しているのは、このサンタへの手紙を作成したツム百貨店の従業員が、経営陣からこっぴどく叱られ、解雇されることです。

 一方で、「今回はこういうコンセプト、デザイン、レイアウトにします。」とその従業員が、説明したときに、上司がちゃんとサンタへの手紙の内容を読んでチェックしていなかった・・・とも言えます。

 つまり、経営陣の従業員への監督ができておらず、従業員教育もできていなった(「政府を批判するような言葉を書いてショーウインドウのような人目につくところに置くのはダメですよ。」と事前に言っていなかった。)・・・ということです。ツム百貨店経営陣もあわてて手紙を一部切り取りましたが、これから政府から叱責されるかもしれません。

 

(念のため・・・この投稿ではサンタクロースへの手紙としましたが、ベラルーシではプレゼントをくれるのはサンタクロースではなく、マローズおじいさん、別名冬じいさんで、プレゼントをくれるのも1月1日です。ただしベラルーシにはカトリック信仰、つまりサンタクロース信仰もあります。) 

  


11月24日。子どもがんセンターの医師ら16人が退職

2020-11-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 チェルノブイリ原発事故後増加した子どもの白血病患者など、小児がん患者を専門に治療している国立の病院があります。その院長が反政府派であることから、解雇させられました。

 それに抗議する形で、この病院に勤める16人の医師らが11月24日退職しました。

 がんで入院中、治療中の子どもはどうなるのでしょう?

 政府からすれば、「医者は政治に首をつっこむな。自分の仕事をしなさい。患者を救え。」でしょう。患者、その家族、あるいは世間一般の人の中でも、

「目の前にがんで苦しんでいる子どもがいるのに、仕事をやめるとは医者としてひどい。」と憤慨し、政府の言い分はもっともだ、と思う人もいるでしょう。

 しかし、政府による世論の誘導ということもありえます。

 そもそも病院の院長が、とんでもない医療ミスをしたわけでもなく、「大統領選挙、やり直したほうがいいと思います。」と言っただけで、解雇。それに抗議して、医師らが退職したのですから、もし、政府がこんな理由で病院長を解雇しなかったら、今でも患者は普通に治療を受けられていたはずなのです。

 さらに、やめた医師らからすれば患者さんに「患者を放ってどこかへ行く医者はひどい。戻ってこい!」と文句を言われるのではなく、「院長と16人の医師が職場復帰し、また治療をするようになるために、そのもともとの原因になった政府のやり方に対して文句を言ってくださいね。患者の皆さん。」と言いたいと思っていることでしょう。

 しかもガン治療に限らずこのコロナ禍で、医療従事者が現場から減ってしまうのは、実は政府にとっては大変な痛手です。例えて言うなら、公立図書館の司書が全員「政府のやり方に反対だ! みんなやめる!」と立ち上がったところで、政府にとっては痛くもかゆくもありません。しかし、今医療従事者が「もう仕事やめる!」と動かなくなると、政府としては痛いところです。なので、「患者を放ってやめてしまうなんて冷たい医者だ。文句は医者にほうに言ってね、患者の皆さん。」と言うふうに世論を誘導しています。

 

 ベラルーシのスポーツ選手が、スポーツと政治は無関係であるべき(スポーツ選手が政治について発言するのはよくない、無意味、しなくて良い・・・と反政府派スポーツ選手を批判・・・だから)、今の大統領を支持する(大統領を支持する、と表明する時点で、スポーツ選手が政治に関係している・・・と私は思うので、この人たちの言っていることは矛盾している、と私は感じました。)という書類にスポーツ選手の署名を集めています。

 この選手たちは、来年の東京五輪に出場して、現ベラルーシ国旗を掲げて入場行進したいわけです。

 しかしですよ、すでに反政府派スポーツ選手は、リトアニアで自分たちのベラルーシ・スポーツ選手協会を(国からは非公認ながら)立ち上げているのです。もしオリンピック開催までに、ベラルーシの大統領が変わってしまった場合、上記の書類に署名した選手は、代表から外されます。代わりに反政府派スポーツ選手協会に加入した選手の中から五輪代表選手が選出されます。そして、入場行進のとき掲げるのは現国旗ではなく、白赤白の旗です。

 もう一つの点は個人競技の場合、自分の国内ライバル選手が「私は反政府派だ!」とナショナルチームから反政府派スポーツ選手協会に移った場合で、現政権が変わらなかった場合、上記の書類に署名した選手が代表に選ばれる可能性が高くなります。「念願のオリンポック出場が叶う! ラッキー!」となるかもしれないのですよ。

 ともかくオリンピックにしろ、アイスホッケー世界選手権大会にしろ、スポーツ選手それぞれにそれぞれの考えがあるわけで、混迷しています。

 

 アムネスティは、逮捕されたミンスク救急病院の医師と独立系メディア、トゥト・バイのジャーナリストを良心の囚人のリストに入れました。早期釈放をベラルーシ政府に求めています。

 この医師はボンダレンコさんが警察から救急車で搬送された後、治療を担当した一人で、警察側が、ボンダレンコさんは酩酊状態だった、と発表したときに、血液検査の結果を見せて、「血中アルコール濃度は0%でした。」とトゥト・バイのジャーナリストの取材で答えたのです。

 その結果この二人は逮捕されました。すでに裁判も終わり拘留されている状態です。それに反発した反政府派市民は「0%」と書いた紙を手にして持って、デモ集会やフラッシュモブを各地で行なっています。

 

・・・・・・

 追記です。

 血中アルコール濃度について、投稿した記事内ではパーセント(%)と表示しましたが、パーミルのまちがいでした。パーミルとは ‰ と表示します。1パーミルが0.1パーセントです。

 ベラルーシでは血中アルコール濃度を表す単位としてパーミルが使われます。しかし日本では mg/dl  という単位を使うことが多く、パーミルはふつう使いません。

 例えば1mg/dl は 0.01mg/ml になります。

 これをパーセントに換算すると、0.001% になります。

  さらにパーミルで表すと、 0.01‰ です。

 やっぱり、1mg/dl で表すほうが分かりやすいですね。

 ちなみに血中ではなく呼気アルコール濃度は血中アルコール濃度から計算できます。mg/mlの数字を半分にして、mg/l の単位を使います。

(血中アルコール濃度が1mg/dlの場合、呼気中アルコール濃度は0.005mg/l になります。)

 

 

 

 

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者12万6953人。死者数1112人

2020-11-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 11月24日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は126953人になりました。1日の新規感染者数は1471人です。早く第2波が終わってほしいです。(来年1月にベラルーシでは第3波が来ると言われていますが、私の感覚では「まだ第2波も終わってないのに?」です。)

 死者数は1112人になりました。

 105835人が回復しました。

 310万件を超える検査数となりました。

 


11月23日。大統領、正教会から破門

2020-11-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 今日はネット接続の調子がほぼ1日中悪かったです。

 今日のニュースの中で一番大きなニュースはおそらく、ベラルーシ正教会が、ルカシェンコ大統領を清教徒から破門したことでしょう。

 もともとルカシェンコ大統領は正教徒であり、クリスマスイブや復活祭などの大きな祝日には教会のミサに参列して、その様子が国営テレビで生中継されていました。

 ルカシェンコ大統領が生まれたのはソ連時代ですから、正教徒として洗礼を受けたかどうかは分かりませんが、もともと正教徒の家庭に生まれたので、宗教的な立ち位置はカトリックではなく正教ということになります。

 このようにキリスト教の祝日には教会のミサの中にいる大統領の姿を生中継するぐらいなので、自分が正教徒としてまじめな信仰心を持っているところを国民にアピールしていたわけです。一方でマスコミの取材には、自分は無神論正教徒だと答えたりしているので、実際には信仰心は薄く、教会のミサに行っているところだけテレビ番組で宣伝して、政治利用していたのだろうなという印象です。

 日本人でも、ふだんから熱心に念仏など唱えていないけれど、きかれたら「ああ、うちは○○宗です。」と答える人が多いのと同じ感覚です。つまりルカシェンコ大統領も熱心なクリスチャンではなく、冠婚葬祭のときだけ思い出すタイプだったのでしょう。

 そのルカシェンコ大統領をベラルーシ正教会は、「前大統領」と呼び、現大統領とは認めていないことが分かりました。さらに「独裁者、殺人者であり、ベラルーシ国民に苦痛を与える者」と強い表現で避難しました。そして破門を言い渡しました。

 またベラルーシ正教会は、反政府デモに参加したために拘束されている人々の健康を祈っていると付け加えました。

 もともと信仰心の薄い人に破門を言い渡しても、本人は心が痛むことはないでしょう。

 ただこれから、自分の宗教的立場を政治利用することができなくなりました。来年1月6日の正教のクリスマスイブにはどこの教会のミサにも行けないでしょう。

 

 ソチ五輪で3個の金メダルを獲得したベラルーシの国民的オリンピック・チャンピオン、ダリヤ・ドムラチェワの兄、ニキタ・ドムラチェフが、反政府デモ集会のそばを自転車で通りかかっただけで、治安部隊に激しく殴られ怪我をした事件。結局「やっぱり反政府デモに参加していた。」という理由で逮捕され、今日の裁判で罰金刑(540ベラルーシ・ルーブル)を言い渡されました。ドムラチェフ側の言い分は無視されました。

 

 今日は月曜日恒例の年金生活者の反政府デモ行進がありました。そして身柄拘束です。72歳の男性と女性が拘束されましたが、数時間後に解放されました。よかったです。ベラルーシ人の平均寿命は短いので、「72歳の高齢者が治安部隊に拘束されて、警察に連行された。」というのは、日本人の「82歳の高齢者が・・・」というのと同じ感覚です。

 58歳の男性と70歳の女性は拘束されたままです。70歳の女性は白いコートに赤い帽子とマフラーをしていたので、拘束されたようです。

 

 今日も大学生、大学の教員が身柄拘束されました。独立系メディアのジャーナリストが逮捕され、弁護士が接見しようとしても許可が出ません。

 

 人気音楽グループ「スタールィ・オルサ」のリーダーがウクライナに出国しました。

 勾留されていた「レーハ」のリーダー、タキンダングさんは昨夜釈放されました。

 人気アーティストが、反政府デモをテーマにした新曲動画を次々発表しています。ユーチューブで見られます。

 拘束する側は「しばらく刑務所にいたら、目が覚めるだろう。」と思っているようですが、逆に留置場にいたことで反省するとか、今までの考えを180度変えました、というような人はほとんどおらず、逆にますます反政府活動に没頭してしまう人のほうが多いようです。だいたい、家族や友人が、刑務所のそばでがんばれと応援し、出所するときには花束や拍手で迎えてくれるので、「これからは政府の言うことを聞くよい子になります。」と言った心境にはならないでしょう。今まで刑務所で我慢したぶんを無駄にしないためにも、これから頑張るぞ、という人もいるし、外国に出国しても何もしないのではなく、外国に散った反政府デモ活動家に合流して、外から反政府活動をする人になってしまいます。だから反政府活動参加者を警棒で叩いて鎮圧したとしても、結局鎮圧にはなりません。

 

 野党のチハノフスカヤ氏がロシア政府代表と対話をしたそうです。詳しい内容は明らかではありません。

 ベラルーシの大統領と高官の家族に制裁を発したEUに対し、ミンスク市が制裁を発表しました。またロシア政府もEUに対して制裁をする予定と報道がありました。どうなるでしょうか。

 ここ3ヶ月の間、ベラルーシの住宅価格は急落しています。新しいマンションの建設が止まり始めました。